「ジゼル」レッスン、第10回(3/10)重要ポイントのまとめ!

1月に当講習会が始まった時からずっと、何となくこの日のことを、わくわく100%、どきどきも100%……みたいな心持で意識していた受講者のみなさん、たくさんいらしたことと思います。

3月10日(土)、第10回レッスン。

男性ダンサー3人をお招きし、2幕《ジゼルとアルブレヒトのアダージオ(パ・ド・ドゥ)》を練習する日が、ついに、ついにやってきました……!

 

遡ること1週間、前回のブログの最後にもしたためましたが、パ・ド・ドゥに挑むにあたっての心得として、われわれは高木綾先生から、このようなありがたいお言葉を頂戴しておりました↓

 

「パ・ド・ドゥというのは、男性と女性という“別々の個体”が踊っているけど、ふたりは心を合わせ、呼吸を合わせ、力を合わせなくてはいけません

 女性は、サポートしてもらうだけじゃだめ。

男性に負担を掛けないように、自分で引き上げて立つことをしっかりやらないといけないし、“自分の軸はここですよ”というのを相手に知らせるのも大事な役割です」

 とくに、引き上げ”がすごく重要です。

リフトって、体重の問題ではないんですよ。

引き上がっていない40キロはすごく重い。だけど、引き上がっている50キロは軽く感じるものなんです」

 

 

……ふむふむ、肝要なのは体重よりも”引き上げ”と。

これはオトナの私たちにとって、朗報以外の何物でもありません(・∀・)

 

 

が、しかし。

やっぱり、ほんの0.5キロでもいいから減量しておきたいというのが女心というもの。

私もわりと食事の内容とか気を付けていたのですが、なぜか直前の1週間でまさかの

 

_人人人人人人人人人人人人人人人_
> 1.5 キ ロ の 大 増 量 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

 

この重大な悲報を取り急ぎ受講者のみなさまにお知らせしましたところ、レッスン着に着替えてスタジオに入るやいなや、いろんな方が

 

「あらー、太っちゃったの。ストレスじゃない?」

「でも大丈夫よ、少なくとも見た目はそんなに変わってないから」

「あれじゃない? 花占いとかやったから、気持ちが若返って体も成長期に戻ったのよ」

 

と口々に慰めてくださる。みなさま本当にお優しい( ;∀;)

 

 

おそらくプロのバレリーナがでっかい米袋を抱えたくらいの重量のある肉体だけど、

こうなったら引き上げで勝負するしかない(`・ω・´)シャキーン

 

……ということで、ワタクシ、気合いを入れ直して稽古に臨みました。どすこい!

 

***

 

今回と次回、私たちのアルブレヒト役を務めてくださいますのは、先月もわれわれ一人ひとりとひなぎくの花で恋を占ってくださった松野乃知さんと浜崎恵二朗さん。そしてなんと今回は、もうおひとかた、梅澤紘貴さんにも来ていただきました!

梅澤さんも東京バレエ団のご出身で、最高位のプリンシパルまで務めた方。『ドン・キホーテ』のバジルみたいな役もすごくかっこよかったですし、個人的には何といっても『くるみ割り人形』の王子や、ベジャール『ギリシャの踊り』のソロなどがいまでも忘れられません。真心のこもった踊り、とでも言いましょうか。動きの一つひとつからこぼれ出す清らかな輝きが、本当にまぶしかった。

と、こんなにも豪華な3名のゲストに加え、もちろんわれらが高橋竜太先生もアルブレヒト役になってくださって嬉しい限り(≧▽≦)

合計4名もの素敵な男性ダンサーが私たちをサポートしてくださったわけでございます。

本当は、私たちの仲間である男性受講者の方とも“アダージオ初心者同士”で一緒に組んでトライしてみたかったのですが、さすがにそれは難しいということで、お体もスリムで引き上げも完璧な高木綾先生が、彼専属のジゼルになってくださいました。

 

 

さて、今回のアダージオのお稽古がどのように行われたかといいますと、

まず、われわれ受講者がざっくりと背の高さ順に

 背高さん組/やや背高さん組/やや小柄さん組/小柄さん組

の4組に分かれまして、

男性ダンサーのみなさんが下記の分担で各組の“専属アルブレヒト”となり、一人ひとりサポートしたりリフトしたりしながら指導してくださいました。

 松野アルブレヒト ⇒ 背高さん組

 浜崎アルブレヒト ⇒ やや背高さん組

 梅澤アルブレヒト ⇒ やや小柄さん組

 高橋アルブレヒト ⇒ 小柄さん組

 

ちなみに、身長163センチの私は“やや背高さん組”に配属。

浜崎アルブレヒト様のご厄介になることとなりました。

 

この日に練習しましたのは、ジゼルとアルブレヒトのアダージオの本当に最初の部分

このあたりのくだりというのは、

①ジゼルはアルブレヒトを守るために十字架の前に立たせ、「そこにいて」という仕草を見せて、彼の代わりにソロを踊り始める(デヴェロッペ・ア・ラ・スゴンドから脚を下ろし、アティテュード・クロワゼ・デリエールに抜いてからプロムナード……のソロ)

②ウィリポーズでパンシェまで終わったあと、ウィリ達に「彼を助けてあげて」、ミルタに「どうかお願いします」と懇願するも、冷たく拒否される

③肩を落としてパ・ド・ブーレで斜め後ろに下がっていったところをアルブレヒトがキャッチ。そこからふたりのパ・ド・ドゥが始まる

という構成になっていて、本日はこの③からの部分を練習いたしました。

 

振付けとしては、

  • まずシュ・スーでアン・オー。アティテュード・ドゥヴァンに上げた脚をア・ラ・スゴンドからアティテュード・デリエールまでロン・ドしていきつつ、アームスを右手前、左手横のアロンジェに。
  • そのままプロムナード。回り終えたらアラベスクに脚を伸ばし、アームスをまず右に、次に左にたなびかせて、アン・ナヴァンのほうに巻き込んでから体ごと前方へと遠くへ引っ張る
  • アラベスク・プリエしてからいよいよリフト斜め後ろへのグリッサード&ジュテ・アティテュードで上手方向へ時計回り。
  • 着地したら再びアラベスクで腕は前にアロンジェ。またアラベスク・プリエから来た道を戻るような軌跡でグリッサード&ジュテ・アティテュードのリフト。アラベスクでアームス前にアロンジェ

……と、このような内容。

 

この場をお借りして、まずひと言だけ言わせてください。

 

 

浜崎さん、増量した上に引き上がってなくて、誠に申し訳ございませんでした!!!

 

 

正直、自分でも驚きました。

私って、こんなに引き上げができていなかったんだ……と。

まずもって、最初のアティテュード・デリエールから全くダメ。

ぜんぜん自立できてなくて、いまにも前のめりに倒れてしまいそうで、あのいつもクールで物静かでハンサムな浜崎さんが「もっと引き上げて! ほらほらほら、どんどん前にいってるじゃない!!」やや叫びにも近い声を上げながら、私の胴体を必死になって支えてくださっている(T_T)

 

念のため確認いたしますが、ここの踊りは、いまや精霊となり肉体すらもたないジゼルが、アルブレヒトを必死に助けようとするシーンです。

 

しかし、いま私がやっているこの様子は、どう見ても

 

ボリューミィなジゼルをアルブレヒトが必死に助けようとしているの図。

 

 

のっけからこんな調子でしたから、その後に続くリフトがどのような状況であったか、もはやご説明する必要もないでしょう。

 

でも、このリフトの部分に関しては、私だけでなく多くのみなさんが共通して、下記のようなアドバイスをいただいていたようでした:

  • グリッサードは自分で移動しようとするよりも、“つま先をグッと強く伸ばしてその場で跳ぶ!”と意識して。(移動は男性のリフトに任せる)
  • グリッサードで後から来る足は先に着地した足のすぐ前着くように。
  • そのあとのジュテ・アティテュードも、男性から離れていかない! これも自分で移動しようとしないで真上に向かって踏み切り、胸から上を反らせて背中を男性に思い切って預けること! 右方向(時計回り)に進む時は背中の左側(男性の左手側)に主に重心を乗せ、左方向(反時計回り)に進む時は背中の右側(男性の右手側)に主に重心を乗せるべし。
  • リフトは女性が自分から下に降りようとしないこと! 下ろしてもらうのは男性に任せる。女性は最後まで上に上がっておくつもりで、ずーっと自分を引き上げ続けておいて。

 

とくに女性が自分で移動しようとして男性から離れていってしまうのは絶対ダメだと。

なぜなら男性は自分の胸の上で(腕だけでなく胸も使って)持ち上げるのがいちばん力が入るので、女性が男性から離れていってしまうと、もう持ち上げることができなくなるとのことでした。

 

 

今回は基本的に各組一人ずつ順番に男性と組みながら、個々にご指導いただいていくというスタイルでの練習でした。

受講者のみなさんがそれぞれどんなアドバイスを受けたのか是非いちど聞いてみたいところなのですが(!)、まずは私自身が受けた注意を、恥ずかしながら列挙してみたいと思います。

