あの、夢のように楽しかった「ジゼル」レッスンから早半年――。
名作バレエのハイライトシーンを踊り、演じてみる3ヵ月間の定期講習会シリーズの第2弾がいよいよスタートしました……!
今期学びますのは、言わずと知れたクラシック・バレエの代名詞『白鳥の湖』。
題して、「白鳥の湖」レッスン〜名場面の踊りと演技を学ぶ〜でございます!!
かの「ジゼル」レッスンは、高木綾・高橋竜太両先生の素晴らしいご指導と、受講者のみなさまの熱心さ&お人柄の良さがミラクルなケミストリーを生み、四半世紀にわたって数々のバレエスタジオを“道場破り”してきた私にもちょっと経験がないほどの大盛り上がりを見せました。
その評判が評判を呼んだり、心温かい受講者のみなさまが“口コミ”のような形でそれぞれのお友達やバレエ仲間の方々に広めてくださったりしたおかげで(わたくし何が無いって広報宣伝力がいちばん無いので本当に助けられました…)、今期は受講者募集開始からあっという間に定員満了。
我らが麗しの綾先生、我らのヒーロー竜太先生、バレエを愛する25名の素敵な受講者のみなさま、そしてもちろん今回もドシーン!と体当たりでご一緒させていただきます、“踊る事務局”こと私オン・ポワント阿部。この計28名で、いざ、開幕でございますヽ(・∀・)ノ
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9月8日(土)、第1回。
まさに開講日にふさわしく、この日のレッスンは《第1幕よりダイジェスト》。
……《第1幕よりダイジェスト》って、喩えていうなら高校の日本史の先生に「今度のテストは邪馬台国から室町時代までのどっかから出題するから!」と言われたくらいざっくりなご案内で、受講者のみなさまドキドキさせて申し訳ありませんでした(==)
映像で第1幕全体を何となく予習してきた方、ヤマ勘を冴え渡らせてピンポイントで予習をしてきた方、あるいは私のように「テスト範囲が広すぎるからもう出たとこ勝負で!」と肚だけ据えてきた方、いろいろだったと思います。
はたして、本日練習するのはどこの場面なのか?!……というのはとりあえず置いといて、16時30分、まずはウォーミングアップのバー・レッスンからスタートしました。
この“30ミニッツ・バー・レッスン”は、もはや当講習会のひとつの“名物”と言ってもいいかもしれません。
まず、コンパクトなぶん各アンシェヌマンがとてもシンプルなので、純粋に基礎に集中できるのがすごく良いと思うんです。
それから綾先生や竜太先生から毎回必ずひとつかふたつ、今後のレッスンの“座右の銘”にしたくなるような、印象的なアドバイスをいただけるというのが素晴らしいな、と。
例えばこの日のバーを担当してくださった綾先生からいただいた注意で心に残ったのはこのふたつ↓
「後ろに脚を出す時、ジュテとかグラン・バットマンになってきたら少ーし骨盤を前傾させますが、タンデュくらいで傾けてはダメ。下腹を引き上げて、尾てい骨を真っ直ぐ下に向けたまま脚を後ろに出していけるように、すごく注意してください」
「デトゥルネして反対側を向く時は、細ーく立って半回転するようにしてください。内腿を締めて、ルルヴェを高ーくして、どんどん細ーく、細ーく立っていくように!」
ひとつめのタンデュの問題は、これ、言われてやってみるとすごく難しいんですね……。自分がこれまでいかに気持ちよーく骨盤を前傾させてイージーにやっていたかに気づかされました(==)
ふたつめの“デトゥルネは細ーく”問題、これはイイ……!!
これはすごく分かりやすいし、意識してみると本当に体がキューッと引き上がって、今後ずっと気をつけ続けることができたら、ボディも細く絞れてくるような気がしました。
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さあ、いよいよ《『白鳥の湖』第1幕ダイジェスト》です!
いったいどの場面を練習するのか?!
――その答えが、さっそく竜太先生から明かされました。
「第1幕って言ってもすごく長いしいろんな踊りがありますが、今日はまさに幕開きの場面、本当に最初の部分の振付をやってみましょう」
ということは、あの、物悲しいけれども美しいオーボエの音が印象的な導入曲が終わった後の、ガラリと祝宴ムードに変わる華やかな音楽のところですね……?!
