「ジゼル」レッスン、第8回(2/24)重要ポイントのまとめ!

 

前回(第7回)の《花占いの場面》の衝撃から1週間。。。

ジゼルが短いけれどいちばん幸せだったひとときを演じたレッスンから180度回れ右をしまして、2月24日(土)の第8回レッスンでは第2幕より《ミルタのヴァリエーション(しかも2種!)》を学びました。

 

愛する人と結ばれる喜びも、わが子を腕に抱く幸せも知らないまま死んでいった乙女たちの霊、ウィリ。肉体を失ってもなお消えることのない男どもへの怨みを抱え、夜な夜な森を漂う哀しき精霊たちです。

そんな精霊たちを統率するのがこの女王ミルタという役ですが、今回のレッスンでいちばん楽しみにしていたことといえば、何といっても、この役を高木綾先生に直伝していただけるということでした……!!!

 

高木綾先生こそは、東京バレエ団在団中にミルタを当たり役として大活躍したお方。
私は綾先生が初めてミルタを踊った時からおそらく一度も欠かさずに拝見しておりますが、綾さんミルタを見た時に、初めて、ミルタがその透き通る体で一心に訴えている強い憎しみや深い哀しみが分かった気がしました。

私、現在はこのように細々とっていうか長々とブログを書いておりますが、以前は某「クロワゼ」というバレエ雑誌の編集者をしておりました。
その頃に、この『ジゼル』という作品やミルタという役について、当時まだ東京バレエ団で踊っていらした綾さんにインタビューをしたことがあったんですね。
その時こんな風におっしゃっていたのを、いまも鮮明に覚えております:

 

「ウィリも、その女王たるミルタも、“心がない心を表現する”役。アームスはどこまでも柔らかく、しかし心は強く凛としたものを見せなくてはいけません。つまり、体と心を別々にして踊らなくてはいけないのです」
ウィリは憎しみや悲しみを抱いている役なので、演じていてすごくつらい。とくにミルタは、人間の男に対して怒りを持っていて、許すことができない性格。許せたらどんなに楽だろうと思うのですが――」

 

……深い。
これはもう、恋愛において天国も地獄も味わってきた我々オトナにしか踊れない役だと言っていいでしょう( ・`ー・´) + キリッ

 

そんな綾先生の言葉を思い出すともなく思い出しながら、まずはいつものようにウォーミングアップの30ミニッツ”バー・レッスン

このショートバージョンのバーもまた、この講習会ですごく楽しいことのひとつです。

日によって、綾先生か竜太先生のどちらかがバーの指導を担当してくださるのですが、綾先生は使ってくださる音楽が『ラ・バヤデール』とか『ロミオとジュリエット』とか、すごくドラマティック。その音楽の感情を活かしたアンシェヌマンを与えてくださるので、筋肉や関節も温まるけど心もすごく動いてほぐれてくる気がします。

そして竜太先生は、演劇仕込みの美声で歌うようにアンシェヌマンの指示を出してくださるのも楽しいし、何といっても名言多し! 今回は竜太先生がご担当だったのですが、タンデュだったかジュテだったか、右側のエクササイズが終わってさあ次は左ですよとなった時におっしゃった、「はい、左側もあらためて新鮮な気持ちで~」というひと言がぐっときました。
バー・レッスンって、いつもそんな風に気持ちを新鮮に入れ替えながらやると、“踊り”としての楽しさがぐっと増しそうです。

 

さて、こうして短いながらもしっかりと体が整うバー・レッスンを終えて、いよいよ《ミルタのヴァリエーション》に挑戦する時が(・∀・)キタ!!

まずはひとつ目のソロ。こちらは、

  • カブリオール・ドゥヴァン→ソテ・アラベスク→ジュテ・アティテュードを左右3回とか、
  • クペ・ジュテ・アン・トゥールナン×3連発(大技!)とか、
  • 最後はジュテ・アントルラセからクルッと振り返ってピケ・アン・ドゥオール&シェネ、そしてウィリポーズでフィニッシュ!とか、

とにかくトライするこちらのテンションを爆上げしてくれるような振付。
まさに、男性のソロに入っていても見せ場になるようなテクニックが満載です。

このソロは、テクニカルな面だけでなく、表現的な面でも、いろいろと発見をもたらしてくれるものでした。
例えば、右に左にとたなびくようにパ・ド・ブーレ・クーリュを繰り返すくだりは、とても女性的であると同時に、やはり自分は肉体のない精霊だということをあらためて思い知らされる。
しかしその後に訪れるクペ・ジュテ・アン・トゥールナン踏み込み(竜太先生語で「ザシャー!」のところ)の力強さや、そこからバッ!と跳び上がるところのビシバシ感。そしてピケ・アン・ドゥオール&シェネの、床を突き刺す鋭さ
これらの振りを自分の体でなぞっていくと、何となく、ミルタとはどういう個性の持ち主なのか、自分の体を通して理解ができて、すごく腑に落ちた感じがしました(いや、だからといって、上手く踊れたわけでは全然ないのですが><)。

 

やっぱり、バレエの振付っておもしろいなあと。
“動きに感情を乗せる”努力が必要な一方で、“その動きが感情を引き出してくれる”という面も、確かにあります。

 

あと、テクニック的な面で、個人的に(これは収穫だな!)と思ったことは、冒頭のカブリオール・ドゥヴァン→ソテ・アラベスク→ジュテ・アティテュードを左右3回のところ。

3種類のジャンプのコンビネーションにいつものごとく気ばかり焦り、鏡に映る自分を見て
「これじゃ踊ってるというよりただの荒ぶってる人だよ・・・」
と思ったその瞬間、綾先生からこんなアドバイスが。

 

「最初のグリッサードから、つま先にすごく力を入れてみてください。力を入れると脚が重くなりそうと思うかもしれないけど、その逆なんですね。つま先にしっかり力を入れて一つひとつのパを丁寧に行っていくと、脚が軽く動かせるし、全身がすごくコントロールできるんですよ」

 

なるほど、つま先ですか……!

 

やってみると、これがびっくりするくらい動きやすくなる!!(°Д°;
すごく不思議。本当に不思議。
それを意識するだけで、何となくごまかしがちだったつなぎのステップもはっきり踏める感じがしたし、なぜか順番も間違えなくなりました。

 

細かいポイントはまた後ほど鬼列挙するとして、続いては2つ目のソロ
この時点でレッスン時間はあと30分強しか残ってない!という状況だったのに、「さ、次にいきます。」新たな振付に入っちゃう先生方と、それに涼しい顔でついていく受講者のみなみなさま。

 

ヽ(-゚ヽ)トッ!! (ノ゚-゚)ノテモ!!.。゚+.(゚ー゚)ノ。+.゚ イイ!!

 

こちらのソロは、全幕の中ではドゥ・ウィリのヴァリエーションに続いて踊られるもの。
モイナとズルマがそれぞれ踊ってハケた後、ほんの一瞬だけ群舞ウィリが白い靄のようにふわ~っと舞台に広がって、それが再びサーッと左右に分かれると、その靄の切れ間に女王ミルタが凛として現れる、という流れで踊られます。

 

くぅぅ~、痺れる!!!

 

そこから始まる振付が、これまたじつに素晴らしい。

  • まず冒頭はグリッサードからのジュテ・アティテュード&アントルシャ・ロワイヤルを3セット、
  • そして下手前→上手奥へとジュテ・アントルラセ&ピケ・アン・ドゥオールから脚を後ろに抜いて第3アラベスク。これを2セット行いまして、
  • もういちどジュテ・アントルラセを行ってから、(個人的にはランベルセに次いで2番目に大好きな)ファイイ・アッサンブレをふわり、ふわりと4回も!
  • 最後はもう一度ジュテ・アントルラセをして裏向きにシェネ・トゥール、そしてアティテュード・クロワゼ・ドゥヴァン第2アラベスクという美しくも堂々とした2種類のポーズを見せてフィニッシュ!