(みなさま、そういうわけで今回は最後に【ポイントのまとめ】がありませんので、ここでぜひ下記をご参考になさってみてください)

 

★最初にシュ・スー&アン・オーで立つところは、勢いをつけてぴょん!とジャンプアップしてはダメ。静かに息を吸いながらルルヴェアップし、すぐに脚をしっかり5番に締めるべし。

★脚を前から後ろのアティテュード・デリエールまで回していくのに連動して、腕をアン・オーからアロンジェにするところ。顔を右腕に添わせるようにして目線を下げるのはいいけれど、“カクッ……”とまるで息絶えるみたいに頭を下げてはダメ。もっと、腕も顔も自分でコントロールして動かすべし。

★プロムナードの時、アームスに力が入りすぎ。そんなにガチガチに力んでたら、ちょっと腕がずれただけで全身がバランスを崩してしまう。もっとアームスをリラックスさせて、多少のあそび(ゆとり)を持たせておいて

★アラベスク・プリエからグリッサードに入るところ。腕は前、脚は後ろへと長く引っ張り合いながら、もっとしっかりプリエして。そしてプリエするけど体はさらに引き上げて

★ジュテ・アティテュードのリフトに入るところ。踏み切る脚でちゃんとプリエして、“これから跳びますよ”ということを男性に合図して。そして自分でもちゃんと踏み切って

★ジュテ・アティテュードでリフトされている時。持ち上げられている間に、前に伸ばした脚を下に下げ過ぎ。もっとしっかり上に張っておくべし!

 

 

……以上が、このたった40秒ほどのパートを踊るのに、私自身がリアルに頂戴したダメ出しリストでございます。

ご覧の通り、ほぼすべての動きに対して何かしらの注意をいただいております( ;∀;)

 

でも、あれですね、とくにリフトの時に思いきって男性に体重を預けられなかったり、早く脚を下ろそうとしてしまうのは、「重くてごめんなさい(|||_ _)」という“申し訳なさ”が心の中にあるせいもあるな、と。

しかし、そういう気持ちを引き摺ってると、ますます体は重くなる。

アダージオに挑む以上は、その“申し訳なさ”を「重いぶん、引き上げたる!」という強い意志に変えなくてはだめだな……と、そんなことも思いました。

 

***

 

この日は上述の部分の練習を念入りに行いまして、残りの時間で続きのところ(ミルタたちの力でいったん引き離され、再び寄り添ってハグ。右手同士を握りあって前デヴェロッペ、後ろカンブレ、フェッテしてアティテュード・クロワゼ・デリエール、方向を変えてアラベスク、腕を回してアラベスク・クーロンヌ・パンシェ、プロムナード←ここがキツイ!)を振り移し。そこは次回レッスン(3/17)でじっくり鍛えていただけるそうです。

 

 

いやはや、それにしても。

 

繰り返しになりますが、本当に自分がこんなにも引き上げができていないという事実を突きつけられたことが、もしかすると今回の最大の収穫だったかもしれません。

これは、普段のレッスンでひとりで体を動かしているだけでは、気が付けなかったことでした。

 

だから今回の講習会に限らず、機会があれば、パ・ド・ドゥのレッスンをぜひもっと受けてみたいと思いました。

バレエの基礎的な部分で、自分はとくに何ができていないのか、これほどあからさまにわかる練習はないな、と。

 

自分がこれまでいかに“引き上げているつもり”になっていたかということ。

 

こんなにもポーズをキープできないなんて、たぶんクラスのときバーに頼りすぎているに違いないということ。

 

腕を大きくたなびかせたり、ジゼル特有の長いアラベスクのポーズを見せたりするためには、ものすごく盤石な軸が必要だということ。

 

引き上げが不十分で軸が弱いからこそ、アームスにも無駄な力がガチガチに力が入り、まったく遊びのない状態になってしまっているのだということ。

 

動作の前のプリエがすごく浅くて、ちゃんと床を使って踏み切れていないということ。

 

――全部、今回のアダージオの練習で気付かせてもらえたことです。

 

 

 

注意されたことばかりだったけど、パ・ド・ドゥのレッスンは、やっぱりすごく楽しかった……!(≧▽≦)

パ・ド・ドゥこそはバレエの華であり、バレエは女性と男性が一緒に踊るダンスだからこそ素敵なのであり。

パ・ド・ドゥに挑戦できたこともまた、自分なりのバレエ人生の宝物になったなと、日が経つにつれ、嬉しい気持ちが胸いっぱいに広がってきています。

 

結局、増量した分はちっとも減らないまま次回レッスンを迎える運びとなりそうですが、今度こそ体を引き上げまくって挑む所存です(`・ω・´)キリッ

 

「ジゼル」レッスン、第9回(3/3)重要ポイントのまとめ!

 

突然ですが、私は“道場破り”が趣味です。

 

つまり、いろいろなバレエ(ダンス)スタジオに出かけては、体験レッスンを受けたり、ビジター受講したり、いろんな先生やダンサーの講習会を受けてみるのが好きなんですね。

(もしも新書館の季刊バレエ雑誌「クロワゼ」vol.63(2016年夏号)をお持ちの方は、76ページをご覧ください。私が過去にあるスタジオの道場破りをした時のもようを、イラストレーターの小野恵理さんの素晴らしい筆の力をお借りして、レポートさせていただいています)

 

どのレッスンにもそれぞれに良さがあり、必ず何か収穫や発見があって、いつも”バレエ”というダンスの懐の深さを感じて満ち足りた気持ちになるのですが、そんな数々の経験を経てきての、この「ジゼル」レッスン。

私にとりましては、これまで受けてきたなかでいちばん楽しいレッスンです。

本当に、心の底からそう感じています。

 

その理由は、2つあります。

 

ひとつ目はまず、高木綾さんと髙橋竜太さんというお二方が、こうした企画の講師としてこれ以上は望めないなと思うくらい、素晴らしいご指導をしてくださるから。

ご自身たちの地道な努力と厳しい鍛錬の末に会得されたバレエのエッセンスを、こんなにも惜しみなく、分かりやすく、愛情とユーモアたっぷりに教えてくださる。

おふたりには、いつも感謝の気持ちでいっぱいです。

 

そしてもうひとつは、受講者のみなさんが、本当に誰ひとり例外なく熱心で、温かくて、寛容でいてくださるからです。

講習会を運営していく上で起こってくるいろんな事情をいつも大らかに受け止め、いつも私たち事務局のいちばんの理解者・協力者でいてくださる

このことが、この講習会をこんなにも楽しくて充実した時間にしてくれた最大の理由であり、生命線であったと思っています。

 

 

……と、まるで最終回のような前置きをしてみましたが、まだぜんぜん終わりではありません。

むしろここからが、当講習会シリーズの真のクライマックスであります( ・`ー・´) + キリッ

 

 

3月3日(土)、第9回レッスン。

この日学びましたのは、2幕、主役ふたりによるアダージオの場面です。

 

来るべき次回(第10回)・次々回(第11回)のレッスンでは、再び男性ダンサーをお招きし、リフト等を含む(!)パ・ド・ドゥを練習します。

その前段階となる今回は、各々のソロの部分と、ふたりのパ・ド・ドゥのさわりの部分の振付を教えていただきました。

 

 

哀れヒラリオンが早々に死の沼へと沈められ、次なるターゲットはアルブレヒト。今まさに、ミルタ&ウィリ達の怨念が、彼に襲いかかろうとしたその瞬間――。

 

「どうか彼を殺さないで」

 

ふわりとそよ吹く風のようにミルタの前へ進み出たのは、いまや精霊となったジゼル。アルブレヒトを自分のお墓である十字架の前へと導き、もはや肉体をもたないその体で、文字通り身を挺して彼を守ろうとします。

 

 

……というのが今回の場面のあらすじで、私たちが練習しましたのは、この、ふたりが十字架の前に立ったところから

 

まずはスタジオの下手側に位置を取り、エファセで脚を後ろのタンデュにして、両腕を広げて立つ。

ただこれだけのポーズでも、綾先生の口からは

 

「これは十字架を模すポーズなので、腕の高さは肩から水平に。それより上がっても下がってもダメです」

「水平なのだから、手首がだら~んと下がらないように。腕の延長上で、指の先もスーッと遠くへ伸ばしていってください」

「このポーズは自分の体を張って、アルブレヒトを守っているんです。だからもっと凛とした強さを心の内にもって、胸を斜め上に向かって広く張って!

