開講しました!「白鳥の湖」レッスン〜第1回(9/8)のまとめ

 

あの、夢のように楽しかった「ジゼル」レッスンから早半年――。

 

名作バレエのハイライトシーンを踊り、演じてみる3ヵ月間の定期講習会シリーズ第2弾がいよいよスタートしました……!

 

今期学びますのは、言わずと知れたクラシック・バレエの代名詞『白鳥の湖』

題して、「白鳥の湖」レッスン〜名場面の踊りと演技を学ぶ〜でございます!!

 

かの「ジゼル」レッスンは、高木綾・高橋竜太両先生の素晴らしいご指導と、受講者のみなさまの熱心さ&お人柄の良さがミラクルなケミストリーを生み、四半世紀にわたって数々のバレエスタジオを“道場破り”してきた私にもちょっと経験がないほどの大盛り上がりを見せました。

 

その評判が評判を呼んだり、心温かい受講者のみなさまが“口コミ”のような形でそれぞれのお友達やバレエ仲間の方々に広めてくださったりしたおかげで(わたくし何が無いって広報宣伝力がいちばん無いので本当に助けられました…)、今期は受講者募集開始からあっという間に定員満了。

我らが麗しの綾先生我らのヒーロー竜太先生、バレエを愛する25名の素敵な受講者のみなさま、そしてもちろん今回もドシーン!と体当たりでご一緒させていただきます、“踊る事務局”こと私オン・ポワント阿部。この計28名で、いざ、開幕でございますヽ(・∀・)ノ

 

***

 

9月8日(土)、第1回。

まさに開講日にふさわしく、この日のレッスンは《第1幕よりダイジェスト》

……《第1幕よりダイジェスト》って、喩えていうなら高校の日本史の先生に「今度のテストは邪馬台国から室町時代までのどっかから出題するから!」と言われたくらいざっくりなご案内で、受講者のみなさまドキドキさせて申し訳ありませんでした(==)

映像で第1幕全体を何となく予習してきた方、ヤマ勘を冴え渡らせてピンポイントで予習をしてきた方、あるいは私のように「テスト範囲が広すぎるからもう出たとこ勝負で!」と肚だけ据えてきた方、いろいろだったと思います。

 

はたして、本日練習するのはどこの場面なのか?!……というのはとりあえず置いといて、16時30分、まずはウォーミングアップのバー・レッスンからスタートしました。

 

この“30ミニッツ・バー・レッスン”は、もはや当講習会のひとつの“名物”と言ってもいいかもしれません。

まず、コンパクトなぶん各アンシェヌマンがとてもシンプルなので、純粋に基礎に集中できるのがすごく良いと思うんです。

それから綾先生や竜太先生から毎回必ずひとつかふたつ、今後のレッスンの“座右の銘”にしたくなるような、印象的なアドバイスをいただけるというのが素晴らしいな、と。

例えばこの日のバーを担当してくださった綾先生からいただいた注意で心に残ったのはこのふたつ↓

 

「後ろに脚を出す時、ジュテとかグラン・バットマンになってきたら少ーし骨盤を前傾させますが、タンデュくらいで傾けてはダメ。下腹を引き上げて、尾てい骨を真っ直ぐ下に向けたまま脚を後ろに出していけるように、すごく注意してください」

 

「デトゥルネして反対側を向く時は、細ーく立って半回転するようにしてください。内腿を締めて、ルルヴェを高ーくして、どんどん細ーく、細ーく立っていくように!」

 

ひとつめのタンデュの問題は、これ、言われてやってみるとすごく難しいんですね……。自分がこれまでいかに気持ちよーく骨盤を前傾させてイージーにやっていたかに気づかされました(==)

ふたつめの“デトゥルネは細ーく”問題、これはイイ……!!

これはすごく分かりやすいし、意識してみると本当に体がキューッと引き上がって、今後ずっと気をつけ続けることができたら、ボディも細く絞れてくるような気がしました。

 

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さあ、いよいよ《『白鳥の湖』第1幕ダイジェスト》です!

いったいどの場面を練習するのか?!

――その答えが、さっそく竜太先生から明かされました。

 

「第1幕って言ってもすごく長いしいろんな踊りがありますが、今日はまさに幕開きの場面、本当に最初の部分の振付をやってみましょう」

 

ということは、あの、物悲しいけれども美しいオーボエの音が印象的な導入曲が終わった後の、ガラリと祝宴ムードに変わる華やかな音楽のところですね……?!

ターンターンターンターンターンターララッタッタタタラララタラララタラララ……ラッタッタ♪っていう、あのキタ━━(°∀°)━━━!感ハンパない音楽のところですね?!