 

綾先生曰く、
「舞台ではいつも、この場面がくると、『ああ~、この場面だ……><』と思ってました(笑)。つまり、そのくらいハードで、踊る前に覚悟が必要な踊りなんですよ」
とのこと。

 

確かに、このソロもまた、ジュテ・アティテュードだとかアントルシャ・ロワイヤルだとか、ジュテ・アントルラセだとかファイイ・アッサンブレだとか、とにかく跳んで、跳んで、跳びまくる振付。
本当に、体感としては、しょっちゅう空中に浮かんでいなくちゃいけないという印象です。

 

しかたないじゃないか、精霊だもの。(==)

 

しかしこの振付けもまた、受講者のみなさんがつるつるつる~っと難なく覚えてしまわれまして、全員が通して踊り終わってもなお、あと10分強も時間が残っている……!

先生方が「どうします? もうひとつ違うソロをやりますか?」とおっしゃった時にはワタクシもう死んだふりをしようと思いましたが、とりあえずみなさまが「いえ、いまのソロをあと1回ずつ通して踊りたいです。」とおっしゃったので、何とか九死に一生を得たしだいです。。。

 

次回(3月3日)のレッスンは

  • 第2幕 ジゼルのヴァリエーション(デヴェロッペ・ア・ラ・スゴンド、アラベスク・パンシェ、ルルヴェ・ラン等の入った振付)
  • アルブレヒトの振付
  • ジゼルとアルブレヒトのパ・ド・ドゥの予備練習

という内容を予定。

脚は89度くらいの高さまでしか上がりませんが、気分だけはしっかりジゼルになりきって挑む所存です(`・ω・´)キリッ

 

***

 

《ミルタ》のポイント】

★ミルタのヴァリエーションは体力的に非常にハード。そのため、踊り全体の中でどのように体力を配分するかがカギになる。例えばパ・ド・ブーレを踏みながら次のジャンプに備えるプレパレーション的な部分などで意識的に呼吸を整えるなど、メリハリを考えて。
★今回のVaはどちらも基本的にプリエとルルヴェの繰り返し。ルルヴェで立ってる時に呼吸を整えつつちょっと休めるくらい、身体を常に引き上げておくと良い。
★今回1つのVaだけを集中的に練習するのではなく、短時間に2種類のVaを詰め込んで踊ってもらったのには意味がある。敢えてたくさん詰め込み、体力的な限界を超えるところ(120%)まで踊ってはじめて、本番でやっと90%の力を発揮できる(緊張等でどうしても10%くらい目減りしてしまう)。プロのダンサーは本当に死ぬほど練習して舞台に向かっている。
アームスは、基本的には、自分の視界に入る位置に置いておくほうが美しい。とくにアン・オーやそこからのアロンジェ、ア・ラ・スゴンドなど、後ろまで引き過ぎてしまわないように注意。(※振付によっては例外あり)

 

【ヴァリエーションその1

★全体を通して…
*肩をしっかり下ろし、首をすごく長く引っ張っておく。そうすると無駄な力を使わずに楽に踊れる
つま先にもすごく力を入れて、しっかり伸ばして使う。そのほうがコントロールが利く

★冒頭のカブリオール・ドゥヴァン
*グリッサ―ドからカブリオールに向けて跳び上がるタイミングでアームスはアン・ナヴァンからアン・オー&ア・ラ・スゴンドに開く。その力を利用して体を引き上げる
脚は45度以下、44度の角度くらい(!)でOK。高く上げようとすると、この曲には絶対に遅れてしまう

★第2アラベスクのソテから走って回り込むところ
*顔をやや後ろに残しながらソテ
*あまり大きく回り込むと音に間に合わないので、そんなに大きくは移動しないように小さ目に回り込む

★クペ・ジュテ・アントゥールナン連続3回のところ
*連続して回る時、1セットの構成は……
クペ・プリエで床に踏み込んで1回転→②グラン・ジュテ・アティテュードでジャンプ→③着地した足ですぐに真上にホップして空中で1回転→着地して①からまた繰り返す
*①②③のリズムを擬態語で表現すると「ザシャー! ホッ! クルッ!」
 ※事務局注:竜太先生がおっしゃったのと音がちょっと違うかもです(><)
 どなたかご記憶の方、ご訂正をお願いします(><)
*グラン・ジュテで跳び上がるところは、脚を思いきって3回グラン・バットマンするイメージ
*グラン・ジュテでついた勢いを、クッペ・プリエ・アン・トゥールナン(ザシャー!のところ)で抑えるつもりで
*この3連続は勢いがだんだんついてくる。最後の3回目のグラン・ジュテを行った後はあらためてしっかりと床を踏み込んでからロン・ド・ジャンブをするべし

★ジュテ・アントルラセから振り返ってシュ・スー
*振り返ってシュ・スーは本当にその場でキリッとシャープに振り返るだけ。移動しない
アン・オーの左腕の肘を前にツイストしないように。このように片手アン・オーの時、ついボディを捻って肘を前にツイストしたポーズにしがち。実際そういう振付もあるけれど、基本的にはあくまでも正しくアン・オーのポジションを保つこと

★ピケ・アン・ドゥオール&シェネ
*ここのピケ・アン・ドゥオールは速いので、ポワントの場合は踏み込み脚を無理にプリエしようとすると間に合わない。この場合はドゥミ・ポワントで踏み込んですぐにピケすること
*右脚をパッセに上げる時、腰を開くのが間に合っていない人が多い。もったりと回るのではなく、すぐに腰を開いて振り向く!というイメージ
*シェネのあとは、歩いて歩いてスッと終わる。ポーズの前に余裕を持って、何事も無かったかのように終わるのがクール

 

【ヴァリエーションその2

★冒頭のグリッサード→ジュテ・アティテュード→アントルシャ・ロワイヤルのところ
ロワイヤルからプリエで着地した時、ボディは次に向かう方向とは逆側に少し傾けて残しながら(つまり、次に左に進むのであれば右側に傾けながら)腕をふわ~っと開く

★下手前に走っていって第3アラベスクでポーズするところ
ここは早めにスタタタターッと走っていって、サッとピケして第3アラベスクのポーズをたっぷり見せるべし

★ジュテ・アントルラセ→ピケ・アン・ドゥオールからの第3アラベスクのところ
*ピケはできれば1回転半回ってからパッセの脚(右脚)を後ろに抜く。1回転半をキレよく回るコツは、1回転のところでスポットをつけず、回り始めた瞬間からいっきに1回転半回りきったところ(つまりこの場合は正面)に意識を集中させること!
*ピケから脚を後ろに抜いてアラベスクにするところは、考えすぎず思いきって体を素早くシャープに伸ばしきるのが安定のコツ

★ファイイ・アッサンブレ×4
だんだんと階段を上っていくイメージで! 2回目のファイイは1回目よりも一段高いところに足をつく、と想像して。回数を重ねるにしたがって、腰の高さもアームスも少しずつ上げていくように

「ジゼル」レッスン、第7回(2/17)重要ポイントのまとめ!

本当の本当に早いもので、この3ヵ月にわたる定期講習会「ジゼル」レッスン、もう後半戦に突入でございます。

 

開講初日のジゼル第1幕のヴァリエーション&アルブレヒト第2幕のヴァリエーション、そこから4回にわたるウィリたちの群舞、そしてドゥ・ウィリのヴァリエーション。これらの振付の練習を通して、私達はバレエのテクニックに“感情”や“演技”といった表現的な要素を乗せて踊ることを、自らの心身で少しずつですが体験し、実感してきました。

 

また、とくに群舞においては“みんなでお互いを感じながら踊る”という経験をしたことで、心を開いて踊るということも少しずつわかってきた気がするのですが、受講者のみなさまどうでしょうか。

 

で、

 

ついにこの日を迎えたわけでございます。

 

2月17日(土)、「ジゼル」レッスン第7回目。

 

本日のレッスンは第1幕より、《花占いの場面》……!!!