 

……と、気を付けるべきこと、見せるべきポイントが次つぎと。

 

また受講者のおひとりからもナイスなご質問がありました。

「この時、ジゼルの目線はどこを見るのですか? ミルタをじっと見るのですか?」

これに対する綾先生のお答えは”No”

相手が我が愛する人の命を狙う集団のボスとはいえ、けっして戦闘モード(!?)で挑むわけではないと。

ここはただ凛とした気持ちをもって、中空を見るでも見ないでもない静かな視線を、スーッと斜め上へ……という感じが良いようです。

 

 

さて、このポーズから始まるジゼルのソロですが、振付を渡してくださる時、最初に綾先生が話してくださったお話が、とても素晴らしかった。

 

「ここはね、すごく哀しいソロであり、パ・ド・ドゥなんです。

なぜかというと、ジゼルにはきっと分かっているから。

この夜が終わったら、自分は土の中に消えてしまうのだということも、

だからこれが、彼と一緒にいられる最後の時なのだということも。

 

ですから、そんな思いを胸にいっぱい込めながら、体を使ってみてください。

アロンジェの腕に顔を添わせる角度もそう。

背中の向こうで、彼の存在を一生懸命感じようとする意識もそう。

そういう気持ちが分かっていたら、動きが変わってくると思う。

 

演者が役の感情を強く抱いて踊れば、それは必ず観ている人に伝わります。

この場面の彼女の気持ちをしっかりと見せられてこそ、最後の別れのシーンの悲しさが深くなるし、この作品が感動的になるんです」

 

バレエを習い始めて四半世紀、私は本当に初めて泣きながら踊りました

 

受講者のみなさんも、少なからずの方が同じように目を潤ませていらしたように見えたのですが、どうでしょうか。

 

その振付ですが、最初はこのような流れで始まります:

 

  • デヴェロッペ・ア・ラ・スゴンドで脚を高く(といっても私の高さは89度)キープしてからのアティテュード・クロワゼ・デリエール
  • そのままプロムナードしてから、アントルシャ・ロワイヤルで脚を変えて、ルルヴェ・ラン、フェッテしてアラベスクに入り、ウィリの腕でパンシェ

 

このくだりはソロのヴァイオリンが主旋律をずーっと弾いているのですが、その点についても、綾先生から素敵なアドバイスがありました。

 

「ほら、ここの音楽をよく聞いてみてください。

1本のヴァイオリンの音が、ずーっと途切れることなく続いているでしょう?

この音と同じように、ここは動きをずーっと途切れさせないで

ポーズでもカチッと止まるのではなくて、ふぅ~~~っとラインが伸び続けるような感じで、体をすごくコントロールして、滑らかに次のパへとつないでいってください」

 

***

 

このソロのあとはパ・ド・ドゥに入るので、「その部分は次回にやります」ということで場面をワープ。

続いてはここのパ・ド・ドゥのラスト、つまりアルブレヒトがひざまずいて、その背中に軽く寄り添うようにしてジゼルがアラベスクしてポーズ、というところから始まる、ジゼルとアルブレヒトがそれぞれソロを踊り合う場面を練習しました。

 

まずはジゼルが踊るところから。

ここから音楽がだんだんとテンポアップしてきて、音も軽くなって、いかにも小さなジャンプがいっぱい入ってきそうな曲になりますよね。

 

……小さなジャンプ。

 

それはシャンジュマンとかアントルシャとか、確かに小さな動きの跳躍ではあるけれど、その小さな跳躍がしばしば怒涛のように連結して、強大なる迫力を生み出してしまうから恐ろしい。

いわば「スイミー」的なやり方で踊る者の体力を容赦なく奪い去っていく、まさに道場破り……じゃなくて心臓破りのテクニックです。

 

 

そして曲が予感させてくれた通り、ここの振付にもちゃんと含まれておりました。

小さなジャンプの洪水が……((((;゜Д゜)))

 

 

具体的にここの振付をすべてバレエ用語で記しますと、たぶんこうなります↓

※上記のピンク色の文字は小さいジャンプ青色の文字は中くらい~大きなジャンプを示しています

 

 

ドゥーブル・ロン・ド・ジャンブ・アン・レール・ソテ、ドゥーブル・ロン・ド・ジャンブ・アン・レール・ソテ、ドゥーブル・ロン・ド・ジャンブ・アン・レール・ソテ、ドゥーブル・ロン・ド・ジャンブ・アン・レール・ソテ→パ・ド・ブーレ→スーブルソー・ポワソン、スーブルソー・ポワソン、スーブルソー・ポワソン、スーブルソー・ポワソン→シソンヌ・ウーベルトしてからポーズ

→(アルブレヒトが踊っている間はそのまま静止)

→(アルブレヒトに軽くリフトされながら)アンヴロッペ&アッサンブレ・デリエール、アンヴロッペ&アッサンブレ・デリエール、アンヴロッペ&アッサンブレ・デリエール、アンヴロッペ&アッサンブレ・デリエール空中でグラン・テカール×2回デヴェロッペしながら前へ

→(再びソロ)カトル、パッセ、カトル、パッセ、パッセ、パッセ、パッセ、パッセ、カトル、パッセ、カトル、パッセ、パッセ、パッセ、パッセ、パッセ、カトル、カトル、カトル、カトル、カトル、カトル、カトル、カトル、ロワイヤルで脚を変えて、カトル、カトル、カトル、カトルが終わったらススススーと後ろに下がってから両手アロンジェのルルヴェ・アラベスク、ウィリポーズのルルヴェ・アラベスク、ルルヴェ・アラベスク(第1)、アラベスク・フェッテ→両手アロンジェのルルヴェ・アラベスク、ウィリポーズのルルヴェ・アラベスク、ルルヴェ・アラベスク(第1)、アラベスク・フェッテ→アン・ボワテ×5回→シェネ×2回→ルルヴェ・アラベスクして袖へはける

 

 

……本当に、書いてるだけでカロリーを大量に消費した気分になれる(; ̄д ̄)

 

 

そして踊ってみると、もちろんこれまた生前のジゼルなら恋人に裏切られなくても心臓が破れちゃったに違いない……)と思うレベルのハードさ

 

私はもう、正直、カトル、パッセ、カトル、パッセ、パッセ、パッセ、パッセ、パッセ……あたりに差し掛かった頃には、

 

も、もはやアルブレヒトのこととか心配してる場合ではない……(; ̄д ̄)

 

という心境でした。。。

 

 

時に脚がもつれ、絡まりそうになりながらも気が付いたのは、同じくジャンプだらけのミルタの踊りは主に“大きなジャンプ”ばかりだったけど、対するジゼルの踊りには、とにかく“小さなジャンプ”がいっぱいいっぱい詰め込まれているんだな、ということ。

 

ジゼルという女の子は精霊になってもやっぱり可憐なんだな……と、そんな風に感じました。

 

***

 

【ジゼルのポイント】

※この場面の感情表現や、音楽の感じ方については、上述の綾先生のお言葉をご参考にお願いします!

 

デヴェロッペ・ア・ラ・スゴンドに脚を上げていくところ

右足前第5ポジションから、まず右足を床からクペに持ち上げる瞬間がひとつの見せ場

床をつかみ上げるようにキュッと持ち上げつつ、その足を軸脚にきちっと引き寄せること。

ジゼルのチュチュは長いので、足首から下しか見えない。

だからこうした動きの繊細さや精度も、すごく見せ場になる。

 

アティテュード・クロワゼ・デリエールのところ

前に伸ばした右腕に顔を添わせるように傾けるけれども、あまりにも近づけすぎると“白鳥”っぽくなる

ジゼルでは腕に顔が隠れてしまわないようにしっかり空間を保ちつつ、気持ちで寄り添わせる感じ。

 

プロムナード

アン・ドゥダンのプロムナードは、後ろに上げた脚をキュッ、キュッとどんどんクロスさせていくようにすれば自然に回れるし、ポーズも崩れにくい。

 

アラベスク・パンシェ

脚を高く上げていくけれども、上半身はほとんど前に倒れないつもりで。

実際のところ、倒れても床と並行になる程度まで。それ以上は下にいかない。

 

アラベスク・パンシェから前(下手方向)へ走っていくところ

パンシェの時は、アームスをみぞおちの前でクロスしている(ウィリポーズ)。

前へと走り出す時は、まず最初に肘が前に引っ張られていくイメージ。

肘&二の腕にリードされて、次に上体、そして最後に脚が動き出す

 

ドゥーブル・ロン・ド・ジャンブ・アン・レール・ソテのところ

アン・レールは足を回そうとしない。ただ“中!中!”と、つま先を内側に入れるほうにアクセントをつける。

 

スーブルソー・ポワソン

*このパは腰が痛い人は注意

*跳び上がったら空中で両膝を軽く曲げた状態にするのが正しいやり方ではあるけれど、そうするとすごく大変なので、前の脚(左脚)はわりと真っ直ぐのままで、後ろの脚(右脚)だけを軽く曲げるという見せ方でもOK

*ここは音通りに跳ぶとすごく大変だし、最後に音が余ってしまう。今回は音を1拍待って、裏取りで跳ぶべし

 