道化が出てきて、それから王子をお迎えして、みんなでカンパーイ!ってやる、あの場面ができるのですね?!?!ヽ(≧▽≦)ノ

 

幕が上がると、そこは王宮の庭。

王子の友人たちが板付きで立っていて、パッと照明が入るとともにみんなが一斉に踊り出す。

私自身、「これから大好きな『白鳥の湖』が始まるんだ……!」というわくわく感がたまらなくて、すごく好きな場面です。

 

……が、しかし。

 

正直に白状します。

 

これまでの私は、あの場面に対して非常に油断していたといいますか、見方がすごく甘かった

 

あの場面が、あんなにも複雑だったなんて……(T□T)

 

そして、あんなにも驚愕のスピード感で踊られていたなんて……(T□T)

 

ワタクシ、今後はもう絶対に王宮の庭に足を向けて寝られません(違

 

最初から舞台上にいて(板付き)、男女で手を取り合って踊る人たち。

後から舞台に駆け込んでくる人たち。

「ねえみなさん、道化が来るわよ!」と知らせる役目の人。

単に“王子の成人のお祝いに駆けつけた人々”と一括りに捉えていたけれど、それぞれの人にそれぞれの振付や舞台上での動きがあって、それぞれが“セリフ”を語っていて

みんなで動きを合わせなくてはいけないところもあれば、逆に合わせてはいけないところもある。

そんなふうにすごく入り組んだ作りになっているからこそ、あの華やぎが生まれていたんだな……と、今回自分が習ってみてはじめてハッ!とさせられました。

 

そして音楽の、あのスピード感ですよ(T□T)

 

ステップ自体は、シャッセとかアラベスク・ソテとかパ・ド・ブーレとかスュイビとかすごくシンプルなのに、足がもつれまくるんだなコレが(==)

受講者以外の方でもしこのブログを読んでくださっている方がいらしたら、ぜひ映像などでこのシーンを見ながら、ちょっと一緒に動いてみてください。

きっともう金輪際、王宮の庭に足を向けて寝られなくなると思います(違

 

 

難しかった。

第1幕の、冒頭の数分間だけのシーンだけでしたけれど、本当に難しかった。

だけど、やっぱり最高に楽しかったです。

 

個人的にとくに楽しかったのは、まず自由に演技するところ

たとえば道化がやってくるという知らせを受けて、「まあ、道化さんが来るんですってよ♪」とか自分でセリフを思い浮かべながら身振り手振りしてみるのは、すごくおもしろい経験でした。

 

あと、道化がやってきたり、王子が登場したりするたびに、そちらに向けて腕を挙げたりしてみんなでお迎えする瞬間もテンションが上がりましたし、細かいですが王子に向かって「乾杯☆」ってするところはちょっと憧れていたので、体験できて嬉しかったです(〃ω〃)

そういった場面こそ、「ああ、いま自分はこの作品世界の住人になってるんだな……」と感じられて、わたくし足がもつれながらもとても幸せでした。

 

***

 

先ほども申し上げました通り、今回学んだシーンというのは、全員が一斉に同じ振付を踊るわけじゃなくて、いくつかの組が別々の動きをするわけです。

各組、各人がどういう動きをするかを書き留めたノートを片手に、スタジオ中を駆け回りながら指導してくださった竜太先生。

道化が登場する場面になると道化になってクルクルッとトゥール・アンレールとか回ってくださり、王子が登場するとなると王子になってくださって、綾先生と一緒にこれだけ真剣に、本当に惜しみなくパワーを注ぎ込んで教えてくださっているその姿に、私は不意に胸がいっぱいになりました。

 

綾先生、竜太先生、今期もどうぞよろしくお願いいたします……!

 

 

さあみなさま、次回(9月15日)はさっそくですがお待ちかね、第2幕より白鳥達の群舞(1回目)です!!!

プラクティス・チュチュをお持ちの方は、ご持参いただいてOKです(`・ω・´)b

 

 

 

 

【レポ&ポイントのまとめ!】 8/22 おとなにしか踊れない!ヴァリエーション・レッスン ~「ラ・バヤデール」よりニキヤの花かごの踊り~

 

8月22日――私たちのバレエライフに、またひとつ、忘れられない思い出が刻まれました。

バレエの夏の風物詩《めぐろバレエ祭り》内で開催させていただいた、おとな向け講習会「 作品&役柄解説レクチャー付き おとなにしか踊れない! ヴァリエーション・レッスン~「ラ・バヤデール」よりニキヤの花かごの踊り~」

自分で名付けておきながら噛まずに言えたことがとうとう一度もなかった長いタイトルですが、「その看板に偽り無し!」と自信を持って言える、非常に充実したワークショプとなりました。

 

あの興奮と学びに満ちた時間のことは、やはりきっちりと記録しておかなくては……とブログを書き始めたのですが、思い出せば思い出すほどキーボードを叩く手が止まらなくなりまして、気がつけばA4用紙換算で10枚にもなる長大な原稿に(==)ウム

 

みなさま、本当に長い長いブログです。

でも、『ラ・バヤデール』という作品や、ニキヤという役について教わったたくさんのことをみなさまと共有したくて、書きました。

よろしければぜひ、お時間のある時にお楽しみください。

 

***

 

【開場~レッスン開始前】

 