ターンターンターンターンターンターララッタッタタタラララタラララタラララ……ラッタッタ♪っていう、あのキタ━━(°∀°)━━━!感ハンパない音楽のところですね?!
道化が出てきて、それから王子をお迎えして、みんなでカンパーイ!ってやる、あの場面ができるのですね?!?!ヽ(≧▽≦)ノ
幕が上がると、そこは王宮の庭。
王子の友人たちが板付きで立っていて、パッと照明が入るとともにみんなが一斉に踊り出す。
私自身、「これから大好きな『白鳥の湖』が始まるんだ……!」というわくわく感がたまらなくて、すごく好きな場面です。
……が、しかし。
正直に白状します。
これまでの私は、あの場面に対して非常に油断していたといいますか、見方がすごく甘かった。
あの場面が、あんなにも複雑だったなんて……(T□T)
そして、あんなにも驚愕のスピード感で踊られていたなんて……(T□T)
ワタクシ、今後はもう絶対に王宮の庭に足を向けて寝られません(違
最初から舞台上にいて(板付き)、男女で手を取り合って踊る人たち。
後から舞台に駆け込んでくる人たち。
「ねえみなさん、道化が来るわよ!」と知らせる役目の人。
単に“王子の成人のお祝いに駆けつけた人々”と一括りに捉えていたけれど、それぞれの人にそれぞれの振付や舞台上での動きがあって、それぞれが“セリフ”を語っていて。
みんなで動きを合わせなくてはいけないところもあれば、逆に合わせてはいけないところもある。
そんなふうにすごく入り組んだ作りになっているからこそ、あの華やぎが生まれていたんだな……と、今回自分が習ってみてはじめてハッ!とさせられました。
そして音楽の、あのスピード感ですよ(T□T)
ステップ自体は、シャッセとかアラベスク・ソテとかパ・ド・ブーレとかスュイビとかすごくシンプルなのに、足がもつれまくるんだなコレが(==)
受講者以外の方でもしこのブログを読んでくださっている方がいらしたら、ぜひ映像などでこのシーンを見ながら、ちょっと一緒に動いてみてください。
きっともう金輪際、王宮の庭に足を向けて寝られなくなると思います(違
難しかった。
第1幕の、冒頭の数分間だけのシーンだけでしたけれど、本当に難しかった。
だけど、やっぱり最高に楽しかったです。
個人的にとくに楽しかったのは、まず自由に演技するところ。
たとえば道化がやってくるという知らせを受けて、「まあ、道化さんが来るんですってよ♪」とか自分でセリフを思い浮かべながら身振り手振りしてみるのは、すごくおもしろい経験でした。
あと、道化がやってきたり、王子が登場したりするたびに、そちらに向けて腕を挙げたりしてみんなでお迎えする瞬間もテンションが上がりましたし、細かいですが王子に向かって「乾杯☆」ってするところはちょっと憧れていたので、体験できて嬉しかったです(〃ω〃)
そういった場面こそ、「ああ、いま自分はこの作品世界の住人になってるんだな……」と感じられて、わたくし足がもつれながらもとても幸せでした。
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先ほども申し上げました通り、今回学んだシーンというのは、全員が一斉に同じ振付を踊るわけじゃなくて、いくつかの組が別々の動きをするわけです。
各組、各人がどういう動きをするかを書き留めたノートを片手に、スタジオ中を駆け回りながら指導してくださった竜太先生。
道化が登場する場面になると道化になってクルクルッとトゥール・アンレールとか回ってくださり、王子が登場するとなると王子になってくださって、綾先生と一緒にこれだけ真剣に、本当に惜しみなくパワーを注ぎ込んで教えてくださっているその姿に、私は不意に胸がいっぱいになりました。
綾先生、竜太先生、今期もどうぞよろしくお願いいたします……!
さあみなさま、次回(9月15日)はさっそくですがお待ちかね、第2幕より白鳥達の群舞(1回目)です!!!
プラクティス・チュチュをお持ちの方は、ご持参いただいてOKです(`・ω・´)b