ルルヴェ・アラベスク×3回&フェッテ・アラベスクのところ

ルルヴェ・アラベスクはどちらかというと音を後取りするイメージで、ずずーっとたっぷり床を擦って立つ。

でもフェッテ・アラベスクは逆に音を早めに取り、あっさりとフェッテするべし。

 

アン・ボワテのところ

2回目のフェッテ・アラベスクが終わったら、そこから左肩をサッと前に入れてアン・ボワテをスタートするべし。

 

***

 

さて、次回からはいよいよ! とうとう!! ついに!!! 2回連続でパ・ド・ドゥの練習をいたします。

この日のレッスンの最後に、先生方よりありがたい“パ・ド・ドゥの心得”を頂戴いたしましたので、それもこちらに記しておきます:

 

「パ・ド・ドゥというのは、男性と女性という“別々の個体”が踊っているけど、ふたりは心を合わせ、呼吸を合わせ、力を合わせなくてはいけません

 

女性は、サポートしてもらうだけじゃだめ。

男性に負担を掛けないように、自分で引き上げて立つことをしっかりやらないといけないし、“自分の軸はここですよ”というのを相手に知らせるのも大事な役割です」

 

とくに、引き上げておくことがすごく重要です。

リフトって、体重の問題ではないんですよ。

引き上がっていない40キロはすごく重い。だけど、引き上がっている50キロは軽く感じるものなんです」

 

「ジゼル」レッスン、第8回(2/24)重要ポイントのまとめ!

 

前回(第7回)の《花占いの場面》の衝撃から1週間。。。

ジゼルが短いけれどいちばん幸せだったひとときを演じたレッスンから180度回れ右をしまして、2月24日(土)の第8回レッスンでは第2幕より《ミルタのヴァリエーション(しかも2種!)》を学びました。

 

愛する人と結ばれる喜びも、わが子を腕に抱く幸せも知らないまま死んでいった乙女たちの霊、ウィリ。肉体を失ってもなお消えることのない男どもへの怨みを抱え、夜な夜な森を漂う哀しき精霊たちです。

そんな精霊たちを統率するのがこの女王ミルタという役ですが、今回のレッスンでいちばん楽しみにしていたことといえば、何といっても、この役を高木綾先生に直伝していただけるということでした……!!!

 

高木綾先生こそは、東京バレエ団在団中にミルタを当たり役として大活躍したお方。
私は綾先生が初めてミルタを踊った時からおそらく一度も欠かさずに拝見しておりますが、綾さんミルタを見た時に、初めて、ミルタがその透き通る体で一心に訴えている強い憎しみや深い哀しみが分かった気がしました。

私、現在はこのように細々とっていうか長々とブログを書いておりますが、以前は某「クロワゼ」というバレエ雑誌の編集者をしておりました。
その頃に、この『ジゼル』という作品やミルタという役について、当時まだ東京バレエ団で踊っていらした綾さんにインタビューをしたことがあったんですね。
その時こんな風におっしゃっていたのを、いまも鮮明に覚えております:

 

「ウィリも、その女王たるミルタも、“心がない心を表現する”役。アームスはどこまでも柔らかく、しかし心は強く凛としたものを見せなくてはいけません。つまり、体と心を別々にして踊らなくてはいけないのです」
ウィリは憎しみや悲しみを抱いている役なので、演じていてすごくつらい。とくにミルタは、人間の男に対して怒りを持っていて、許すことができない性格。許せたらどんなに楽だろうと思うのですが――」

 

……深い。
これはもう、恋愛において天国も地獄も味わってきた我々オトナにしか踊れない役だと言っていいでしょう( ・`ー・´) + キリッ

 

そんな綾先生の言葉を思い出すともなく思い出しながら、まずはいつものようにウォーミングアップの30ミニッツ”バー・レッスン

このショートバージョンのバーもまた、この講習会ですごく楽しいことのひとつです。

日によって、綾先生か竜太先生のどちらかがバーの指導を担当してくださるのですが、綾先生は使ってくださる音楽が『ラ・バヤデール』とか『ロミオとジュリエット』とか、すごくドラマティック。その音楽の感情を活かしたアンシェヌマンを与えてくださるので、筋肉や関節も温まるけど心もすごく動いてほぐれてくる気がします。

そして竜太先生は、演劇仕込みの美声で歌うようにアンシェヌマンの指示を出してくださるのも楽しいし、何といっても名言多し! 今回は竜太先生がご担当だったのですが、タンデュだったかジュテだったか、右側のエクササイズが終わってさあ次は左ですよとなった時におっしゃった、「はい、左側もあらためて新鮮な気持ちで~」というひと言がぐっときました。
バー・レッスンって、いつもそんな風に気持ちを新鮮に入れ替えながらやると、“踊り”としての楽しさがぐっと増しそうです。

 

さて、こうして短いながらもしっかりと体が整うバー・レッスンを終えて、いよいよ《ミルタのヴァリエーション》に挑戦する時が(・∀・)キタ!!

まずはひとつ目のソロ。こちらは、

  • カブリオール・ドゥヴァン→ソテ・アラベスク→ジュテ・アティテュードを左右3回とか、
  • クペ・ジュテ・アン・トゥールナン×3連発(大技!)とか、
  • 最後はジュテ・アントルラセからクルッと振り返ってピケ・アン・ドゥオール&シェネ、そしてウィリポーズでフィニッシュ!とか、

とにかくトライするこちらのテンションを爆上げしてくれるような振付。
まさに、男性のソロに入っていても見せ場になるようなテクニックが満載です。

このソロは、テクニカルな面だけでなく、表現的な面でも、いろいろと発見をもたらしてくれるものでした。
例えば、右に左にとたなびくようにパ・ド・ブーレ・クーリュを繰り返すくだりは、とても女性的であると同時に、やはり自分は肉体のない精霊だということをあらためて思い知らされる。
しかしその後に訪れるクペ・ジュテ・アン・トゥールナン踏み込み(竜太先生語で「ザシャー!」のところ)の力強さや、そこからバッ!と跳び上がるところのビシバシ感。そしてピケ・アン・ドゥオール&シェネの、床を突き刺す鋭さ
これらの振りを自分の体でなぞっていくと、何となく、ミルタとはどういう個性の持ち主なのか、自分の体を通して理解ができて、すごく腑に落ちた感じがしました(いや、だからといって、上手く踊れたわけでは全然ないのですが><)。

 

やっぱり、バレエの振付っておもしろいなあと。
“動きに感情を乗せる”努力が必要な一方で、“その動きが感情を引き出してくれる”という面も、確かにあります。

 

あと、テクニック的な面で、個人的に(これは収穫だな!)と思ったことは、冒頭のカブリオール・ドゥヴァン→ソテ・アラベスク→ジュテ・アティテュードを左右3回のところ。

3種類のジャンプのコンビネーションにいつものごとく気ばかり焦り、鏡に映る自分を見て
「これじゃ踊ってるというよりただの荒ぶってる人だよ・・・」
と思ったその瞬間、綾先生からこんなアドバイスが。

 

「最初のグリッサードから、つま先にすごく力を入れてみてください。力を入れると脚が重くなりそうと思うかもしれないけど、その逆なんですね。つま先にしっかり力を入れて一つひとつのパを丁寧に行っていくと、脚が軽く動かせるし、全身がすごくコントロールできるんですよ」

 

なるほど、つま先ですか……!

 

やってみると、これがびっくりするくらい動きやすくなる!!(°Д°;
すごく不思議。本当に不思議。
それを意識するだけで、何となくごまかしがちだったつなぎのステップもはっきり踏める感じがしたし、なぜか順番も間違えなくなりました。

 

細かいポイントはまた後ほど鬼列挙するとして、続いては2つ目のソロ
この時点でレッスン時間はあと30分強しか残ってない!という状況だったのに、「さ、次にいきます。」新たな振付に入っちゃう先生方と、それに涼しい顔でついていく受講者のみなみなさま。

 

ヽ(-゚ヽ)トッ!! (ノ゚-゚)ノテモ!!.。゚+.(゚ー゚)ノ。+.゚ イイ!!

 

こちらのソロは、全幕の中ではドゥ・ウィリのヴァリエーションに続いて踊られるもの。
モイナとズルマがそれぞれ踊ってハケた後、ほんの一瞬だけ群舞ウィリが白い靄のようにふわ~っと舞台に広がって、それが再びサーッと左右に分かれると、その靄の切れ間に女王ミルタが凛として現れる、という流れで踊られます。

 

くぅぅ~、痺れる!!!

 

そこから始まる振付が、これまたじつに素晴らしい。

  • まず冒頭はグリッサードからのジュテ・アティテュード&アントルシャ・ロワイヤルを3セット、
  • そして下手前→上手奥へとジュテ・アントルラセ&ピケ・アン・ドゥオールから脚を後ろに抜いて第3アラベスク。これを2セット行いまして、
  • もういちどジュテ・アントルラセを行ってから、(個人的にはランベルセに次いで2番目に大好きな)ファイイ・アッサンブレをふわり、ふわりと4回も!
  • 最後はもう一度ジュテ・アントルラセをして裏向きにシェネ・トゥール、そしてアティテュード・クロワゼ・ドゥヴァン第2アラベスクという美しくも堂々とした2種類のポーズを見せてフィニッシュ!