8月22日18時30分、めぐろパーシモンホール 小ホール。

19時のレッスン開始より30分ほど前から開場&受付スタートしたのですが、会場の扉が開いてわずか数分のうちに、ほとんどの参加者が受付を完了。みなさまの意欲と熱意と気合いのビシバシ感、最高です(`・ω・´)b

 

じつは私、当日少しだけ心配(?)していたことがありました。

それは、開催の約2週間前になって突然みなさまに「“花かご”をご持参ください(蛇はこちらでご用意してますので)」とお願いした件(こちらのブログにも書きました)。

正直を言いますと私、「用意できませんでした」という方が、少なからずいらっしゃるのかな……と思っていたんです。

それで、会場でみなさまをお迎えしながら「かごはお持ちですか~?」とお一人ずつお聞きしたのですが……何とみなさま、パーフェクトにご持参くださっておりました……!!!

みなさま、あらためまして、ご協力ありがとうございました(≧▽≦)

 

ちなみに私も、講師の川島麻実子さんに使っていただく用のものと、自分自身が使う用のものを、得意の100円ショップでかき集めたアイテムを駆使し、はりきって手作りしていきました。

 

川島さん用がこちら↓

 

レッスン中みなさまに見えやすいようレッドにしてみました

 

こちらは自分用↓

 

ワタクシ用はブルー。花を川島さんとお揃いにしてゴキゲンな仕上がり

 

 

 

しかしですね、やはり、いついかなる場合にも“上には上がいる”というのがこの世の常。

受講者のみなさまの中にはもはや花かご職人とも讃えるべき方々がおられまして、その素晴らしすぎる匠の技にビビりました↓

 

花かご職人No.1 長谷味記様。パールまであしらわれた可愛くておしゃれな逸品。こんな花かごをもらったらニキヤじゃなくてもテンション爆上がり間違いなし

 

 

花かご職人No.2 ハンドルネーム/”小道具予習に走った参加者”様。エスニックな色使いはまさに「ラ・バヤデール」の舞台である古代インドの世界観にぴったり。偶然にも、お配りした蛇の色ともベストマッチ

 

 

これらの他にも、おそらくはみなさま、花かご代わりに使えるものを、ご自宅のキッチンやリビングを一生懸命探してきてくださったのでしょう。

“ザル”とか“プラカップ”とか“箱”とか、手頃なサイズでしかも床に叩き付けてもOKなものを、じつに柔軟な発想で用意し、持ってきてくださっていました。

 

そして私からはお約束の 毒蛇くんをおひとり様1匹ずつお配りして、各自で花かごにセット。準備万端でレッスン開始を待ちました(`・ω・´)b

 

毒蛇くん。カラフルタイプ、コブラタイプなど4種類ありました

 

 

【川島さん登場! 作品解説&役作りトーク】

 

あらためまして、今回私たちを指導してくだったのは、東京バレエ団プリンシパルの川島麻実子さん

みなさんと一緒に大きな拍手でお迎えして、最初に15分ほどの〈作品解説&役作りレクチャー〉をしていただきました。

 

私はMCを務めさせていただいたのですが、間近で見る川島さんは、体の幅も厚みもリアルに私の半分ほど。

さらにお顔の小ささときたら私の1/3くらいしかなくて、ワタクシ思わず椅子を川島さんより20センチほど後ろに引き、姑息にも必殺・遠近法を使ってしまいました。

 

たった15分だったのに、トークは和やかながら大充実。

その内容をざっくりまとめますと、こんなお話でした↓

 

――川島さんの思う『ラ・バヤデール』という作品の魅力とは?

川島 登場人物全員に人間味があること、でしょうか。ヒロインのニキヤはもちろん、ソロル、大僧正、ガムザッティ、ラジャ(藩主。ガムザッティの父)、アヤ(ガムザッティの侍女)、マグダヴェヤ(苦行僧)……どの役にも感情があり、観客は必ず、誰かしら感情移入できる登場人物に出会えると思います。そしてすべてのキャラクターが人間味をもっているからこそ、場面ごとにいろいろなドラマがあります。

とても幸せなことに、私はこの『ラ・バヤデール』で女性が踊る役は、群舞からソリスト、主役まで、ほぼすべての役を踊ったことがあります。だからこそ、どの登場人物の気持ちも理解できる。それが自分の強みだと感じています。

――『ラ・バヤデール』には様々なバージョンがありますが、東京バレエ団が上演しているのは、名演出の呼び声高いナタリア・マカロワ版ですね。

川島 マカロワ版は、動きがとても難しいんです! 『ラ・バヤデール』はもともとドラマ性の強い作品ですから、踊っていると自然に感情があふれてきます。でも同時に、マカロワさんならではの細かいこだわりが、作品のあちこちにちりばめられているんですね。感情表現に集中すると動きが疎かになるし、動きに集中し過ぎると物語が途切れてしまいますから、本当に難しい。感情と動きのバランス、そして音楽との一体感がとても重要になってきます。

――東京バレエ団のプリマのなかでも、川島さんはニキヤとガムザッティの両方を踊っているというのが特別だと思うのですが、それぞれどのような女性像をイメージして演じていますか?