 

この場面については、受講者のみなさんや、開講前に行った無料体験レッスン参加者のみなさんからも、「やってみたい!」というお声が多数。

はい、もちろん私も「綾さん竜太さん、ぜひ我々に花占いのチャンスを!」と、猛然とお願いしたひとりでございます。

 

こういう演技やマイムこそ、全幕作品に出演しない限りふつうは体験できないものですし、まして《花占いのマイム》なんて、ジゼル役を踊れる人=プリマ・バレリーナしか演じることができない場面です。

 

かように貴重な機会ですから、やっぱり“エア”花占いでは残念すぎるよね……と思いまして、ワタクシ、頼まれもしないのにこんなものを用意しました↓

 

 

_人人人人人人人人人人人人人_
> ど ん だ け 本 気 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

 

 

ジゼルのお家の窓辺にはこんな可愛いひなぎくの花が咲いていて、彼女はそのなかの一輪を摘み、アルブレヒト(この場面では「ロイス」と名乗っている)との恋の行方を占います。

 

_人人人人人人人人人人人人人_
> な ん て ピ ュ ア <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

 

 

そしてその恋のお相手だって、“エア”アルブレヒトでは心から演じることなどできません(`・ω・´)キリッ

ということで、今回はお二人ほどプロの男性ダンサーをお招きしました!

 

まずは松野乃知(まつの・だいち)さん。

最近まで東京バレエ団で踊っていらして、現在フリー。在団中は『ラ・シルフィード』の主役など主要な役を数々踊ってこられた方です。

あらためて間近で拝見すると、見上げるほど背が高く、お顔ときたら夏みかんくらいの大きさしかなくて、しなやかとしか言いようのない身体をお持ちで、ちょうどジュテ・アティテュードをなさった時に真後ろにおりましたら、松野さんのアティテュードの足先が私(身長163㎝)の鼻の前くらいの高さまで上がってきて驚きました(。-_-。)ポッ

 

もうひとりは浜崎恵二朗(はまさき・けいじろう)さん。

現在は新国立劇場バレエ団で踊っていらして、例えば『シンデレラ』の王子の友人とか『眠れる森の美女』の妖精たちのカバリエとか、つまりルックスにもテクニックにも秀でた男性しか任されない役にいつも配役されている方です。

浜崎さんもまた溜息が出るような小顔と長身。その長い脚を椅子に掛けたりひざまずいたりした時の格好の良さ。そしてアルブレヒト役としてちゃんとわれわれ一人ひとりの顔をのぞき込んだり目を見つめたりしてくださって、とても丁寧にお芝居をしてくださる(。-_-。)ポッ

 

そして女性の人数に対して男性2人では足りないということで、我らが髙橋竜太先生もアルブレヒトを演じてくださるとのこと……!

演技を本格的に学んでいた経歴を持つ竜太先生の芝居はまさに本物。

そしてジゼル役の見本を見せてくださったのは、も・ち・ろ・ん高木綾先生!

なだらかに、でも力強くカーブするつま先のアーチ、背中から羽が生えたようなポール・ド・ブラ、“バレリーナらしさ”が漂う首筋、横顔、柔らかな目元。

私たちはこういう動き、こういうフォルム、こういう雰囲気に憧れてバレエを始めたんだよね……と、この日、綾先生のお手本を間近で見ていて、あらためて初心を思い出しました。

 

 

ま、まずい……。

前置きだけで、こんなに長くなっている……((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 

 

そんなこんなで、レッスンがスタート。

 

今回教わった場面は、第1幕、ジゼルが登場してからアルブレヒトを探し、「あれ……? なんだ、いないじゃない……」と舞台上手手前から後ずさり始めるところから

そこから始まる花占いのくだりを下記3つのパートに分けて、生徒も3グループに分かれて、各グループから一人ずつ前に出ては男性ダンサーを相手にジゼル役を演じていく――という要領で指導してくださいました。

 

(1)「なんだ、彼、いないじゃない……」とがっかりして後ずさるジゼル

→振り返るとそこにアルブレヒトが!……恥ずかしそうにうつむくジゼル

→肩を抱かれる&逃げる、手にキスされそうになる&逃げる

→「お家に帰ります……」「どうか帰らないで!」「わかりました……でもやっぱり帰ります」「待って! ちょっと座ってお話ししようよ」

→グリッサード(前・後ろ・前)、シュ・スーでベンチへ移動→ジゼルがスカートを広げてベンチに座る

 

(2)(ジゼルがベンチに座っているところから)

「ねえ、僕はどこに座ればいいの?」はにかみながらスカートを寄せてスペースを空けるジゼル

→じりじりと体を寄せてくるアルブレヒト。胸のドキドキに耐えきれず逃げるジゼル

→「待って、行かないで!」彼の声に、立ち止まるジゼル

→アルブレヒトはジゼルの腕を取って自分の腕に絡め、舞台正面へとエスコート

→腕を組んでいることもやっぱり恥ずかしくなり、そっと離れるジゼル

→そんなジゼルの顔をこちらに向かせ、「ああ、可愛い人……結婚しよう!」と誓いを立てるアルブレヒト。「そんな、早まらないで……」とジゼルはその手をそっと抑える

→「ねえ、ちょっと待って」と家のほうへ駆け出すジゼル。帰ってしまうのではと思わずドアの前に立ちふさがるアルブレヒト

→ジゼルは花を一輪摘み、グリッサード前・後ろ・前(あるいはアラベスク)でベンチへ

花占い

→花びらの数を数えて悲しい結果を知り、肩を落とすジゼル

→アルブレヒトは花びらをそっと1枚捨て、ジゼルを安心させる

→ジゼル喜ぶ。ふたりで楽しくバロテ、バロネ、ジュテ・アティテュード×2回

 

(3)(先ほどのバロテ、バロネ、ジュテ・アティテュードから)

楽しそうに戯れるふたり。左に右にと身をかわそうとするジゼルをアルブレヒトが通せんぼしたり、抱きしめようとする彼の腕をすり抜けたり

→上手前でデヴェロッペ・ドゥヴァン。そこからグラン・ジュテ×5でマネージュ

→シュ・スーで投げキスしてから、ひざまずく彼の傍に駆け寄って踏み込んでデヴェロッペ・エカルテ・ドゥヴァン

 

 

……こうやって文字にして書き連ねてみるとずいぶん長い感じがいたしますが、実際にやってみますと、はい、やっぱり長かったです。

いや、舞台で観ていると、あっという間に通り過ぎてしまうシーンだと思うんです。

でもやってみると結構な尺がありまして、、、

 

これは覚えがいがある!!!

っていうか、覚えられない!!!

 

「こういう演技の場面って、踊りの場面と違ってカウントでは動けないし(カウントで動くと仕草がすごく不自然になる!)、決まったステップ(振付)もない。なのに、やはり決まった音楽のなかで芝居をし終えないといけない。気持ちも入れなくちゃいけないし、時間が余っても足りなくなってもいけないし、とにかく覚えるのも演じるのもいちばん難しいんですよ」

 

と竜太先生。

 

まったくもって、その通りだと思いました。

 

ヴァリエーションや群舞のように振付があって、どの音でどのステップをするということが明確に指定されているというのは、ある意味で練習しやすいし、踊りやすいんだな、と。(いや、技術的にはものすごく難しいのですが><)

 

やってみていちばん感じたのは、本当に「自分はジゼルなのだ」と信じきる強さがなければ、こうした演技の場面にはまったく歯が立たない、ということでした。

一瞬でも素の自分がそこに出てきてしまうと、この時間、この場面がまったく意味のないものになってしまうんだ、ということを痛切に感じました。

 

私はまず、相手の目をまともに見ることすらできませんでした

私は最初浜崎さんに相手になっていただいたのですが、目を合わせた瞬間に、まるで想像もしていなかった形で心が動き、自分を見失ってしまいました

本当に照れて、ドギマギしてしまって、始まって0.5秒で(あれ? 次は何をやるんだっけ……?)と……。目がキョロキョロせわしなく動き、頭に入れたはずの段取りとかやるべきことが、本当に全部、全部ふっ飛んでしまいました。

 

あと、間(ま)がもたなかった

上記(1)の冒頭、振り返るとそこにアルブレヒトが立っていて、びっくりして彼の顔を見たあと、恥ずかしくて目を伏せてしまう、という場面。

その、顔が合って→目を伏せるまでの音楽が本当にやってみるとめちゃくちゃ長くて、この音楽を“恥じらいの表現”だけにフルに使いきるなんて到底ムリという感じでした(T_T)

それこそ舞台で観ている時には、この瞬間は『ジゼル』の見どころのひとつであり、私もオペラグラス片手にバレリーナそれぞれの”恥じらい方”をガン見しているのですが、観てる時と自分がやってみた時の体感時間がこんなにも違うとは。。。

 

本当にいつもこの結論になりますが、

 

プロって凄い。

 

 

正直を言いますと、この日のレッスンを終えたあと、私はすごく悲しい気持ちで家路につきました。

なぜかというと、事前に(あそこの仕草は私だったらこんな風にやってみたい!)(あのバレリーナのあの表情をマネしてみよう!)といろいろイメージして、あんなにわくわくしながらレッスンに臨んだのに、そうやって思い描いていたことなんて何ひとつできなかったからです。

最後まで、結局、自分の殻を破ることができませんでした。

 

でも!!!