 

綾先生曰く、
「舞台ではいつも、この場面がくると、『ああ~、この場面だ……><』と思ってました(笑)。つまり、そのくらいハードで、踊る前に覚悟が必要な踊りなんですよ」
とのこと。

 

確かに、このソロもまた、ジュテ・アティテュードだとかアントルシャ・ロワイヤルだとか、ジュテ・アントルラセだとかファイイ・アッサンブレだとか、とにかく跳んで、跳んで、跳びまくる振付。
本当に、体感としては、しょっちゅう空中に浮かんでいなくちゃいけないという印象です。

 

しかたないじゃないか、精霊だもの。(==)

 

しかしこの振付けもまた、受講者のみなさんがつるつるつる~っと難なく覚えてしまわれまして、全員が通して踊り終わってもなお、あと10分強も時間が残っている……!

先生方が「どうします? もうひとつ違うソロをやりますか?」とおっしゃった時にはワタクシもう死んだふりをしようと思いましたが、とりあえずみなさまが「いえ、いまのソロをあと1回ずつ通して踊りたいです。」とおっしゃったので、何とか九死に一生を得たしだいです。。。

 

次回(3月3日)のレッスンは

  • 第2幕 ジゼルのヴァリエーション(デヴェロッペ・ア・ラ・スゴンド、アラベスク・パンシェ、ルルヴェ・ラン等の入った振付)
  • アルブレヒトの振付
  • ジゼルとアルブレヒトのパ・ド・ドゥの予備練習

という内容を予定。

脚は89度くらいの高さまでしか上がりませんが、気分だけはしっかりジゼルになりきって挑む所存です(`・ω・´)キリッ

 

***

 

《ミルタ》のポイント】

★ミルタのヴァリエーションは体力的に非常にハード。そのため、踊り全体の中でどのように体力を配分するかがカギになる。例えばパ・ド・ブーレを踏みながら次のジャンプに備えるプレパレーション的な部分などで意識的に呼吸を整えるなど、メリハリを考えて。
★今回のVaはどちらも基本的にプリエとルルヴェの繰り返し。ルルヴェで立ってる時に呼吸を整えつつちょっと休めるくらい、身体を常に引き上げておくと良い。
★今回1つのVaだけを集中的に練習するのではなく、短時間に2種類のVaを詰め込んで踊ってもらったのには意味がある。敢えてたくさん詰め込み、体力的な限界を超えるところ(120%)まで踊ってはじめて、本番でやっと90%の力を発揮できる(緊張等でどうしても10%くらい目減りしてしまう)。プロのダンサーは本当に死ぬほど練習して舞台に向かっている。
アームスは、基本的には、自分の視界に入る位置に置いておくほうが美しい。とくにアン・オーやそこからのアロンジェ、ア・ラ・スゴンドなど、後ろまで引き過ぎてしまわないように注意。(※振付によっては例外あり)

 

【ヴァリエーションその1

★全体を通して…
*肩をしっかり下ろし、首をすごく長く引っ張っておく。そうすると無駄な力を使わずに楽に踊れる
つま先にもすごく力を入れて、しっかり伸ばして使う。そのほうがコントロールが利く

★冒頭のカブリオール・ドゥヴァン
*グリッサ―ドからカブリオールに向けて跳び上がるタイミングでアームスはアン・ナヴァンからアン・オー&ア・ラ・スゴンドに開く。その力を利用して体を引き上げる
脚は45度以下、44度の角度くらい(!)でOK。高く上げようとすると、この曲には絶対に遅れてしまう

★第2アラベスクのソテから走って回り込むところ
*顔をやや後ろに残しながらソテ
*あまり大きく回り込むと音に間に合わないので、そんなに大きくは移動しないように小さ目に回り込む

★クペ・ジュテ・アントゥールナン連続3回のところ
*連続して回る時、1セットの構成は……
クペ・プリエで床に踏み込んで1回転→②グラン・ジュテ・アティテュードでジャンプ→③着地した足ですぐに真上にホップして空中で1回転→着地して①からまた繰り返す
*①②③のリズムを擬態語で表現すると「ザシャー! ホッ! クルッ!」
 ※事務局注:竜太先生がおっしゃったのと音がちょっと違うかもです(><)
 どなたかご記憶の方、ご訂正をお願いします(><)
*グラン・ジュテで跳び上がるところは、脚を思いきって3回グラン・バットマンするイメージ
*グラン・ジュテでついた勢いを、クッペ・プリエ・アン・トゥールナン(ザシャー!のところ)で抑えるつもりで
*この3連続は勢いがだんだんついてくる。最後の3回目のグラン・ジュテを行った後はあらためてしっかりと床を踏み込んでからロン・ド・ジャンブをするべし

★ジュテ・アントルラセから振り返ってシュ・スー
*振り返ってシュ・スーは本当にその場でキリッとシャープに振り返るだけ。移動しない
アン・オーの左腕の肘を前にツイストしないように。このように片手アン・オーの時、ついボディを捻って肘を前にツイストしたポーズにしがち。実際そういう振付もあるけれど、基本的にはあくまでも正しくアン・オーのポジションを保つこと

★ピケ・アン・ドゥオール&シェネ
*ここのピケ・アン・ドゥオールは速いので、ポワントの場合は踏み込み脚を無理にプリエしようとすると間に合わない。この場合はドゥミ・ポワントで踏み込んですぐにピケすること
*右脚をパッセに上げる時、腰を開くのが間に合っていない人が多い。もったりと回るのではなく、すぐに腰を開いて振り向く!というイメージ
*シェネのあとは、歩いて歩いてスッと終わる。ポーズの前に余裕を持って、何事も無かったかのように終わるのがクール

 

【ヴァリエーションその2

★冒頭のグリッサード→ジュテ・アティテュード→アントルシャ・ロワイヤルのところ
ロワイヤルからプリエで着地した時、ボディは次に向かう方向とは逆側に少し傾けて残しながら(つまり、次に左に進むのであれば右側に傾けながら)腕をふわ~っと開く

★下手前に走っていって第3アラベスクでポーズするところ
ここは早めにスタタタターッと走っていって、サッとピケして第3アラベスクのポーズをたっぷり見せるべし

★ジュテ・アントルラセ→ピケ・アン・ドゥオールからの第3アラベスクのところ
*ピケはできれば1回転半回ってからパッセの脚(右脚)を後ろに抜く。1回転半をキレよく回るコツは、1回転のところでスポットをつけず、回り始めた瞬間からいっきに1回転半回りきったところ(つまりこの場合は正面)に意識を集中させること!
*ピケから脚を後ろに抜いてアラベスクにするところは、考えすぎず思いきって体を素早くシャープに伸ばしきるのが安定のコツ

★ファイイ・アッサンブレ×4
だんだんと階段を上っていくイメージで! 2回目のファイイは1回目よりも一段高いところに足をつく、と想像して。回数を重ねるにしたがって、腰の高さもアームスも少しずつ上げていくように

「ジゼル」レッスン、第7回(2/17)重要ポイントのまとめ!

本当の本当に早いもので、この3ヵ月にわたる定期講習会「ジゼル」レッスン、もう後半戦に突入でございます。

 

開講初日のジゼル第1幕のヴァリエーション&アルブレヒト第2幕のヴァリエーション、そこから4回にわたるウィリたちの群舞、そしてドゥ・ウィリのヴァリエーション。これらの振付の練習を通して、私達はバレエのテクニックに“感情”や“演技”といった表現的な要素を乗せて踊ることを、自らの心身で少しずつですが体験し、実感してきました。

 

また、とくに群舞においては“みんなでお互いを感じながら踊る”という経験をしたことで、心を開いて踊るということも少しずつわかってきた気がするのですが、受講者のみなさまどうでしょうか。

 

で、

 

ついにこの日を迎えたわけでございます。

 

2月17日(土)、「ジゼル」レッスン第7回目。

 

本日のレッスンは第1幕より、《花占いの場面》……!!!

 

この場面については、受講者のみなさんや、開講前に行った無料体験レッスン参加者のみなさんからも、「やってみたい!」というお声が多数。

はい、もちろん私も「綾さん竜太さん、ぜひ我々に花占いのチャンスを!」と、猛然とお願いしたひとりでございます。

 

こういう演技やマイムこそ、全幕作品に出演しない限りふつうは体験できないものですし、まして《花占いのマイム》なんて、ジゼル役を踊れる人=プリマ・バレリーナしか演じることができない場面です。

 

かように貴重な機会ですから、やっぱり“エア”花占いでは残念すぎるよね……と思いまして、ワタクシ、頼まれもしないのにこんなものを用意しました↓

 

 

_人人人人人人人人人人人人人_
> ど ん だ け 本 気 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

 

 

ジゼルのお家の窓辺にはこんな可愛いひなぎくの花が咲いていて、彼女はそのなかの一輪を摘み、アルブレヒト(この場面では「ロイス」と名乗っている)との恋の行方を占います。

 

_人人人人人人人人人人人人人_
> な ん て ピ ュ ア <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

 

 

そしてその恋のお相手だって、“エア”アルブレヒトでは心から演じることなどできません(`・ω・´)キリッ

ということで、今回はお二人ほどプロの男性ダンサーをお招きしました!