川島 最初にいただいたのはガムザッティ役のほうでしたし、私自身、「役をいただけるとしたらガムザッティだろうな」と予想していました。(「それはなぜ?」の質問に)なぜならそれまでも、たとえば『白鳥の湖』なら黒鳥オディールの役とか、とにかく“悪女”とか“敵役”とか、強い女性の役をいただくことが多かったので。ですから客観的に見ると、私はガムザッティタイプに見えるかもしれませんね。でも実際にニキヤも踊ってみると、私にはどちらの女性の気持ちもわかるな、と感じるようになりました。

ガムザッティは強くて冷たい女性に見えがちだけれど、それは彼女がお姫さまで、父である王が守ってくれていて、望む物はすべて手に入るような環境にいるせいでもあると思います。そんなガムザッティが、ソロルに対しては一途で、恋愛においては可憐な一面をもっている。そこが魅力的だと思いますし、きっと彼女にとってソロルは“初恋の人”なんじゃないかな? と解釈して演じています。

いっぽうニキヤは、一般的なイメージとしては、ガムザッティと対照的ですよね。強いガムザッティに対して、か弱くて儚げなニキヤ、というように。でも、はたして彼女は弱いだけなのでしょうか? ソロルに対してあれほど純粋な恋心を貫けるということは、むしろとても強い人だと言えるのではないでしょうか。ソロルへの思いの純粋さと、強さと、神に仕える巫女としての清らかさと、素直さ。これらが同居しているのがニキヤという女性で、芯の強さがあるからこその透明感、自分の気持ちにブレのないところが彼女の魅力だと思うんですね。

こうして考えてみると、ニキヤとガムザッティは全く異なる性格に見えて、じつは同じような面も持ち合わせています。そういうところに人間味を感じますし、この作品の大きな魅力だなと思います。

――さあ、これからいよいよ〈花かごの踊り〉を教えていただきます。われわれが心得ておくべきポイントを教えてください!

川島 みなさんご自身が、自分の大好きな人――恋人でも、家族でも――に裏切られたという気持ちで踊ってみてください。『ラ・バヤデール』は、踊りの技術だけでなく、感情表現も大事なポイントです。むしろ“きれいに”踊ってしまっては、逆に物語や登場人物の気持ちが観客に伝わらなくなってしまいます。この作品世界の“物語”を感じて、考えながら踊ってみてください。

 

***

 

【レッスンスタート! まずはバーでウォーミングアップ】

 

レクチャーでお話しいただいたことをしかと胸に刻み、いよいよ、レッスン本編がスタート。

 

まずは30分ほど、ウォーミングアップのバー・レッスンが行われました。

川島さんに教われるというだけでも豪華なのに、ここからはさらにアシスタントとしてダンサーの片岡千尋さんが加わってくださり、しかもレッスンはすべてピアニストの松木慶子さんが伴奏してくださるという贅沢さ。

私はもう幸せすぎて胸がいっぱいで、バーのアンシェヌマンはひたすら順番を間違いまくってしまいました(後ろにいらした方、申し訳ありませんでした(==))。

 

川島さんが与えてくださるアンシェヌマンは、すごくベーシックだけれどもちょっとだけトリッキー。シンプルなパを順序よく並べてくださっているのに、軸脚を変えたりカウントの取り方がちょっとだけ変則的になったりと、ちゃんと頭を使って集中しないとできないようになっておりました(そういうわけで私は間違いまくりました)。

そしてちょいちょい出てくる後ろのカンブレに内心(ウウウ…><)と呻き声をあげておりましたら、

「花かごのヴァリエーションは後ろに反る動きがたくさん出てくるので、今のうちに背中をすごーく柔らかくしておいてくださいね♪」

と、川島さんから素敵な声でお言葉が。な、なるほど……! 呻いてる場合じゃありませんでした(==)

 

 

【いよいよ挑戦! ニキヤの花かごの踊り】

 

短いながらもしっかりグラン・バットマンまで終えまして、ついに振付を練習するお時間がやってきました。

今さらご説明の必要もないかと思いますが、〈花かごの踊り〉はニキヤが下記のような心情で踊る場面です↓

 

まさにいま、私の目の前で、愛し合っていたはずのソロルが別の女性(ガムザッティ)と結ばれようとしている……。

けれども私は神に仕える舞姫の身。

この胸はもう張り裂けてしまいそうなのに、それでも祝いの舞を献上しなくてはいけない――。

 

うう、何という切なさでしょう……(;∀;)

 

最初に、川島さんから非常に重要なご説明がありました。それは、

「この〈花かごの踊り〉は、対角線上にドラマがある」

ということ。

 

「ニキヤの左斜め前方(舞台上手前方)には、ソロルとガムザッティが座っている。

左斜め後方(舞台上手後方)には、ガムザッティの父・ラジャがいる。

右斜め後方(舞台下手後方)には、ガムザッティの侍女・アヤがいる。

右斜め前方(舞台下手前方)には、大僧正がいる。

 