 

私以外の受講者のみなさんは、すごかったですよね…?!

何がすごいって、自分なりの表現をやってみようという姿勢とか、自意識という殻をバーン!と解き放つこととか、みなさんのほうがよっぽど力強くこのレッスンに臨んでいらした

 

ご自身の可憐な個性を活かした仕草をして見せる方。

憂いの表情がことのほか上手な方。

なかには、普段の印象からは想像がつかないほど熱い演技をなさる方もいらして、おそらくスタジオ内にいた全員が、

 

北島マヤがなぜここに ……(@o@ !!

 

とびっくりしたはずです。

 

 

本当に個人的には自分のダメさを思い知る結果とはなりましたが、しかし演技の難しさというものにのっけから打ちのめされたこと自体がもう、最大の価値でもあったと思います。(その奥深さは、まだまだ底知れないに違いありませんが……)

 

みなさんと一緒にこの場面を学ぶことができて、本当に嬉しかったです。

この日のことを、私はきっとずっと忘れないと思います。

 

***

 

【“演技”全般のポイント】

 

★ジゼルのマイムは、タメが長い(音をすごくゆったり使いながら、少し遅れ気味に動くイメージ)。この長さもジゼルの醍醐味!

 

★マイムの場面は“このカウントでこの動きを…”と決まっているわけではない。だからこそ事前に音楽をたくさん聴いて、音をしっかり身体に入れておくべし

 

★相手と目を合わせたり、触れ合ったりすると、どうしても照れたり、恥ずかしかったり、ドキッとしたりしてしまうもの。しかしむしろ、その心の動きをこそ、すかさず演技に取り込むべし!

「恥ずかしい><」と思ったのなら、その恥ずかしさを観客にもわかるように表現してみせるのが演技。

そういう感情の動きがあったほうが、演技に真実味が増す

普段の私たちは、誰かと至近距離で目が合ったりするとドキッとしているのに、そのドキドキを表面には出さないように“平気な顔”という仮面をかぶっている。しかし演技ではその仮面を逆に外すべし!

 

★演技の場面においては、何があっても我に返るべからず! どんなハプニングがあろうと、物語のなかで生き続けること

 

「逃げる」「振り向く」等の動作はとくに“振付っぽく”なりがちなので注意!

 

★一緒に踊る相手のことを信用・信頼するべし

 

 

【シーン別のポイント】

 

★アルブレヒトが通せんぼするところ

ジゼルはあくまでもお家に入ろうとしているのだから、あくまでもアルブレヒトの背中の向こうにあるドアをめがけて手を伸ばすこと。あまり見当はずれな方向に腕を伸ばさないように

 

★アルブレヒトの「結婚を誓う」マイムのところ

誓いを立てるアルブレヒトの手を取って下ろす時。「嬉しいけどやめて……」という気持ちを込めて、自分のほうへ大切に引き寄せるように、静かに下ろしてくる。

 

★花占いのところ

花びらをちぎったら、少し遠くへ放るようにフワッと手から離す。客席から観やすいように。

 

★ふたりで腕を組んでバロテ→バロネ→ジュテ・アティテュードを行うところ

跳ぶパが続いてすごく動きがあるので、組んだ腕が崩壊しやすい。女性は男性の腕を上から軽く押さえる感じで形を保つと崩れにくい。

 

★ラストのデヴェロッペ・エカルテ・ドゥヴァン

・アルブレヒトの足元(左足)のすぐ横でしっかり踏み込んでからポアント(ドゥミ・ポアント)に立つ

・アルブレヒトのほうに駆けていくところはしっかり彼のほうに体を向けて進んでいく。そしてデヴェロッペする瞬間にクルッと体を反転させて表を客席に向けるようなイメージ。

ここの切り替えをはっきり見せると美しい

 

 

【ゲストからのコメント】

 

◎松野乃知さん

みなさんがちゃんと演じていて楽しかった。ひとつアドバイスするなら、演技をする時、もっと“胸”を使ってみてください。例えば花の匂いをかぐ時、本当に鼻先だけで匂うより、胸をふわ~っと膨らませるように動かしてみて。このような“胸の動き”も、バレエの表現を観客に伝わりやすくするためのポイントになる。

 

◎浜崎恵二朗さん

みなさん全体的に、少し動きが早くなりがち。あまりちゃかちゃか動くよりも、音楽をたっぷり使い、ゆったりと間を使って動いたほうがいいと思います。

 

「ジゼル」レッスン、第6回(2/10)重要ポイントのまとめ!

 

2月10日(土)、第6回レッスンを行ってきました。

第6回――それはすなわち、全12回のもう半分まできてしまったということ。

早すぎる(T_T)

もっとずっとやっていたいです(T_T)

 

しかしいま、私はとてもゴキゲンです。

なぜならこの第6回レッスンでは、念願のドゥ・ウィリのヴァリエーションを学べたからです……!!

 

個人的な話で恐縮なのですが、私はもしも来世でバレリーナになれて、『ジゼル』全幕に出演できることになったなら、ぜひとも踊りたいのがこのドゥ・ウィリです(。-_-。)ポッ

 

ドゥ・ウィリ。それはウィリたちの群舞のなかで唯二のソリスト役。

ウィリのリーダー的な存在と言われ、会社組織に喩えるならば女王ミルタがもちろん社長、群舞ウィリは平社員、そしてドゥ・ウィリは部長といったところではないかと思います(※個人的な見解です)。

ふたりともちゃんと名前を持っていて、ヴァリエーションを先に踊るほうがモイナ、後に踊るほうがズルマ。なかなか覚えにくい名前なところもツボです。

 

彼女たちのヴァリエーションは、とにかくとにかく振付が素敵

前後・左右に余韻を残しながら揺れるような動きの繰り返しや、ゆらゆらとたなびくようなポール・ド・ブラコントゥルタンなど、ちょっと残像が残るようなイメージの“引きずり系”のパ。アラベスク・パンシェからのトゥール・アッサンブレみたいなドラマティックなコンビネーションもありますし、何と言ってもランベルセがある…!