 

まずは松野乃知(まつの・だいち)さん。

最近まで東京バレエ団で踊っていらして、現在フリー。在団中は『ラ・シルフィード』の主役など主要な役を数々踊ってこられた方です。

あらためて間近で拝見すると、見上げるほど背が高く、お顔ときたら夏みかんくらいの大きさしかなくて、しなやかとしか言いようのない身体をお持ちで、ちょうどジュテ・アティテュードをなさった時に真後ろにおりましたら、松野さんのアティテュードの足先が私(身長163㎝)の鼻の前くらいの高さまで上がってきて驚きました(。-_-。)ポッ

 

もうひとりは浜崎恵二朗(はまさき・けいじろう)さん。

現在は新国立劇場バレエ団で踊っていらして、例えば『シンデレラ』の王子の友人とか『眠れる森の美女』の妖精たちのカバリエとか、つまりルックスにもテクニックにも秀でた男性しか任されない役にいつも配役されている方です。

浜崎さんもまた溜息が出るような小顔と長身。その長い脚を椅子に掛けたりひざまずいたりした時の格好の良さ。そしてアルブレヒト役としてちゃんとわれわれ一人ひとりの顔をのぞき込んだり目を見つめたりしてくださって、とても丁寧にお芝居をしてくださる(。-_-。)ポッ

 

そして女性の人数に対して男性2人では足りないということで、我らが髙橋竜太先生もアルブレヒトを演じてくださるとのこと……!

演技を本格的に学んでいた経歴を持つ竜太先生の芝居はまさに本物。

そしてジゼル役の見本を見せてくださったのは、も・ち・ろ・ん高木綾先生!

なだらかに、でも力強くカーブするつま先のアーチ、背中から羽が生えたようなポール・ド・ブラ、“バレリーナらしさ”が漂う首筋、横顔、柔らかな目元。

私たちはこういう動き、こういうフォルム、こういう雰囲気に憧れてバレエを始めたんだよね……と、この日、綾先生のお手本を間近で見ていて、あらためて初心を思い出しました。

 

 

ま、まずい……。

前置きだけで、こんなに長くなっている……((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 

 

そんなこんなで、レッスンがスタート。

 

今回教わった場面は、第1幕、ジゼルが登場してからアルブレヒトを探し、「あれ……? なんだ、いないじゃない……」と舞台上手手前から後ずさり始めるところから

そこから始まる花占いのくだりを下記3つのパートに分けて、生徒も3グループに分かれて、各グループから一人ずつ前に出ては男性ダンサーを相手にジゼル役を演じていく――という要領で指導してくださいました。

 

(1)「なんだ、彼、いないじゃない……」とがっかりして後ずさるジゼル

→振り返るとそこにアルブレヒトが!……恥ずかしそうにうつむくジゼル

→肩を抱かれる&逃げる、手にキスされそうになる&逃げる

→「お家に帰ります……」「どうか帰らないで!」「わかりました……でもやっぱり帰ります」「待って! ちょっと座ってお話ししようよ」

→グリッサード(前・後ろ・前)、シュ・スーでベンチへ移動→ジゼルがスカートを広げてベンチに座る

 

(2)(ジゼルがベンチに座っているところから)

「ねえ、僕はどこに座ればいいの?」はにかみながらスカートを寄せてスペースを空けるジゼル

→じりじりと体を寄せてくるアルブレヒト。胸のドキドキに耐えきれず逃げるジゼル

→「待って、行かないで!」彼の声に、立ち止まるジゼル

→アルブレヒトはジゼルの腕を取って自分の腕に絡め、舞台正面へとエスコート

→腕を組んでいることもやっぱり恥ずかしくなり、そっと離れるジゼル

→そんなジゼルの顔をこちらに向かせ、「ああ、可愛い人……結婚しよう!」と誓いを立てるアルブレヒト。「そんな、早まらないで……」とジゼルはその手をそっと抑える

→「ねえ、ちょっと待って」と家のほうへ駆け出すジゼル。帰ってしまうのではと思わずドアの前に立ちふさがるアルブレヒト

→ジゼルは花を一輪摘み、グリッサード前・後ろ・前(あるいはアラベスク)でベンチへ

花占い

→花びらの数を数えて悲しい結果を知り、肩を落とすジゼル

→アルブレヒトは花びらをそっと1枚捨て、ジゼルを安心させる

→ジゼル喜ぶ。ふたりで楽しくバロテ、バロネ、ジュテ・アティテュード×2回

 

(3)(先ほどのバロテ、バロネ、ジュテ・アティテュードから)

楽しそうに戯れるふたり。左に右にと身をかわそうとするジゼルをアルブレヒトが通せんぼしたり、抱きしめようとする彼の腕をすり抜けたり

→上手前でデヴェロッペ・ドゥヴァン。そこからグラン・ジュテ×5でマネージュ

→シュ・スーで投げキスしてから、ひざまずく彼の傍に駆け寄って踏み込んでデヴェロッペ・エカルテ・ドゥヴァン

 

 

……こうやって文字にして書き連ねてみるとずいぶん長い感じがいたしますが、実際にやってみますと、はい、やっぱり長かったです。

いや、舞台で観ていると、あっという間に通り過ぎてしまうシーンだと思うんです。

でもやってみると結構な尺がありまして、、、

 

これは覚えがいがある!!!

っていうか、覚えられない!!!

 

「こういう演技の場面って、踊りの場面と違ってカウントでは動けないし(カウントで動くと仕草がすごく不自然になる!)、決まったステップ(振付)もない。なのに、やはり決まった音楽のなかで芝居をし終えないといけない。気持ちも入れなくちゃいけないし、時間が余っても足りなくなってもいけないし、とにかく覚えるのも演じるのもいちばん難しいんですよ」

 

と竜太先生。

 

まったくもって、その通りだと思いました。

 

ヴァリエーションや群舞のように振付があって、どの音でどのステップをするということが明確に指定されているというのは、ある意味で練習しやすいし、踊りやすいんだな、と。(いや、技術的にはものすごく難しいのですが><)

 

やってみていちばん感じたのは、本当に「自分はジゼルなのだ」と信じきる強さがなければ、こうした演技の場面にはまったく歯が立たない、ということでした。

一瞬でも素の自分がそこに出てきてしまうと、この時間、この場面がまったく意味のないものになってしまうんだ、ということを痛切に感じました。

 

私はまず、相手の目をまともに見ることすらできませんでした

私は最初浜崎さんに相手になっていただいたのですが、目を合わせた瞬間に、まるで想像もしていなかった形で心が動き、自分を見失ってしまいました

本当に照れて、ドギマギしてしまって、始まって0.5秒で(あれ? 次は何をやるんだっけ……?)と……。目がキョロキョロせわしなく動き、頭に入れたはずの段取りとかやるべきことが、本当に全部、全部ふっ飛んでしまいました。

 

あと、間(ま)がもたなかった

上記(1)の冒頭、振り返るとそこにアルブレヒトが立っていて、びっくりして彼の顔を見たあと、恥ずかしくて目を伏せてしまう、という場面。

その、顔が合って→目を伏せるまでの音楽が本当にやってみるとめちゃくちゃ長くて、この音楽を“恥じらいの表現”だけにフルに使いきるなんて到底ムリという感じでした(T_T)

それこそ舞台で観ている時には、この瞬間は『ジゼル』の見どころのひとつであり、私もオペラグラス片手にバレリーナそれぞれの”恥じらい方”をガン見しているのですが、観てる時と自分がやってみた時の体感時間がこんなにも違うとは。。。

 

本当にいつもこの結論になりますが、

 

プロって凄い。

 

 

正直を言いますと、この日のレッスンを終えたあと、私はすごく悲しい気持ちで家路につきました。

なぜかというと、事前に(あそこの仕草は私だったらこんな風にやってみたい!)(あのバレリーナのあの表情をマネしてみよう!)といろいろイメージして、あんなにわくわくしながらレッスンに臨んだのに、そうやって思い描いていたことなんて何ひとつできなかったからです。

最後まで、結局、自分の殻を破ることができませんでした。

 

でも!!!

 

私以外の受講者のみなさんは、すごかったですよね…?!