――舞台上は上記のような構造になっていることを念頭において演じましょう。

ニキヤの視線は常にソロルを意識していて、彼を見つめて踊ることが大切です。

でも愛する人の婚礼の場で踊るということはあまりにもつらい。

彼女はもうたまらなくなって逃げようとするけれど、左斜め後ろのラジャに阻まれます。

それで再び踊り出してはみるものの、あろうことか、ソロルはガムザッティの手にキスをしようとしているのを見てしまう。

あまりのことに、今度は右斜め後方に逃げようとすると、またしてもその行く手を阻むようにアヤが現れて、“ソロル様からの贈り物です”と、花かごを手渡される。

 

……このように、ニキヤが対角線上に置かれた“四方の敵”とのやり取りをはっきりと見せることで、この作品のドラマが際立ってくる。ここがすごく大切なポイントです」

 

 

この場面のドラマ性が構造的によくわかる重要なポイントで、このお話を聞けたのはとても大きな収穫でした。

 

また、この踊りの最初のポーズ――つまり下手方向を向いて立ち、右手を頭に、左手を胸に当てて天を仰ぐあのポーズをしただけでガラッと気持ちが切り替わり、すごく”ニキヤな気持ち”になれたというのも新鮮な体験で、いかにこの振付が役柄やその感情を巧みに表現しているかが理屈抜きで感じられました。

動脚を軸脚に絡ませる。両腕を真上で絡ませてシュ・スーで立つ。後ろの脚を大きく引いて体を深く沈める。ソロルに向かって腕を差し出す。ルルヴェで立ったまま後ろの脚を抜いて粘りのあるアラベスクをする。ジュテ・アントルラセからひざまずいてまた天を仰ぐ――。

振付が進むごとに、ニキヤの心情がどんどんふくらんで織り上がっていくような、そんな感じがいたしました。

 

……と、私まるで自分が流れるように踊れたかのように語ってしまいましたが、もちろんそんなわけもなく(==)

もう軸脚に動脚を巻き付ける形で片脚立ちしただけでグラグラグラ……(==)

シュ・スーで立ってグラグラグラ……(==)

ひざまずいてまたグラグラグラ……(==)

上体をドラマティックに動かさなくてはいけないぶん、とにかく一つひとつの振付をグラグラしないで行うこと自体が極めて難しいことなのだと思い知りました。

 

***

 

今回私たちが教えていただいた場面は、蛇に噛まれて絶命するところまで含めると6分ほどもある長いシーンです。

 

切なく苦しい思いに時折耐えきれなくなりながらも踊り続ける前半。

「ソロル様からの贈り物です」と花かごを渡され、束の間の喜びが胸に広がる後半。

そして蛇に噛まれ、ガムザッティに怒(いか)り、ソロルに絶望して、生きることよりも死ぬことを選択する最期の場面。

 

……受講したみなさまは、とくにどのあたりが印象に残ったでしょうか?

どのあたりが、踊ってみて楽しかったでしょうか……?

 

私はやはり、花かごをもらってから蛇に噛まれ、絶命するところまでのくだりに挑戦できたのが、本当に嬉しかったです。

 

普段のレッスンや発表会では、嬉しい気持ちや幸せ感を表現することはあっても、“悲しみ”や“怒り”や“嫉妬”や“絶望”を踊るというのは、なかなか経験できません。

だから、とにかくそれを学びたかったし、体験してみかった。

大人の私たちが、どのくらい心を動かして踊ることができるのか。

どのくらい、激しい感情に突き動かされることができるのか。

それを体感してみたかったというのが、この講習会を企画した最大の理由のひとつでした。

 

その意味では、本当に正直に申し上げますが、みなさん想像していたよりもずっと豊かに感情を表現していて、なかには非常に真実味のある演技ができる方もいらしたりして、驚きました。

愛する人に裏切られた悲しみ、悔しさ、嫉妬、怒り、絶望……自分自身の人生経験や、内にある感情を、表面に引きずり出してこなくては、この振付は絶対に完成しないのだと思います。

みなさんの踊り、素晴らしかったです。

とくに、ガムザッティに思わずつかみかかろうとしてラジャに制される場面や、毒蛇に噛まれた自分に背を向けて去って行くソロルに向ける、絶望のまなざしなど……これぞまさに、“おとなにしか踊れない踊り”であると感じさせてくれるパフォーマンスでした。

 

あと、個人的には、ささやかなことですが、蛇をバシッ!と床に叩き付けるシーンをやれて嬉しかったです(。-_-。)ポッ

意外と、毒蛇くんの頭部は花かごの中で行方不明になりがちで、(あっ…しっぽをつかんじゃった><)と肝心なところで気持ちが素に戻ったりして難しかったのですが、とにかく、念願の“カプッ!”からの“バシッ!”ができて、私は非常に満足です。

 

***

 

その他、川島さんから教わったなかでとくに印象に残ったことをいくつか挙げますと、

 

