「ジゼル」レッスン、第4回(1/27)重要ポイントのまとめ!

1月27日(土)、第4回目のレッスンは引き続き第2幕から。
場面はウィリたちが今宵の生け贄・ヒラリオンを追い詰め、踊り狂わせ、最後は沼に沈めてしまう――という、全幕中のクライマックスのひとつと言えるシーンを学びました。

女性のみなさんは全員でウィリたちの群舞。
そして栄えある(?!)ヒラリオン役は、もちろん男性受講者の方に任されることになりました。
竜太先生から「じゃ、男性はヒラリオン役で」と任命され、ちょっぴりはにかむヒラリオン。それをウィリのみなさんが温かな拍手で激励するという、何ともほっこりなひと幕もありました(笑)。

やっぱりバレエは、女性と男性がいるからこそ素敵です。

さて。
今回のシーンは、具体的にはこのような場面でした↓

①ジゼルのお墓を訪ねてウィリの森に入ってきてしまった哀れヒラリオン。ウィリたちの気配に気づき、森から逃げ出そうとするも、左(上手)から右(下手)から走り込んでくるウィリたちにことごとく行く手を塞がれ、追い詰められてしまう。
ウィリたちは「今日の餌食はお前だ!」と言わんばかりに全員でヒラリオンを指さし、怒涛のアラベスク・ソテで攻め立てる。

②ヒラリオンの前に、ウィリの女王ミルタが現れる。
ヒ:「おいアンタ、俺はここから出て行っていいか?」
ミ:「いいえ、それは許されません」
ヒ:「え、何で!?!? あああああ〜〜〜」
ウィリたちが1列ごとに巻き起こす渦巻き状の疾風に絡まり、翻弄されるヒラリオン。

③ミルタに必死に命乞いをするヒラリオン。
ヒ:「た、頼む、助けてくれ……」
ミ:「お前はここで踊り続けるのです。心臓が破れるまでね」
ヒ:「そ、そんなの嫌だー!うわあああああ〜〜〜〜〜!!!」
ウィリたちはヒラリオンをぐるりと取り囲んでひとつの大きな輪となり、ぶわ〜っと勢いよく回り始める。ヒラリオンはその流れに逆行し、息も絶え絶えにグラン・ジュテ・アティテュード×5回。そして十字架ポーズでウィリに捕獲されてしまう……。

④ウィリたちのアラベスク・ソテ(スタジオの各コーナーへ方向を変えながら)&小さなフェッテ・アラベスク×12、そして舞台上手手前から下手奥に向かって大斜めのフォーメーション。
最後の力を振り絞って命乞いをするヒラリオンに、ウィリたちは冷たく「NO!NO!NO!NO!NO!……」
(ここで、1列に並んだウィリたちがウェーブみたいに前から順々にパパパパパパ……とポーズを作っていく動きを、先生は“カノン”と呼んでおられました)

⑤ついにヒラリオンは沼に突き落とされ、終了。

こ、これは……
めちゃくちゃ燃えます

これまで、観客としてこの場面を見ている時は
(ヒラリオン可哀そうすぎる;;)
(彼は何にも悪いことしてないよ? ただ一途にジゼルのことが好きだっただけだよ?)
と、どちらかといえばヒラリオンにすごく同情を感じておりました。

ところが実際にこの群舞を踊ってみると、ぜんぜん違う感情が芽生えてくるんですね。

逃げまどうヒラリオンを指さす時には(そこの男、逃がさないよ( ̄ー ̄))と。
怒涛のアラベスク・ソテ攻撃をお見舞いしている時には(追いつめてやるー!( ̄ー ̄))と。
拒絶のポーズで突き放す時には(私たちは絶対に許さないから( ̄ー ̄))と。

これまで四十ウン年の人生では感じたことのないドSな感情が、ごく自然に心の奥から湧き上がってきました。

実際のところ、今回は演技的な部分、表現的な部分も、とても勉強になりました。
何と言うのでしょうか、まずわれわれウィリは、ターゲット(=ヒラリオン)が定まることによって、気持ちに“強さ”が出てくる感じがしました。
「今夜はあの男を踊り殺すのだ!」という目的が明確にあることによって、私たちの指先や目線もきっちりと定まり、自然と力がみなぎる

またヒラリオン役の人も、ただくるりと1回転するだけ、軽くバランセをするだけでも、自然と天を仰いだり、何となく悲壮感のある表情を浮かべたりと、まだ振りを覚えきっていない段階からもうステップに“芝居”の芽が出てきているように見えました。

なるほど、表現や演技というのはこのように、その場面や振付の意味をはっきりと理解できていることがすごく重要で、それができているかどうかで動き方や表情が内側から自然に変わってくるんだな、と。

頭では何となく知っていたことですが、それを自分の体で感じられたのは、とても新鮮で嬉しい体験でした。

次回、第5回レッスンでは、この同じ場面をさらに踊り込み、磨きをかけ、仕上げていく予定です。

***

【第3回レッスンのポイント】

Point 1:“ウィリ走り”のコツ
★上体を前傾させ、進行方向側の腕をアン・ナヴァン、反対側の腕はア・ラ・スゴンド(だけれども、ボディを少し正面方向に開くようにして、腕が斜め後ろに伸びているようなラインを作る)
★“上体を前傾させる”といっても、決して背中は緩めない
背中をグッと入れて、デコルテを張り、首筋をスッと長く保っておく。
★走る時は脚がパラレル(6番ポジション)にならないように注意!
両脚のアン・ドゥオールを忘れずに、ちゃんと“バレエらしく”走るべし。
★このシーンの冒頭、上手と下手から舞台へと走り出る場面で注意しなくてはいけないのは「行き過ぎてしまったら、もう後戻りはできない」ということ。
自分が止まるべき位置(バミリ)や前の人との間隔をちゃんと目で確認しつつ走るべし!