何がすごいって、自分なりの表現をやってみようという姿勢とか、自意識という殻をバーン!と解き放つこととか、みなさんのほうがよっぽど力強くこのレッスンに臨んでいらした

 

ご自身の可憐な個性を活かした仕草をして見せる方。

憂いの表情がことのほか上手な方。

なかには、普段の印象からは想像がつかないほど熱い演技をなさる方もいらして、おそらくスタジオ内にいた全員が、

 

北島マヤがなぜここに ……(@o@ !!

 

とびっくりしたはずです。

 

 

本当に個人的には自分のダメさを思い知る結果とはなりましたが、しかし演技の難しさというものにのっけから打ちのめされたこと自体がもう、最大の価値でもあったと思います。(その奥深さは、まだまだ底知れないに違いありませんが……)

 

みなさんと一緒にこの場面を学ぶことができて、本当に嬉しかったです。

この日のことを、私はきっとずっと忘れないと思います。

 

***

 

【“演技”全般のポイント】

 

★ジゼルのマイムは、タメが長い(音をすごくゆったり使いながら、少し遅れ気味に動くイメージ)。この長さもジゼルの醍醐味!

 

★マイムの場面は“このカウントでこの動きを…”と決まっているわけではない。だからこそ事前に音楽をたくさん聴いて、音をしっかり身体に入れておくべし

 

★相手と目を合わせたり、触れ合ったりすると、どうしても照れたり、恥ずかしかったり、ドキッとしたりしてしまうもの。しかしむしろ、その心の動きをこそ、すかさず演技に取り込むべし!

「恥ずかしい><」と思ったのなら、その恥ずかしさを観客にもわかるように表現してみせるのが演技。

そういう感情の動きがあったほうが、演技に真実味が増す

普段の私たちは、誰かと至近距離で目が合ったりするとドキッとしているのに、そのドキドキを表面には出さないように“平気な顔”という仮面をかぶっている。しかし演技ではその仮面を逆に外すべし!

 

★演技の場面においては、何があっても我に返るべからず! どんなハプニングがあろうと、物語のなかで生き続けること

 

「逃げる」「振り向く」等の動作はとくに“振付っぽく”なりがちなので注意!

 

★一緒に踊る相手のことを信用・信頼するべし

 

 

【シーン別のポイント】

 

★アルブレヒトが通せんぼするところ

ジゼルはあくまでもお家に入ろうとしているのだから、あくまでもアルブレヒトの背中の向こうにあるドアをめがけて手を伸ばすこと。あまり見当はずれな方向に腕を伸ばさないように

 

★アルブレヒトの「結婚を誓う」マイムのところ

誓いを立てるアルブレヒトの手を取って下ろす時。「嬉しいけどやめて……」という気持ちを込めて、自分のほうへ大切に引き寄せるように、静かに下ろしてくる。

 

★花占いのところ

花びらをちぎったら、少し遠くへ放るようにフワッと手から離す。客席から観やすいように。

 

★ふたりで腕を組んでバロテ→バロネ→ジュテ・アティテュードを行うところ

跳ぶパが続いてすごく動きがあるので、組んだ腕が崩壊しやすい。女性は男性の腕を上から軽く押さえる感じで形を保つと崩れにくい。

 

★ラストのデヴェロッペ・エカルテ・ドゥヴァン

・アルブレヒトの足元(左足)のすぐ横でしっかり踏み込んでからポアント(ドゥミ・ポアント)に立つ

・アルブレヒトのほうに駆けていくところはしっかり彼のほうに体を向けて進んでいく。そしてデヴェロッペする瞬間にクルッと体を反転させて表を客席に向けるようなイメージ。

ここの切り替えをはっきり見せると美しい

 

 

【ゲストからのコメント】

 

◎松野乃知さん

みなさんがちゃんと演じていて楽しかった。ひとつアドバイスするなら、演技をする時、もっと“胸”を使ってみてください。例えば花の匂いをかぐ時、本当に鼻先だけで匂うより、胸をふわ~っと膨らませるように動かしてみて。このような“胸の動き”も、バレエの表現を観客に伝わりやすくするためのポイントになる。

 

◎浜崎恵二朗さん

みなさん全体的に、少し動きが早くなりがち。あまりちゃかちゃか動くよりも、音楽をたっぷり使い、ゆったりと間を使って動いたほうがいいと思います。

 

「ジゼル」レッスン、第6回(2/10)重要ポイントのまとめ!

 

2月10日(土)、第6回レッスンを行ってきました。

第6回――それはすなわち、全12回のもう半分まできてしまったということ。

早すぎる(T_T)

もっとずっとやっていたいです(T_T)

 

しかしいま、私はとてもゴキゲンです。

なぜならこの第6回レッスンでは、念願のドゥ・ウィリのヴァリエーションを学べたからです……!!

 

個人的な話で恐縮なのですが、私はもしも来世でバレリーナになれて、『ジゼル』全幕に出演できることになったなら、ぜひとも踊りたいのがこのドゥ・ウィリです(。-_-。)ポッ

 

ドゥ・ウィリ。それはウィリたちの群舞のなかで唯二のソリスト役。

ウィリのリーダー的な存在と言われ、会社組織に喩えるならば女王ミルタがもちろん社長、群舞ウィリは平社員、そしてドゥ・ウィリは部長といったところではないかと思います(※個人的な見解です)。

ふたりともちゃんと名前を持っていて、ヴァリエーションを先に踊るほうがモイナ、後に踊るほうがズルマ。なかなか覚えにくい名前なところもツボです。

 

彼女たちのヴァリエーションは、とにかくとにかく振付が素敵

前後・左右に余韻を残しながら揺れるような動きの繰り返しや、ゆらゆらとたなびくようなポール・ド・ブラコントゥルタンなど、ちょっと残像が残るようなイメージの“引きずり系”のパ。アラベスク・パンシェからのトゥール・アッサンブレみたいなドラマティックなコンビネーションもありますし、何と言ってもランベルセがある…!

 

さらに個人的なお話になってますます恐縮しながら書き続けますが、何を隠そう、私はバレエのパのなかでランベルセがいちばん好きです(。-_-。)ポッ

どのくらい好きかというと、レッスンでランベルセが出てきた日には、ランベルセをしながら家に帰りたくなるくらい好きです(たぶん同じところをぐるぐるするだけになるけど)。

 

このランベルセも含め、ドゥ・ウィリのヴァリエーションはどちらもすごく短くて、含まれているパも普段のレッスンによく出てくるものばかり。もちろんプロのような精度で行うのはめちゃくちゃ難しいに違いないのですが、一応、何とか、この体で動きをなぞることはできそうに見える……ということで、本当に私、この日のレッスンをすごく、すごーく楽しみにしていました。

 

初挑戦の感想は……

 

成仏。

 

思っていたよりもぜんぜんできなくて、カブリオール・デリエールは3発とも脚が打てず空振りだったし、第2アラベスクは全部ふらふらで自分でも「脚、低っ!!」とびっくりしたし、肝心のランベルセは気合いが入りすぎて1人だけ異常に早く始めてしまったけど、でもずっとずっと踊ってみたかった振付を初めて習うことができて、気持ちだけは本当にモイナ&ズルマ気分でふわ〜、ふわ〜と踊ってるつもりになれて、「そっか、ダンサーはこんな風に踊ってたのか…!」というポイントもいっぱい教われて(後ほど大量に列挙します)

 

ワタクシ、個人的にはもうウィリ業を引退してもいいかなと思えるくらい成仏できました。

 

実際のところ、このふたつのヴァリエーションに含まれているパは、基本的だからこそごまかしがきかず、精度高く行おうとすればするほど難しくなるテクニックばかり。

 

レッスンの最後に高橋竜太先生がおっしゃったこの言葉が、胸に深く刻みつきました↓

 

「このドゥ・ウィリのヴァリエーションも含めて、同じステップを繰り返し見せるというのがソロの踊りによく出てくる定番要素のひとつです。

そのステップを1回行うだけなら、簡単かもしれない。でも、それを何度でも繰り返せること何度繰り返しても精確かつ完璧に行えること。それこそがバレエのクオリティなんですよ」

 

プロのダンサーって、本当に凄いです。

 

受講者のみなさま、ドゥ・ウィリのヴァリエーション、いかがでしたか?

心からの感想として、みなさん振り覚えもめちゃくちゃ早いし、上手い

私がモイナ部長かズルマ部長の役を射止めるのは、たぶん来世でも無理(T_T)と思いました。

 

次回(2/17)はいよいよ! 初の男性ダンサーがゲストに来てくださる回です。

第1幕より、「花占いのマイム」を学びます(。-_-。)ポッ

 

***

 

【ドゥ・ウィリ(モイナとズルマ)共通】

Point1: 出のところの歩き方はススススス…と静かに、恐く!

頭をぴょこぴょこさせないように気をつけつつススススス…と出てきて、慌てず風格をもって最初のポーズをとる

Point2: 群舞を従えて踊る《ソリスト》という自覚を持ち、堂々たる存在感を意識!