  • 振付のなかには何ヵ所か、踊り手が好きなようにアームスを使ってよいところがあること。

そこでどんな思いを込めるかによって作品としても表現の可能性が広がるし、踊る人にとっては自分自身の“真実の演技”が試されるということ。

これは、とても大きな挑戦をさせていただきました。

 

  • また、このマカロワ版は「シャッセ」の動きが非常に特徴的だということ。

通常のレッスンや一般的な踊りでは、シャッセといえば足裏全体を床につけてズーッと擦り出す動きだけれども、マカロワ版は足先をしっかりポワントにしてつま先だけを床につけ、それを遠くへ滑らせて脚を運ぶのだということ。

そしてこの特徴的なシャッセがたくさん積み重なって、あの独特な粘りのあるニュアンスが生まれているのだということも、非常に印象深い学びでした。

(でもこのシャッセ、実際にやってみると、見た目からは想像ができないくらい神経を使うし、難しいし、大変でした……(@_@))

 

 

【レッスンを終えて…】

 

このヴァリエーションはテクニックじたいも非常に難しかったのですが、ステップを踊りこなす以上に学ぶべきこと、挑戦すべきことがたくさんありました。

もう頭は完全にはち切れそうでしたけど、みなさま自身の手で、作品の核心に少しだけ触れることができた経験だったのではないでしょうか。

 

川島麻実子さん、片岡千尋さん、本当に惜しみなくお手本を見せてくださり、いろいろな言葉を尽くして私たちを指導してくださって、本当にありがとうございました。

ピアニストの松木慶子さん、時にステップが間に合わなかったりする私たちのマイペースな踊りに寄り添い、あの長い曲を何度も何度も弾き続けてくださって、本当にありがとうございました。

 

そしてご参加くださったみなさま、きっと誰もが初体験だったはずのこの踊りに、勇気を出して挑戦してくださって、本当にありがとうございました。

みなさまのチャレンジする気持ちと、バレエを学ぶことに対するひたむきな姿勢と、人生経験の豊かさこそが、あの熱気を生み出したのだと感じています。

 

思い出の品としてお持ち帰りいただいた毒蛇くんがご家族のみなさまをびっくりさせないよう、保管場所にはどうぞお気を付けください(`・ω・´)b

弊社ではこれからも様々な企画をしてまいります。

またいつかどこかで、ご一緒に踊りましょう……!!

 

(有)オン・ポワント

阿部さや子

めぐろバレエ祭り《おとなにしか踊れない!ヴァリエーションレッスン~『ラ・バヤデール』よりニキヤの花かごの踊り~》当日は“かご”をご持参ください!

 

8月22日(水)の講習会当日まで、あと10日あまりとなりました。
ご参加が決定しているみなさま、先月にお送りいたしました《予習動画》のほうは、お楽しみいただけておりますでしょうか……?!

ワークショップ当日は、私もみなさまと一緒にレッスンを受けさせていただきたいと思っておりまして(どうぞよろしくお願いいたします!)、気がつけば川島麻実子さんのお手本映像を繰り返し観てただただうっとりしておりますが、“予習”という意味ではまだサッパリです。。。
まだ時間は充分ありますから、これからがんばります。

 

さて、今回の講習会でみなさまに踊っていただきますのは、『ラ・バヤデール』よりニキヤの花かごの踊り
……そう、“花かご”の踊りです。

 

キトリに扇が欠かせないように、あるいはエスメラルダにタンバリンが欠かせないように、ニキヤには花かごが欠かせません(`・ω・´)

 

というわけで、みなさま、当日はぜひ“かご”をご持参いただけますよう、お願いいたします

 

当講習会にお申込みのみなさまには今さらご説明する必要もないかと思いますが、〈花かご〉は、ニキヤの悲劇を際立たせる非常に重要なアイテムです。

まさにいま目の前で、愛するソロルが別の女性と結ばれようとしている――そんな時に手元に届けられるのが、ソロルからの贈り物だという花かご。

「これはきっと、彼がまだ私を愛しているというメッセージに違いないわ……」

そう信じることで必死に心を慰めていたのに、その花かごの中には、彼女の命を奪う恐ろしい毒蛇が仕込まれていたという……うう、切ないです(ノ_・。)

 

この振付は、花かごを手に持って踊るように振付けられているわけですから、やはりちゃんとかごを用いて踊ったほうが、正しいポーズ、正しいステップを形作ることができるはずです。
また、小道具は役を演じるためのスイッチでもあると思います。
“エア花かご”ではなく、リアルなかごを手に持って踊ると、感情の湧き上がり方や演技のしやすさが大きく変わってくるに違いありません。

 

そのようなわけですので、みなさまお忙しいところ大変お手数ではございますが、ぜひとも、ぜひとも”かご”のご準備をお願いいたします。

 

かごは、ご自宅にあるものや、100円ショップなどで手軽に手に入るもので充分です。
サイズは直径20センチ前後、深さは5~6センチあればベストかなと思いますが、もちろんそのあたりは適当で構いません