 

さらに個人的なお話になってますます恐縮しながら書き続けますが、何を隠そう、私はバレエのパのなかでランベルセがいちばん好きです(。-_-。)ポッ

どのくらい好きかというと、レッスンでランベルセが出てきた日には、ランベルセをしながら家に帰りたくなるくらい好きです(たぶん同じところをぐるぐるするだけになるけど)。

 

このランベルセも含め、ドゥ・ウィリのヴァリエーションはどちらもすごく短くて、含まれているパも普段のレッスンによく出てくるものばかり。もちろんプロのような精度で行うのはめちゃくちゃ難しいに違いないのですが、一応、何とか、この体で動きをなぞることはできそうに見える……ということで、本当に私、この日のレッスンをすごく、すごーく楽しみにしていました。

 

初挑戦の感想は……

 

成仏。

 

思っていたよりもぜんぜんできなくて、カブリオール・デリエールは3発とも脚が打てず空振りだったし、第2アラベスクは全部ふらふらで自分でも「脚、低っ!!」とびっくりしたし、肝心のランベルセは気合いが入りすぎて1人だけ異常に早く始めてしまったけど、でもずっとずっと踊ってみたかった振付を初めて習うことができて、気持ちだけは本当にモイナ&ズルマ気分でふわ〜、ふわ〜と踊ってるつもりになれて、「そっか、ダンサーはこんな風に踊ってたのか…!」というポイントもいっぱい教われて(後ほど大量に列挙します)

 

ワタクシ、個人的にはもうウィリ業を引退してもいいかなと思えるくらい成仏できました。

 

実際のところ、このふたつのヴァリエーションに含まれているパは、基本的だからこそごまかしがきかず、精度高く行おうとすればするほど難しくなるテクニックばかり。

 

レッスンの最後に高橋竜太先生がおっしゃったこの言葉が、胸に深く刻みつきました↓

 

「このドゥ・ウィリのヴァリエーションも含めて、同じステップを繰り返し見せるというのがソロの踊りによく出てくる定番要素のひとつです。

そのステップを1回行うだけなら、簡単かもしれない。でも、それを何度でも繰り返せること何度繰り返しても精確かつ完璧に行えること。それこそがバレエのクオリティなんですよ」

 

プロのダンサーって、本当に凄いです。

 

受講者のみなさま、ドゥ・ウィリのヴァリエーション、いかがでしたか?

心からの感想として、みなさん振り覚えもめちゃくちゃ早いし、上手い

私がモイナ部長かズルマ部長の役を射止めるのは、たぶん来世でも無理(T_T)と思いました。

 

次回(2/17)はいよいよ! 初の男性ダンサーがゲストに来てくださる回です。

第1幕より、「花占いのマイム」を学びます(。-_-。)ポッ

 

***

 

【ドゥ・ウィリ(モイナとズルマ)共通】

Point1: 出のところの歩き方はススススス…と静かに、恐く!

頭をぴょこぴょこさせないように気をつけつつススススス…と出てきて、慌てず風格をもって最初のポーズをとる

Point2: 群舞を従えて踊る《ソリスト》という自覚を持ち、堂々たる存在感を意識!

★(今回は体験できなかったけれども)ドゥ・ウィリがソロを踊る時、周りには24人の群舞が立っている。

群舞を周りに従えて、そのセンターでひとりで踊る感覚というものを、いつかいちど体験してみてほしい。(この講習会のどこかのタイミングで実現したい)

★踊り始めの位置につく時から、群舞よりもひとつ際立った存在感を出すよう意識することが大事。

群舞のふわふわ〜っとした煙のなかから、一段と濃い煙が出てくるイメージ

Point3: 上半身で”ふわり…”とした動きを表現したければ、下半身を安定させるべし!

★盤石な土台=下半身が支えているからこそ、上半身をふわり、ふわりと動かせる。そして下半身をしっかり安定させる最大のポイントはもちろんアン・ドゥオール

 

モイナのヴァリエーション】

Point1: (ピケ・アラベスク→シャッセ→カブリオール・デリエール→コントゥルタン)×3回

★最初のピケ・アラベスク

*4番の方向(正面に対して右斜め後ろのコーナー方向)に立つ。

*アラベスクの時は両腕とも前のアロンジェ。ふわ〜っと柔らかいアームスで、長く、遠くへ…を意識

*(このあとは真反対の方向にシャッセすることになるとはいえ)このアラベスクの時は思いきって前方向へ、しっかり体重を移動しきって

そうすることで、水槽のなかのエビみたいに、ぐーっと前に行く……かと思いきやシューッと後ろへ!という、フェイントみたいなニュアンスを動きに出す。

*アラベスクの後ろに上げた脚は、つま先まで強く伸ばす! そのハリの強さが、次の動きに滑らかにつながっていくためのカギになる。

*アラベスクからシャッセへ移行する時。軸足の踵を床につける瞬間、その踵をぐっと前に出してしっかりアン・ドゥオールすると、ふらふらせず体をコントロールできる。

★シャッセ

*8番の方向へ向かってシャッセ

腕はアン・ナヴァンにまとめる。このとききちんと丁寧にアン・ナヴァンのポジションを作ることで、次のカブリオールの時にエネルギーを爆発させられる。

両脚のアン・ドゥオールを忘れない! こういうつなぎのパでしっかりアン・ドゥオールを使うことで体をコントロールでき、踊りのクオリティがぐっと上がる。

★カブリオール・デリエール

*シャッセの後さらに遠くへ進む気持ちで、軸脚(左脚)をできるだけ前方に踏み込むのがコツ。

アン・ナヴァンの腕をパッと第一アラベスクの形に開くことでエネルギーを爆発させて跳ぶ!

★コントゥルタン

*この、カブリオールからのコントゥルタンが、モイナの大きな見せ場のひとつ!

*カブリオールでアラベスクに上げていた脚(右脚)は、着地した脚(左脚)よりも前に送って床に着けてプリエ。

軸脚にも動脚にもしっかりと力を入れて。脚に意識がいかずふわふわしてると体がコントロールできなくなり、ここから先が次々と上手くいかなくなっていく。

軸脚(右脚)踏ん張る&右肩重く。右脚・右肩を支点にして、左脚&左腕は遠くへ引っ張りながら回していく。

動脚(左脚)のつま先は床を擦る! 宙に浮いてこないよう注意。

*左脚&腕を回してきたらアームスは再びアン・ナヴァンにまとめ、次のピケ・アラベスクに備える。この一連のシークエンスは必ずアン・ナヴァンを通過しながら流れを作ることがとても大事!

 

Point2: (グリッサード・アッサンブレ→アティテュード・クロワゼ・ドゥヴァン→アティテュード・クロワゼ・デリエール)×3回

顔のつけ方Uの字”を描くイメージで。

グリッサードで下を通り、アッサンブレで上の手のほうにちゃんと向ける。

そこからまた下を通ってアティテュード・ドゥヴァンで顔を上げ、また下を通ってアティティード・デリエールで顔を上げる……の繰り返し。

★アティテュード・ドゥヴァン

5番ポジションのプリエでしっかり床を踏み込んでアティテュードに上げる。この踏み込みが大事! はっきり踏み込むことで観客に動きを明確に見せることができ、音も取りやすくなる

*腕はまた赤ちゃんを両手に乗せているような重みを感じてウィリ・ポーズ。

★その腕をふわっとアロンジェに開きながらアティテュード・デリエールへ。

アティテュードに立ち上がる時は軸脚(片脚)で床をぐっと踏み込んで立ち上がる。ここもはっきり踏み込むことで動きが明確になり、音も取りやすくなる

★3回目のアティテュード・デリエールから、できればポアント(ドゥミ・ポアント)で立ったままシュ・スーに。

ピケ・トゥール・アン・ドゥオール。ピケで立つ時は前に壁があるイメージで、その場で回る! 移動するのは回る前に踏み込む時だけ。回る時まで前に流れていかないように。

★ピケを2回回ったら、軸脚で一旦プリエに降りて、落ち着いてシェネ2回

★シェネが終わったら再び軸脚で一旦プリエに降りて、落ち着いてからピケして第2アラベスク

この時はピケ・アラベスク先行。腕は後からゆったりとついてくるイメージ。

 

 

ズルマのヴァリエーション】

Point1: プレパレーション

★モイナがピケ・アン・ドゥオールを始める音でススススス…と最初の立ち位置へ出て行く。

★最初のポーズ。両腕横から右腕→左腕の順に時間差でアン・ナヴァンの位置へ持って行ってから、同時にアロンジェへふわりと開く。

 

Point2: (ピケ・アティテュード・クロワゼ・デリエール《ウィリ・ポーズ》⇒ 2歩 ⇒ ピケ・アティテュード・クロワゼ・デリエール《アロンジェ》)×3回

★ウィリ・ポーズは赤ちゃんを両手の上に……

2歩のところでズシンと体重を落とさないように。上体を高く高く引き上げたまま、少しドゥミ・ポワントくらいの感じでステップを踏む。(そうでないとまたアティテュードで立つのにすごく負担がかかる)

