1月20日(土)、第3回レッスン。
前回に引き続き、ウィリ達の群舞を学びました。
この日のレッスンでは、第2回(ウィリ達の登場からの群舞)のおさらいをしてから、その続きをどんどん進んで、(ドゥ・ウィリとミルタのソロは後日ということで通過して、)ついにはこのくだりのラストまで一気に覚え、最終的には第2回で学んだ登場のところから最後まで全部通してみる!ということを行いました。
具体的に言うと、
- ウィリ達が恐~い雰囲気で登場し、二人組になったり床に膝をついてカンブレをしたりといった一連の群舞を踊ったあと(第2回レッスンでやったところ)、
- ドゥ・ウィリやミルタがソロを踊っている脇に控え、時折アラベスク・ソテや各種パ・ド・ブーレ等の振付が断続的に入り、
- ウィリ達が左右からアラベスクで進んできてすれ違う場面(東京バレエ団ではこの場面を“象の行進”と呼んでいるそうです。舞台では観客から拍手がわき起こるコール・ドの見せ場!)を経て、
- ミルタを筆頭にウィリ達全員でフェッテ・アラベスクを繰り返す、あの迫力の極みのコーダまで
を、すべて練習したということになります。
ううう、、、楽しかった……!!!
もちろん非常に難しかったですし、めちゃくちゃハードでしたし、最後はもう息が切れすぎて「こ、これは男どもを踊り殺す前にこっちが踊り死ぬんじゃ……」と思いましたけれど、でも「こんなにも踊るんだ!」というくらいたくさん踊れて、しかもみんなで協力して列や動きを合わせていくという一体感も経験できて、本当に最高でした。
やっぱり、個人的にすごく嬉しかったのは“象の行進”を練習できたこと。
『ジゼル』の群舞と言えばまず思い浮かぶシーンのひとつですし、とにかく一度やってみたかった!(同意してくださる受講生のみなさまも多いのでは…)
アラベスク・プリエのままズン、ズン、ズン……と前進すること、往路12歩、復路14歩。
かなりの距離を進まないと左右のグループがすれ違いきれないし、当然ながら列は揃えておかなくちゃいけないしで体力的にも集中力的にも凄まじく大変でしたが、やはりこの場面がくるたびに内心(キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!)と興奮しました。
あと、ラストのフェッテ・アラベスク合計10回。
正確に言うと、(パ・ド・ブーレ→後ろトンベ→パ・ド・ブーレ→前トンベ→フェッテ・アラベスク)×4からの、ダメ押し連続フェッテ・アラベスク×6。
最後の力を振り絞るとは、まさにこのこと。
高木綾さんいわく、プロのダンサーだって「あああ……もう脚が利かないかも……」等と思いながら、必死に跳んでいるのだそうです。
われわれの群舞修行は、まだまだ続きます。
次回(1/27)は、ウィリ達が哀れヒラリオンを追いつめ、踊り狂わせ、沼に沈める場面を練習する予定(恐い)。
女性受講者のみなさんにとってもまた大きな大きな挑戦となりますが、何といっても男性受講者の方(もれなくヒラリオン役)が大活躍の回となりそうです(≧▽≦)
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【第3回レッスンのポイント】
《列を揃えるコツ》
Point 1:基準を作るのは“外側の人”。より難しいのは“真ん中の人”
★群舞では、一番前の列や一番端の列といった“外側の人”が立ち位置を絶対的に守ることが大事。そこが揺るぎなく守られてはじめて、内側の人はラインを揃えることができるので、責任重大!
★その意味で、真ん中あたり(=“外側”以外)の人たちは、自分が前・横・斜めにいる人たちに合わせなくてはいけないので、常に神経を遣うし、とても大変。
Point 2:照準を合わせる人を“パ”ごとに変える!
★振付ごとに体のアングルが変わるのを利用して、その瞬間にチェックしやすい方向をチェックする。
e.g.)床に膝をついてカンブレをした後、エカルテ・デリエールでプリエ→パ・ド・ブーレのところ。エカルテの時は斜め後ろ(自分の身体に対して横)の人を見やすいので、斜めのラインを意識して揃える。次のパ・ド・ブーレでは体を正面に向けるので、前の人を見て縦のラインを揃えるようにする。
《今回の場面のポイント》
Point 1:ウィリ達登場の場面の歩き方は、マスターしておくと応用が利く!
★ウィリ達が上体前傾&手首をクロスしたポーズで登場してくるところの歩き方。
①脚をつま先まで優美に伸ばして前に差し出し、
②膝を決して曲げないようにつま先から床につけて、
③さらに膝を伸ばしたまま、足の裏を丁寧に使って踵を床に下ろし、
④その脚に体重を移動させきる
上記①~④を左右繰り返しながら歩くと、とても堂々とした(上手そうな…!)雰囲気が醸し出せる。
★上記③で膝を曲げてから立ってしまうと、“よっこらしょ”という感じが出て残念な歩き方になってしまう。
★足の裏をしっかり使うことで踊りに深みが出る。歩くだけでも全然違う。
★これは男女共通。この歩き方を覚えておくと、ソロを踊るために袖から出てくる時などにも使えて、とても便利。
Point 2:腕は基本的に低めの位置で
★ウィリの群舞は周りの人とあまり間隔を開けず、タイトにフォーメーションを組むことが多い。
その時に横の人と腕がぶつからないように……という意味もあり、ドゥミ・スゴンドなどはかなり低めの位置でポジションを作ること。
肘を少し持ち上げて、丸いラインのドゥミ・スゴンドに。
★またパ・ド・ブーレで3歩目の脚をプリエする時、軸脚側の腕はアン・ナヴァン、反対側の腕はア・ラ・スゴンドにするけれども、そのア・ラ・スゴンドの腕がつい高くなりやすいので注意。
Point 3:両サイドに分かれて静止している時の、腕と脚のポジション
(ミルタやドゥ・ウィリがソロを踊っている間)
★ア・テール(つま先を床につけた状態)で第4アラベスクをしている時は、後ろの脚をピンと伸ばし、ボディをグッと捻って背中をできるだけ正面に見せるように。腕は低めの位置で前と斜め後ろに伸ばす。
★途中でポーズを変える時は、腕はウィリの基本アームス(みぞおち前で手首をクロス)にする(両手の上に赤ちゃんを載せているようにグッと下げておくことを忘れずに)。
後ろの脚は膝を曲げてBプラスに。
Point 4:“象の行進”は目線を下げず、腕と脚を強く引っぱる!
★とにかく目線を下げないように気をつけるべし! 目はしっかり進行方向を見て、列を合わせ、音にも合わせることに集中して。
★大事なのは、ホップして前進する時に頭がぴょこぴょこしないことと、アラベスクの脚がふらふら上下しないこと。頭の上にお茶を載せて配達するイメージで行進する!
コツは、前に伸ばした腕と後ろに伸ばした脚をグーッと強く引っぱり、ハリを持たせておくこと!
★体重は足の指の上に乗せておく!
★アラベスクの合間に入るソ・ド・バスクはジャンプしない。
Point 5:フェッテ・アラベスクはつま先まで強く!
★ラストのフェッテ・アラベスクで、つま先がプラプラしているのはすごく残念。
しっかりつま先まで神経を行き届かせて、ピン!と張っておくことを意識すべし。