★(今回は体験できなかったけれども)ドゥ・ウィリがソロを踊る時、周りには24人の群舞が立っている。

群舞を周りに従えて、そのセンターでひとりで踊る感覚というものを、いつかいちど体験してみてほしい。(この講習会のどこかのタイミングで実現したい)

★踊り始めの位置につく時から、群舞よりもひとつ際立った存在感を出すよう意識することが大事。

群舞のふわふわ〜っとした煙のなかから、一段と濃い煙が出てくるイメージ

Point3: 上半身で”ふわり…”とした動きを表現したければ、下半身を安定させるべし!

★盤石な土台=下半身が支えているからこそ、上半身をふわり、ふわりと動かせる。そして下半身をしっかり安定させる最大のポイントはもちろんアン・ドゥオール

 

モイナのヴァリエーション】

Point1: (ピケ・アラベスク→シャッセ→カブリオール・デリエール→コントゥルタン)×3回

★最初のピケ・アラベスク

*4番の方向(正面に対して右斜め後ろのコーナー方向)に立つ。

*アラベスクの時は両腕とも前のアロンジェ。ふわ〜っと柔らかいアームスで、長く、遠くへ…を意識

*(このあとは真反対の方向にシャッセすることになるとはいえ)このアラベスクの時は思いきって前方向へ、しっかり体重を移動しきって

そうすることで、水槽のなかのエビみたいに、ぐーっと前に行く……かと思いきやシューッと後ろへ!という、フェイントみたいなニュアンスを動きに出す。

*アラベスクの後ろに上げた脚は、つま先まで強く伸ばす! そのハリの強さが、次の動きに滑らかにつながっていくためのカギになる。

*アラベスクからシャッセへ移行する時。軸足の踵を床につける瞬間、その踵をぐっと前に出してしっかりアン・ドゥオールすると、ふらふらせず体をコントロールできる。

★シャッセ

*8番の方向へ向かってシャッセ

腕はアン・ナヴァンにまとめる。このとききちんと丁寧にアン・ナヴァンのポジションを作ることで、次のカブリオールの時にエネルギーを爆発させられる。

両脚のアン・ドゥオールを忘れない! こういうつなぎのパでしっかりアン・ドゥオールを使うことで体をコントロールでき、踊りのクオリティがぐっと上がる。

★カブリオール・デリエール

*シャッセの後さらに遠くへ進む気持ちで、軸脚(左脚)をできるだけ前方に踏み込むのがコツ。

アン・ナヴァンの腕をパッと第一アラベスクの形に開くことでエネルギーを爆発させて跳ぶ!

★コントゥルタン

*この、カブリオールからのコントゥルタンが、モイナの大きな見せ場のひとつ!

*カブリオールでアラベスクに上げていた脚(右脚)は、着地した脚(左脚)よりも前に送って床に着けてプリエ。

軸脚にも動脚にもしっかりと力を入れて。脚に意識がいかずふわふわしてると体がコントロールできなくなり、ここから先が次々と上手くいかなくなっていく。

軸脚(右脚)踏ん張る&右肩重く。右脚・右肩を支点にして、左脚&左腕は遠くへ引っ張りながら回していく。

動脚(左脚)のつま先は床を擦る! 宙に浮いてこないよう注意。

*左脚&腕を回してきたらアームスは再びアン・ナヴァンにまとめ、次のピケ・アラベスクに備える。この一連のシークエンスは必ずアン・ナヴァンを通過しながら流れを作ることがとても大事!

 

Point2: (グリッサード・アッサンブレ→アティテュード・クロワゼ・ドゥヴァン→アティテュード・クロワゼ・デリエール)×3回

顔のつけ方Uの字”を描くイメージで。

グリッサードで下を通り、アッサンブレで上の手のほうにちゃんと向ける。

そこからまた下を通ってアティテュード・ドゥヴァンで顔を上げ、また下を通ってアティティード・デリエールで顔を上げる……の繰り返し。

★アティテュード・ドゥヴァン

5番ポジションのプリエでしっかり床を踏み込んでアティテュードに上げる。この踏み込みが大事! はっきり踏み込むことで観客に動きを明確に見せることができ、音も取りやすくなる

*腕はまた赤ちゃんを両手に乗せているような重みを感じてウィリ・ポーズ。

★その腕をふわっとアロンジェに開きながらアティテュード・デリエールへ。

アティテュードに立ち上がる時は軸脚(片脚)で床をぐっと踏み込んで立ち上がる。ここもはっきり踏み込むことで動きが明確になり、音も取りやすくなる

★3回目のアティテュード・デリエールから、できればポアント(ドゥミ・ポアント)で立ったままシュ・スーに。

ピケ・トゥール・アン・ドゥオール。ピケで立つ時は前に壁があるイメージで、その場で回る! 移動するのは回る前に踏み込む時だけ。回る時まで前に流れていかないように。

★ピケを2回回ったら、軸脚で一旦プリエに降りて、落ち着いてシェネ2回

★シェネが終わったら再び軸脚で一旦プリエに降りて、落ち着いてからピケして第2アラベスク

この時はピケ・アラベスク先行。腕は後からゆったりとついてくるイメージ。

 

 

ズルマのヴァリエーション】

Point1: プレパレーション

★モイナがピケ・アン・ドゥオールを始める音でススススス…と最初の立ち位置へ出て行く。

★最初のポーズ。両腕横から右腕→左腕の順に時間差でアン・ナヴァンの位置へ持って行ってから、同時にアロンジェへふわりと開く。

 

Point2: (ピケ・アティテュード・クロワゼ・デリエール《ウィリ・ポーズ》⇒ 2歩 ⇒ ピケ・アティテュード・クロワゼ・デリエール《アロンジェ》)×3回

★ウィリ・ポーズは赤ちゃんを両手の上に……

2歩のところでズシンと体重を落とさないように。上体を高く高く引き上げたまま、少しドゥミ・ポワントくらいの感じでステップを踏む。(そうでないとまたアティテュードで立つのにすごく負担がかかる)

★アロンジェのほうのアティテュードは、3回とも腕&顔のつけ方が違うので注意。

1回目は左手が上、顔も左手のほうへ(でも客席からみて顔が綺麗に見えるよう正面を意識)

2回目は右手が上、顔も右手のほうへ

3回目は両腕アロンジェ、顔は真っ直ぐもしくは右手のほうへ(客席から顔が綺麗に見えるように)

 

Point3: (アラベスク・パンシェ ⇒ シャッセ ⇒ トゥール・アッサンブレ)×3回

★アラベスク・パンシェは、思いきって前に体重をもっていったほうが安定してやりやすい。

だからアラベスクで止まるよりも、パンシェをしてしまったほうがこのくだりは楽に行えるはず。

★トゥール・アッサンブレ

最初から回ろうとせずに、まずは動脚(右脚)を進行方向(6番の方向)に上げることを意識。高さは最高でも45度くらい。高く上げ過ぎると次にスムーズにつながらなくなる。

*動脚を上げたらすぐに踏切脚の前に集めながら回り、右足前5番で着地。5番をきっちり

*着地はアームスで安定させる

*腕はアン・オーで、上体ごと少ーし左方向に押されたように傾けるとGOOD

 

Point4: (デヴェロッペ・ア・ラ・スゴンド ⇒ パ・ド・ブーレ・トゥール ⇒ ランベルセ ⇒ 第3アラベスク)×3回

★デヴェロッペ・ア・ラ・スゴンド

左脚をデヴェロッペしながら右脚プリエ。腕は横のアロンジェで遠く遠くへ引っ張って

★次のパ・ド・ブーレ・トゥールは、足を着く方向がすごく大事

左足は2番の方向に。次の右足は8番の方向に着いてから、左足を右足の後ろに収めてランベルセへ。

★ランベルセ

*左脚プリエ、右脚ドゥヴァンからア・ラ・スゴンドに開きながらルルヴェ・アップ。同時に横アロンジェに開いていた腕をアン・ナヴァンからアン・オーに上げていく力を借りて、体をグッと引き上げて立つ

*右脚をドゥヴァン→ア・ラ・スゴンド→デリエール(アティテュード)へと回していく時、しっかりとアン・ドゥオールをキープすること! ぎりぎりまで内腿を前に張り出し続ける

動脚の軌跡は“前・横・後ろ”ではなく、前・エカルテ・横・エカルテ・後ろだと心得るべし。

左肩を残しながらアティテュードを見せる。

*軸脚プリエに下りる時は踵を前に送ってしっかりアン・ドゥオール

ランベルセじたいは立つだけ。その後のパ・ド・ブーレで素早く回る

★第3アラベスクから再びプリエに下りてデヴェロッペ・ア・ラ・スゴンドに下りる時も、踵をぐっと前に送ってあらためてアン・ドゥオール

★この一連の動きでは、ランベルセの時以外ずーっとアームスは開いてアロンジェしている状態。各ステップの呼吸に合わせて、肘を軽く下ろしたり上げたりすることでコントロールする。