★アロンジェのほうのアティテュードは、3回とも腕&顔のつけ方が違うので注意。

1回目は左手が上、顔も左手のほうへ(でも客席からみて顔が綺麗に見えるよう正面を意識)

2回目は右手が上、顔も右手のほうへ

3回目は両腕アロンジェ、顔は真っ直ぐもしくは右手のほうへ(客席から顔が綺麗に見えるように)

 

Point3: (アラベスク・パンシェ ⇒ シャッセ ⇒ トゥール・アッサンブレ)×3回

★アラベスク・パンシェは、思いきって前に体重をもっていったほうが安定してやりやすい。

だからアラベスクで止まるよりも、パンシェをしてしまったほうがこのくだりは楽に行えるはず。

★トゥール・アッサンブレ

最初から回ろうとせずに、まずは動脚(右脚)を進行方向(6番の方向)に上げることを意識。高さは最高でも45度くらい。高く上げ過ぎると次にスムーズにつながらなくなる。

*動脚を上げたらすぐに踏切脚の前に集めながら回り、右足前5番で着地。5番をきっちり

*着地はアームスで安定させる

*腕はアン・オーで、上体ごと少ーし左方向に押されたように傾けるとGOOD

 

Point4: (デヴェロッペ・ア・ラ・スゴンド ⇒ パ・ド・ブーレ・トゥール ⇒ ランベルセ ⇒ 第3アラベスク)×3回

★デヴェロッペ・ア・ラ・スゴンド

左脚をデヴェロッペしながら右脚プリエ。腕は横のアロンジェで遠く遠くへ引っ張って

★次のパ・ド・ブーレ・トゥールは、足を着く方向がすごく大事

左足は2番の方向に。次の右足は8番の方向に着いてから、左足を右足の後ろに収めてランベルセへ。

★ランベルセ

*左脚プリエ、右脚ドゥヴァンからア・ラ・スゴンドに開きながらルルヴェ・アップ。同時に横アロンジェに開いていた腕をアン・ナヴァンからアン・オーに上げていく力を借りて、体をグッと引き上げて立つ

*右脚をドゥヴァン→ア・ラ・スゴンド→デリエール(アティテュード)へと回していく時、しっかりとアン・ドゥオールをキープすること! ぎりぎりまで内腿を前に張り出し続ける

動脚の軌跡は“前・横・後ろ”ではなく、前・エカルテ・横・エカルテ・後ろだと心得るべし。

左肩を残しながらアティテュードを見せる。

*軸脚プリエに下りる時は踵を前に送ってしっかりアン・ドゥオール

ランベルセじたいは立つだけ。その後のパ・ド・ブーレで素早く回る

★第3アラベスクから再びプリエに下りてデヴェロッペ・ア・ラ・スゴンドに下りる時も、踵をぐっと前に送ってあらためてアン・ドゥオール

★この一連の動きでは、ランベルセの時以外ずーっとアームスは開いてアロンジェしている状態。各ステップの呼吸に合わせて、肘を軽く下ろしたり上げたりすることでコントロールする。

 

 

「ジゼル」レッスン、第5回(2/3)重要ポイントのまとめ!

「ジゼル」レッスン受講者のみなさま、そして「ジゼル」レッスンに注目してくださっているみなさま、こんにちは。いつも当ブログをご愛読いただきありがとうございます。

先週はナイル川のように長大なブログを書き、ツイッターで「UPしましたー♪」と告知したところ瞬時に5名のフォロワー様を失ってしまうという緊急事態が発生いたしましたが(ほんとです)、今週も懲りないスタイルでまいりたいと思います。

 

2月3日(土)、第5回レッスン。
この日は前回振りを覚えた第2幕、ウィリ達がヒラリオンを追い詰め、ぐるぐると渦に巻き込んだり怒涛のソテ・アラベスクでアタックしたりしながら踊り狂わせ、ついには死の沼へと突き落としてしまう――という場面をさらに練習。
より細かい部分まで磨き、一応の完成形までもっていく、というレッスン内容でした。

このところ、毎回レッスンの最後に通して踊るところを動画撮影し、それを受講者限定で公開するようにしていますが、みなさんそれを熱心に観ては、各自で復習したり次のレッスンに向けての予習に使ってくださっているようなんですね。(驚きの動画再生回数と総再生時間の記録がそれを物語っています(`・ω・´)キリッ)

そのおかげでしょうか。

な、なんですかこの誰も振りを間違えない感じは……!?
覚えていない人とか忘れてしまっている人は(私以外に)いないのですか!?!?

驚愕しました。
でもそれ以上に感激しました。
こんなにもみなさんが熱心に且つ貪欲に取り組んでくださるというのは、それだけこの時間が楽しいと感じてくださっていることの証なのではないかと。
やっぱり最高のレッスンだな……と、あらためて高木綾先生&高橋竜太先生、そして受講者のみなみなさまに感謝いたします。

そのようなわけで、今回も引き続き諸々のステップについてのご指導もあるにはあったのですが、むしろ全体的なタイミングやフォーメーションの精度を上げていくような練習に注力し、最後にドドーン!と通してみる、という練習をしました。

ワタクシ、この最後の通しを撮影した動画をひと足お先に拝見したのですが、、、

こ、これはすごい……!!(゚Д゚ノ)ノ

動きも揃ってるし、フォーメーションもすごく整ってるし、ヒラリオンさんの演技もいいし、彼とウィリ達との絡みのタイミングもバッチリ。

受講者のみなさま、いつものように限定公開動画URLをお送りしますので、ぜひ期待してご覧ください。みなさんも絶対にびっくりすると思います!

(私の個人的なツボは、大斜めのところでヒラリオンさんがミルタの前でパタッと倒れたところの演技と、ラストのところで最後尾の華奢で可愛らしいウィリお二人がヒラリオンを捕まえて“ていっ!”と沼に突き落とすところです)

それにしても。
私自身は踊ってみて初めて意識できたのですが、ウィリの踊りって、怒涛のアラベスク・ソテ合計23回(たぶん)とか、フェッテ・アラベスク12回とか、あるいは以前練習した“象の行進”のアラベスク・タン・ルヴェ往路12回、復路14回などなど、同じステップをただ延々と繰り返す振付がとても多いですよね。

踊ってると、(く、苦しい(×_×)このままではこっちが死んでしまう……って、いやもう死んでる役だけども(×_×))となるのですが、鏡に映る自分たちの姿をちらっと見ると、

うん、恐い。

不気味な風が巻き起こっているみたいな恐ろしさと迫力。
単純なステップを無表情でずーっと繰り返すのって、それだけでめちゃくちゃ恐ろしい雰囲気や迫力を醸せるんですね。

この群舞を振付けた人、天才!(軽薄な言い方ですみません)

そしてこの日の最後に、ここ2回のレッスンのまとめとして竜太先生が話してくださったこちら↓の内容が、また素晴らしかったです:

●第2回・第3回で練習したウィリの群舞は、ふわり、ふわりと人も殺さないような優しい柔らかい踊り。
でも前回と今回レッスンしたところは、ウィリ達がいきなり強くなって、恐くなるシーン。一気に襲いかかり獲物を仕留める感じ
だいたい、動物でもなんでも、甘〜く近寄っておいて一気にパクっといくものであり、ここの場面はそういうイメージと言える。
●だからその落差を見せるのがポイントであり、作品の面白みでもある。
●その落差・違いは、指さし方の強さ、その時の目線の強さ、背中の使い方の強さ、“NO!”のポーズの強さ等で表現できる。
また、輪になって走るところの腕の角度などにも表せる。
だからそういう部分をビシッと強く決めることが大事。
●列をビシッと揃えることも、迫力につながる
●人間はピンチになってその場から逃げたい時、そこに広い空間があったり、一本道がスーッと続いたりしてると、思わず吸い込まれるようにそちらに行ってしまうもの。
例えば輪になるところはそのスポッと空いた空間を、大斜めのところは森の木々がずーっと一直線の道を示すように並んでいる光景をイメージさせる。
それがわかっているとヒラリオンの動線もおのずと定まるし、バレエの構成としてもすごくおもしろいシーンである。