Point 2:指さす時はハッキリと!
★舞台にダーッと走り出てきて、自分の立ち位置に着いたらクロワゼ・後ろの脚タンデュでストップ。
客席から見て奥の腕を真っ直ぐ前に伸ばし、ヒラリオンを指さすようなポーズをする。
★指さす時は、前に伸ばした腕をいちど自分のほうに巻き込んでから(アン・ナヴァンのポジションを通過するように)、あらためて強く前に突き出す
★その指先はピン!と強く伸ばし、「お前だ!」という感じで、はっきりと指をさし、目にも力を込めて(目力)。ふんわり・ぼんやりと指をささないこと。
★ただし、強く指さそうとするあまり、反対側の手まで人差し指がピーンと立ってしまわないよう注意。反対側の腕は低めの位置のドゥミ・スゴンドで自然に伸ばしておく。

Point 31列ずつの小さな渦巻きはタイミングが重要(衝突注意!)
★ウィリたちが1列ずつ小さな渦巻きを作ってヒラリオンを巻き込んでいくところ。焦って早く動き出さないよう、音楽をしっかり聞いてタイミングよくスタートすること。
★スタートしたら、23番目の人たちはダッシュで1番先頭の人についていく。ここで間隔をあけてしまうとヒラリオンが次の渦へと抜けていくのにぶつかったり、タイミングが遅れたりしてしまう。
★ヒラリオンはストゥニューでバランスを取りつつ渦の最後尾の人が通過するのを目視確認してからダッシュで抜けるのがコツ。

Point 4:難しいのは、音楽に演技のタイミングを合わせること
★音楽に合わせて踊るのはカウントを取りやすいし比較的やりやすいけれど、より難しいのは“音楽に合わせて演技をする”こと
“この音のところでこの芝居をする”というのは、タイミングがとても覚えにくく、難易度が高い。その意味で、今回の場面はヒラリオン役の難所であり、見せ場でもある。

Point 5:大きな輪になって回る時のコツ
★ミルタがヒラリオンに対して「お前はここで踊るのです」のマイムをしたら、ウィリたちはサッと移動してひとつの大きな輪を作る。
輪のフォーメーションを作る時の自分の位置を覚えておき、その場所をめがけてサッと移動し、きちんとフォーメーションを組んで静止してから、走り出すこと。
★前後の人と手をつなぐやり方には決まりがある。
全員、“ウィリ走り”の体勢(上体前傾)を取り、右手が前、左手が後ろどちらの肘も90度に曲げて、前後の人と手首を握り合う
★全員が肘を90度に曲げた状態を保てる距離感で輪を作り、走り出してからもその肘の角度は崩さない!
★走り出したら、前の人の腕を軽く押すようにするとみんなが走りやすい。逆に前の人にぶら下がってしまうと、重たいだけでなく、速さのコントロールが利かなくなってフォーメーションが崩れる。
★前の人が通過したところよりも外側を走ってしまうと、輪がどんどん膨らんでいって生業不能になりフォーメーションが崩壊する。音楽のなかで走り終えることもできなくなる。
前の人が通った軌跡よりも、気持ーち内側を走るくらいのイメージで。
★走る時に脚が6番にならないように! アン・ドゥオールを意識して保とう。
★回るのは1。最後はまたスタートした時の自分の位置に戻る。

Point 6:小さなフェッテ・アラベスク×12
★ここのフェッテ・アラベスクは、ボディの角度をあまり深く取らない。ボディは正面に開き気味、脚はやや“ア・ラ・ベゴンド”気味なくらいで小さく跳ぶ。
★腕のポジションは、最初の4回はドゥミ・スゴンド次の4回はア・ラ・スゴンドのアロンジェ(手のひらを下に向ける)、ラスト4回は後ろの腕を斜め上まで上げた大きなアロンジェ

Point 7:“大斜め”のフォーメーションは角度浅めで真っ直ぐに!
★大斜めで真っ直ぐなラインを作るコツは、前の人の背骨の真後ろに自分の背骨がくるよう、体のセンターで合わせること。(ただしこの日のレッスンでは右肩(客席側)のラインで合わせました)
★このフォーメーションでは、計4回ほど振り向くタイミングがある。そのたびに列が少しずつズレたり歪んだりしやすいので、すごく注意しなくてはいけない。
★1回目の振り向きは右手指さし。この時は指先を前の人の耳の高さに合わせ、少し前傾姿勢に。
★2回目の振り向きはウィリポーズ(みぞおちの前で両手首をクロス、脚はBプラス)。その後「NO!NO!NO!NO!NO!NO!NO!……」のカノン。
*カノンの時は、前の人が動き始めたのを確認したらすぐ自分も動くのがコツ。
前の人が動き終えてから動くのでは遅い
*「No!」のフレックスの手は中指が天井を向くイメージ。
★3回目の振り向きはカノン。両手アロンジェ&左脚をドゥヴァン(前)にタンデュしながらパパパパパパパパパパパ……と前から順々に振り向いていく。
*カノンのコツは上記に同じ。
*アロンジェの右手は前の人の耳の高さ、左手は腰の高さ。