 

例えば私は、こんなのを買ってみました↓

 

これは正円タイプ。直径20センチ弱。100円ショップで買いました

 

これは楕円タイプ。17センチ×15センチ、深さ8センチくらい。これも100円ショップでゲット

 

ちなみに、みなさまには“かご”だけご用意いただければ大丈夫です。
中に仕込む“蛇”は、こちらで人数分ご用意いたしました (`・ω・´)キリッ

 

ダイソー錦糸町店で40匹ほど仕入れてきました

 

よく見ると作りが雑(笑)。そこがかえって怖くなくて◎

 

これを当日の受付時にお配りしますので、各自ご持参いただいたかごにセットしてお使いください。

 

かごに蛇をイン。小ぶりな楕円タイプにもキレイにおさまります

 

あと、もし花も飾ってちゃんと“花かご”にしたいという方がいらしたら、それももちろんOKです!
どうぞご自由にご用意ください。(ただし蛇を仕込むスペースは確保をお願いいたします)

 

 

ただですね……ひとつだけ、気が付いたことが。

わたくし、先ほどさっそく蛇入りかごを持ってちょっとだけ踊ってみたのですが、この花かごの踊りって、けっこうかごを振り回したり、掲げてジャンプしたりっていう動きがあるんですね。
すると、スキあらば蛇のやつがピョコッ!とかごから顔を出したり、しっぽを跳ね上げたりしまして、これじゃ〈花かごの踊り〉じゃなくて〈蛇かごの踊り〉って感じだな……と(´・ω・`)

みなさま、当日はうまいこと蛇を押さえながらかごを握る、みたいな感じで、持ち方を工夫しながら踊るよう、お願いいたします。。。

 

それではみなさま、暑さ厳しき折から、どうかお体に気を付けてお過ごしいただきまして、当日は元気にめぐろパーシモンホールへいらしてください!

「ジゼル」レッスン、最終回(3/24)重要ポイントのまとめ!

 

3月24日(土)。

とうとう、この日が来てしまいました。

 

企画・運営をしてきた者としては、この日を無事に終えること、そして願わくば講師や受講者のみなさんの大満足とともに終えることが最後の目標でした。

でも、当日を迎えてみると、そういうことよりもただただ「最後の1秒まで、みんなで一緒に楽しみたい!」と。

この3ヵ月のうちに、いつしか“受講生のみなさん”と私ども“事務局”が、高木綾先生・高橋竜太先生の下で、完全に“クラスメイト”みたいな関係になれていたからこその感覚だったと思います。

 

もういっそ、受講者・事務局合わせて28人を《ジゼルメイト》、あるいは《GSL28》(プロデューサーはもちろん秋元康氏じゃなくて高木綾氏&高橋竜太氏)と名付けても良いかもしれません(`‐ω‐)ь

 

 

定期講習会「ジゼル」レッスン、最終回。

「最後のレッスンはこの場面で」と、講師の高木綾先生・髙橋竜太先生が選んでくださったのは、第1幕より狂乱の場》

全幕中で最も演劇的で、衝撃的で、ダンサーの実力が試される場面です。

ヒロインが正気を失っていくさまが“見せ場”だなんて、数ある“名作バレエ”においても極めて特殊。

またバレリーナの数だけ演じ方があるところがまた、このシーンが名場面と言われるゆえんでしょう。

 

この場面を学ばずして、「ジゼル」レッスンは終われません

そしてやるからには、小道具とか細かい演出にも当然こだわらねばなりません

 

たとえば可愛らしく束ねていたジゼルのが、正気を失った瞬間バラリと肩に落ちるところとか。

足元に落ちていたを拾って地面(床)に曲線を描くところとか、そので自らの胸を貫こうとしたりするところとか。

 

そういうところもきっちりやってみるのが当講習会のスタイル(`・ω・´)キリッ ということで、取り急ぎ受講者のみなさまには

「髪をきっちりシニヨンにはせず、クリップなどで軽くまとめてきてください」

と業務連絡。

 

そしてワタクシはというと、いそいそと通販でこんな剣を購入しました。

 

 

_人人人人人人人人人人_
> 何このドラクエ感 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

 

 

こちらの剣を4本ほど肩に背負ってスタジオへ。

電車のなかでは外国人観光客らしき方々に「WOW(笑)」と喜ばれ、どうやらワタクシNINJAと間違われたのかなと誇らしかったのですが、それ以上にスタジオに入ったとたん、受講者のみなさまの間に爆笑のウェーブが広がったのが嬉しかったです。

 

ちなみに、そこに剣があれば手に取らずにはいられない……というご様子だったのが、やはり元・男の子の高橋竜太先生

何か見えない敵と戦っていらっしゃるかのように、ビュン!と振り下ろしては構えの姿勢を見せたり、目にも止まらぬ早さでクルッ!と空中に舞い上がってはまたピタッ!と構えたり。とにかく気がつくと鏡の前で華麗なる剣舞を舞っておられ、それがもう物凄く格好良くて、目が釘付けになりました。

 

 

さてさて、いつものようにベリーショートながら体はしっかり温まるバー・レッスンをサクッと済ませまして、いざ、狂乱……!