『ジゼル』って、全2幕でバレエとしては短いほうですし、作品の構造も振付もストーリーも比較的シンプルだと思うのですが、じつによくできた作品なのだな……とあらためてハッとさせられます。
無駄がない。だけど、細かく観れば観るほど、いくらでも発見ができそうな作品です。

 

***

 

【ヒラリオンのポイント】
★最初の出のところ
*行く手をいちいち塞がれて……というところは、手元だけで防御のポーズを取らないように。ボディで「うわっ」「危ない!」「こっちもダメか!」というビクッとした様子を見せるように芝居を工夫しよう。
*演技に集中しすぎて、カウントを忘れてはいけない

★スートゥニュで小さな渦巻きに巻き込まれるところ
*各列4人のウィリ達の真ん中に入るべし。
*大きな輪の中へと入っていくところも同じだが、ミルタから「お前は逃げられない」「お前はここではなく、あちらへ行って踊るのです」とマイムで命じられ、「い、いやだ〜〜〜!!」という抵抗の仕草をちゃんと時間を使って見せてから、目的地へと向かうこと。タイミングに遅れないようにと気をつけるあまり、焦ってサッと向かってしまうと、ミルタの命に「はーい♪」と従っているように見えてしまう。
*スートゥニュは、右腕を上に向かって延ばしながらくるりと各渦巻きに巻き上げられるようにして一回転。
このときの腕は、クラシックというよりコンテンポラリーのよう。胸〜左頬を手のひらで撫でるようにして〜天に向かって差し伸ばしていくような感じ。

★フェッテ・アラベスクのところ
フェッテ・アラベスク×2は小さく → グリッサードで助走して…… → カブリオールで大きく

 

【ウィリのポイント】
★小さな渦巻きのところ
*ウィリは本当にタイトな渦巻きを作る。2番目以降の人は先頭の人の後ろに続くというより右肩を入れるような感じで絶対に間をあけずタイトに回る

★大きな輪になるところ
*全員でカウントをぴったり合わせ、周りを見回しながらキレイな円を作るというよりも、自分のスタート位置をまず覚え、そこにさっと行くことが大事。全員がスタートの位置を正確に覚え、常に正確にその位置に移動することが重要。
両腕が90度に曲げていられる大きさで円を作ること。ここでもう手が伸びきっていたり、延ばしても届かないくらいの感じでスタートしてしまうと、もう絶対に挽回はできないし、円は崩壊してしまう。
自分のスタート位置にきちんと到着してから手をつなぎ、回り始めること。
*走り方は絶対に小走り
*そして脚がパラレルになると勢いが制御できず円がふくらんだり遠心力で振り回される原因に。とくに左足を床に着く時にアン・ドゥオールすることを心がけると、円がふくれそうになる時にも踏みとどまれるし、すごくコントロールが利く

フェッテ12回のところ
*普通アカデミックにはフェッテは動脚をドゥヴァン→ア・ラ・スゴンド→デリエールと回して行くが、ここはそうする時間がないのでドゥヴァンは省略しアラスゴンドにいきなり出す
*また、その脚を後ろに回して行くというよりも、軸脚で跳んだあとプリエで着地する時に踵をグッと前に出してアン・ドゥオールすることを意識して。
*このパは跳ぶパではあるけれど、アクセントはプリエの着地のところ。“上に、上に”ではなく、“下へ”の意識プリエをしっかり踏むことを意識することが重要。そうしないと、上、上と飛んでいると、だんだん音より早くなってきてしまう。
プリエは踵まで床にしっかりつけて強く踏み込むことが大事。
*跳んでいる時は、軸脚もつま先までピン!と伸ばす。
*ここの振りは、繰り返していると、だんだん何をやっているかわからなくなってきて混乱してくる人多数。そして混乱すると腕の意識が抜けてくるけれども、逆に腕をきちんと使わないと方向すら見失ってくる。脚が混乱しても、アロンジェ、アロンジェの腕だけは動かし続けるほうが、踊り続けられる。

★フェッテの12回目はぐーっとプリエを踏んで、アラベスク・アロンジェのポーズをしっかり見せてから、大斜めの自分の位置にサッと入る。位置に走っていく時のアームスはすごく低めでドゥミ・スゴンドに。

★大斜めのところ
*振り返りのところのNO!の手は、強さとシャープさは必要だけど、手を捨てるようなぶっきらぼうな感じになってはいけない。肘を脇腹に近づけたところから、手のひらで空気を押すようにNOと出す
*カノンで両腕を前のアロンジェにするところ。この振り返りの時にすごく列が歪みやすい。後ろのタンデュにしている右足を、左足の後ろにおさめて5番ポジションにしっかり締めるようにしてから左足を前に出す。つまり、ほぼ1点上で軸脚の交代をするような感じにするとずれにくい。
*ラストの振り向きは、3つの音のうち
1つめの音で息を吸ってアームスを持ち上げ、
2つめの音で振り向き、
3つめ(最後)の音でウィリポーズ!

 

「ジゼル」レッスン、第4回(1/27)重要ポイントのまとめ!

1月27日(土)、第4回目のレッスンは引き続き第2幕から。
場面はウィリたちが今宵の生け贄・ヒラリオンを追い詰め、踊り狂わせ、最後は沼に沈めてしまう――という、全幕中のクライマックスのひとつと言えるシーンを学びました。

女性のみなさんは全員でウィリたちの群舞。
そして栄えある(?!)ヒラリオン役は、もちろん男性受講者の方に任されることになりました。
竜太先生から「じゃ、男性はヒラリオン役で」と任命され、ちょっぴりはにかむヒラリオン。それをウィリのみなさんが温かな拍手で激励するという、何ともほっこりなひと幕もありました(笑)。

やっぱりバレエは、女性と男性がいるからこそ素敵です。

さて。
今回のシーンは、具体的にはこのような場面でした↓

①ジゼルのお墓を訪ねてウィリの森に入ってきてしまった哀れヒラリオン。ウィリたちの気配に気づき、森から逃げ出そうとするも、左(上手)から右(下手)から走り込んでくるウィリたちにことごとく行く手を塞がれ、追い詰められてしまう。
ウィリたちは「今日の餌食はお前だ!」と言わんばかりに全員でヒラリオンを指さし、怒涛のアラベスク・ソテで攻め立てる。

②ヒラリオンの前に、ウィリの女王ミルタが現れる。
ヒ:「おいアンタ、俺はここから出て行っていいか?」
ミ:「いいえ、それは許されません」
ヒ:「え、何で!?!? あああああ〜〜〜」
ウィリたちが1列ごとに巻き起こす渦巻き状の疾風に絡まり、翻弄されるヒラリオン。

③ミルタに必死に命乞いをするヒラリオン。
ヒ:「た、頼む、助けてくれ……」
ミ:「お前はここで踊り続けるのです。心臓が破れるまでね」
ヒ:「そ、そんなの嫌だー!うわあああああ〜〜〜〜〜!!!」
ウィリたちはヒラリオンをぐるりと取り囲んでひとつの大きな輪となり、ぶわ〜っと勢いよく回り始める。ヒラリオンはその流れに逆行し、息も絶え絶えにグラン・ジュテ・アティテュード×5回。そして十字架ポーズでウィリに捕獲されてしまう……。

④ウィリたちのアラベスク・ソテ(スタジオの各コーナーへ方向を変えながら)&小さなフェッテ・アラベスク×12、そして舞台上手手前から下手奥に向かって大斜めのフォーメーション。
最後の力を振り絞って命乞いをするヒラリオンに、ウィリたちは冷たく「NO!NO!NO!NO!NO!……」
(ここで、1列に並んだウィリたちがウェーブみたいに前から順々にパパパパパパ……とポーズを作っていく動きを、先生は“カノン”と呼んでおられました)

⑤ついにヒラリオンは沼に突き落とされ、終了。

こ、これは……
めちゃくちゃ燃えます

これまで、観客としてこの場面を見ている時は
(ヒラリオン可哀そうすぎる;;)
(彼は何にも悪いことしてないよ? ただ一途にジゼルのことが好きだっただけだよ?)
と、どちらかといえばヒラリオンにすごく同情を感じておりました。

ところが実際にこの群舞を踊ってみると、ぜんぜん違う感情が芽生えてくるんですね。

逃げまどうヒラリオンを指さす時には(そこの男、逃がさないよ( ̄ー ̄))と。
怒涛のアラベスク・ソテ攻撃をお見舞いしている時には(追いつめてやるー!( ̄ー ̄))と。
拒絶のポーズで突き放す時には(私たちは絶対に許さないから( ̄ー ̄))と。

これまで四十ウン年の人生では感じたことのないドSな感情が、ごく自然に心の奥から湧き上がってきました。

実際のところ、今回は演技的な部分、表現的な部分も、とても勉強になりました。
何と言うのでしょうか、まずわれわれウィリは、ターゲット(=ヒラリオン)が定まることによって、気持ちに“強さ”が出てくる感じがしました。
「今夜はあの男を踊り殺すのだ!」という目的が明確にあることによって、私たちの指先や目線もきっちりと定まり、自然と力がみなぎる

またヒラリオン役の人も、ただくるりと1回転するだけ、軽くバランセをするだけでも、自然と天を仰いだり、何となく悲壮感のある表情を浮かべたりと、まだ振りを覚えきっていない段階からもうステップに“芝居”の芽が出てきているように見えました。

なるほど、表現や演技というのはこのように、その場面や振付の意味をはっきりと理解できていることがすごく重要で、それができているかどうかで動き方や表情が内側から自然に変わってくるんだな、と。

頭では何となく知っていたことですが、それを自分の体で感じられたのは、とても新鮮で嬉しい体験でした。

次回、第5回レッスンでは、この同じ場面をさらに踊り込み、磨きをかけ、仕上げていく予定です。

***

【第3回レッスンのポイント】

Point 1:“ウィリ走り”のコツ
★上体を前傾させ、進行方向側の腕をアン・ナヴァン、反対側の腕はア・ラ・スゴンド(だけれども、ボディを少し正面方向に開くようにして、腕が斜め後ろに伸びているようなラインを作る)
★“上体を前傾させる”といっても、決して背中は緩めない
背中をグッと入れて、デコルテを張り、首筋をスッと長く保っておく。
★走る時は脚がパラレル(6番ポジション)にならないように注意!
両脚のアン・ドゥオールを忘れずに、ちゃんと“バレエらしく”走るべし。
★このシーンの冒頭、上手と下手から舞台へと走り出る場面で注意しなくてはいけないのは「行き過ぎてしまったら、もう後戻りはできない」ということ。
自分が止まるべき位置(バミリ)や前の人との間隔をちゃんと目で確認しつつ走るべし!

Point 2:指さす時はハッキリと!
★舞台にダーッと走り出てきて、自分の立ち位置に着いたらクロワゼ・後ろの脚タンデュでストップ。
客席から見て奥の腕を真っ直ぐ前に伸ばし、ヒラリオンを指さすようなポーズをする。
★指さす時は、前に伸ばした腕をいちど自分のほうに巻き込んでから(アン・ナヴァンのポジションを通過するように)、あらためて強く前に突き出す
★その指先はピン!と強く伸ばし、「お前だ!」という感じで、はっきりと指をさし、目にも力を込めて(目力)。ふんわり・ぼんやりと指をささないこと。
★ただし、強く指さそうとするあまり、反対側の手まで人差し指がピーンと立ってしまわないよう注意。反対側の腕は低めの位置のドゥミ・スゴンドで自然に伸ばしておく。

Point 31列ずつの小さな渦巻きはタイミングが重要(衝突注意!)
★ウィリたちが1列ずつ小さな渦巻きを作ってヒラリオンを巻き込んでいくところ。焦って早く動き出さないよう、音楽をしっかり聞いてタイミングよくスタートすること。
★スタートしたら、23番目の人たちはダッシュで1番先頭の人についていく。ここで間隔をあけてしまうとヒラリオンが次の渦へと抜けていくのにぶつかったり、タイミングが遅れたりしてしまう。
★ヒラリオンはストゥニューでバランスを取りつつ渦の最後尾の人が通過するのを目視確認してからダッシュで抜けるのがコツ。

Point 4:難しいのは、音楽に演技のタイミングを合わせること
★音楽に合わせて踊るのはカウントを取りやすいし比較的やりやすいけれど、より難しいのは“音楽に合わせて演技をする”こと
“この音のところでこの芝居をする”というのは、タイミングがとても覚えにくく、難易度が高い。その意味で、今回の場面はヒラリオン役の難所であり、見せ場でもある。

Point 5:大きな輪になって回る時のコツ
★ミルタがヒラリオンに対して「お前はここで踊るのです」のマイムをしたら、ウィリたちはサッと移動してひとつの大きな輪を作る。
輪のフォーメーションを作る時の自分の位置を覚えておき、その場所をめがけてサッと移動し、きちんとフォーメーションを組んで静止してから、走り出すこと。
★前後の人と手をつなぐやり方には決まりがある。
全員、“ウィリ走り”の体勢(上体前傾)を取り、右手が前、左手が後ろどちらの肘も90度に曲げて、前後の人と手首を握り合う
★全員が肘を90度に曲げた状態を保てる距離感で輪を作り、走り出してからもその肘の角度は崩さない!
★走り出したら、前の人の腕を軽く押すようにするとみんなが走りやすい。逆に前の人にぶら下がってしまうと、重たいだけでなく、速さのコントロールが利かなくなってフォーメーションが崩れる。
★前の人が通過したところよりも外側を走ってしまうと、輪がどんどん膨らんでいって生業不能になりフォーメーションが崩壊する。音楽のなかで走り終えることもできなくなる。
前の人が通った軌跡よりも、気持ーち内側を走るくらいのイメージで。
★走る時に脚が6番にならないように! アン・ドゥオールを意識して保とう。
★回るのは1。最後はまたスタートした時の自分の位置に戻る。

Point 6:小さなフェッテ・アラベスク×12
★ここのフェッテ・アラベスクは、ボディの角度をあまり深く取らない。ボディは正面に開き気味、脚はやや“ア・ラ・ベゴンド”気味なくらいで小さく跳ぶ。
★腕のポジションは、最初の4回はドゥミ・スゴンド次の4回はア・ラ・スゴンドのアロンジェ(手のひらを下に向ける)、ラスト4回は後ろの腕を斜め上まで上げた大きなアロンジェ

Point 7:“大斜め”のフォーメーションは角度浅めで真っ直ぐに!
★大斜めで真っ直ぐなラインを作るコツは、前の人の背骨の真後ろに自分の背骨がくるよう、体のセンターで合わせること。(ただしこの日のレッスンでは右肩(客席側)のラインで合わせました)
★このフォーメーションでは、計4回ほど振り向くタイミングがある。そのたびに列が少しずつズレたり歪んだりしやすいので、すごく注意しなくてはいけない。
★1回目の振り向きは右手指さし。この時は指先を前の人の耳の高さに合わせ、少し前傾姿勢に。
★2回目の振り向きはウィリポーズ(みぞおちの前で両手首をクロス、脚はBプラス)。その後「NO!NO!NO!NO!NO!NO!NO!……」のカノン。
*カノンの時は、前の人が動き始めたのを確認したらすぐ自分も動くのがコツ。
前の人が動き終えてから動くのでは遅い
*「No!」のフレックスの手は中指が天井を向くイメージ。
★3回目の振り向きはカノン。両手アロンジェ&左脚をドゥヴァン(前)にタンデュしながらパパパパパパパパパパパ……と前から順々に振り向いていく。
*カノンのコツは上記に同じ。
*アロンジェの右手は前の人の耳の高さ、左手は腰の高さ。