 

本日学びますのは、

ジゼルの目の前で、アルブレヒトがバチルドの手にキスをしようとする

ジゼルは思わず間に割って入り、ふたりの顔を見る。

ジゼル:「バチルド様、これはどういうことですか……?」

バチルド:「どういうことって、あの方は私の婚約者です」

ジゼル:「ちがいます! 彼は私と結婚しようと言ってくれました! ロイス、ねえ、そうでしょう? 彼女の言ってることは嘘でしょう? ねえ、どうして何も言ってくれないの?!」

ジゼルはバチルドにもらった首飾りを投げ捨て、地面(舞台下手側)に倒れ込む

母親のベルタが駆け寄り、心配そうに娘の頭を撫でる(この時にジゼルの髪をほどく)

ジゼルは1回軽く痙攣。次の音でふらふらと立ち上がり、上手奥へと後ずさり、バチルドとぶつかり、ビクッとして舞台中央へ。両手で顔を覆ってうつむく

たっぷり音を使い、ゆっくりと顔を上げる。その目はもう何も見ていない。ただ斜め上、遠くの宙に向けられている

うつろな表情で左手の薬指を指し、ふらふらと小さく1周歩く。「あの人と結婚するはずだったの……」と、その手元を周りの人に見せるように。周りの人々は、その姿を見て悲しくなる

ここから幸せだった頃の回想に入る。ふらふらと自分の家のほうへ歩き、花を摘むような仕草を見せ(実際には摘めていない)、舞台中央にぺたりと座り、花占いを始める。でも、その手元には花がないことにふと気がつく

また立ち上がってふらふらと歩きだし、足元に落ちていた剣を踏む

「いいものがあった……!」とでも言うように、剣先を持ち、柄で舞台上にぐるりと境界線を描いていくかのごとく引きずり回し、下手手前から上手奥に向かってにょろにょろにょろと曲線を描いていく

最後にその剣で自らの胸を貫こうとした瞬間、ヒラリオンが剣を取り上げる

ジゼルはヒラリオンを見て狂ったように笑いながら後ろに下がっていくと、またバチルドにぶつかり、怯えるようにお辞儀をして、また舞台中央に倒れ込む

ベルタがジゼルを抱き起こし、「お家に帰ろう?」と連れて歩き出す

ジゼルは突然、何かを見つけたように上手側の宙を指差して走り出す。かと思ったら、今度は下手のほうへ

下手から上手へ向かい、何かを招くようなポール・ド・ブラ&アラベスク・タン・ルヴェ→シャッセを2回ほど。反対方向も繰り返す

また幸せだったひとときの記憶をなぞるように、愛する彼の腕に自分の腕を愛おしそうに絡める仕草。そして力なくバロネ→ジュテ・アティテュードのステップを6回ほど。最後の2回でだんだん狂ったように激しく動きだし、そこで心臓が壊れる

急に何かに怯え出す、あるいは激しい悪寒を覚える。目が見えなくなる。恐怖に駆られ、助けを求めるように、村人たちの群れを掻き分けるように舞台を一周走る

舞台上手奥でヒラリオンがジゼルをキャッチ。「ジゼル、しっかりしろ! ほら、あそこにお母さんがいるぞ!」

「お母さん……!」ジゼルは一瞬正気に戻り、母親の腕に飛び込む。そしてくるりと振り返り、最後にアルブレヒトの腕の中に飛び込み、崩れ落ち、こときれる

 

……と、まで約6分の長尺シーン。

 

この場面はみなさまご存じの通り、主な登場人物が5人いますよね。

★ジゼル

★アルブレヒト

★バチルド(アルブレヒトの婚約者)

★ベルタ(ジゼルのお母さん)

★ヒラリオン

 

じつは、この前の週のレッスン終了後に、受講者のなかのおひとりから、

「狂乱の場は、ジゼル役ももちろんやってみたいのですが、私はお母さんの役もやってみたいです」

とリクエストをいただいていたんですね。

それをさっそく綾先生・竜太先生にお伝えしていたところ、

「おもしろい! やりましょう!」

とご快諾。こういう柔軟さや寛容さがまた、おふたりの最高なところでございます(≧▽≦)

 

で、レッスン当日。最初に先生方が受講者のみなさんにアンケート。

 

「ベルタをやってみたい人?!」

 

「はい!!!」(複数人が手を挙げる)

 

「じゃあ、バチルドやってみたい人?!」

 

「はい!!!」(こちらもまた複数人)

 

……と、この積極性。受講者のみなさまも最高です(≧▽≦) (≧▽≦) (≧▽≦)

 

とにもかくにも、まずは今日トライする部分の振付を覚えましょうということで、まずは綾先生と竜太先生がお手本を見せてくださいました。

 

もう、この段階で大感動!

 

なんせ、おふたりが、たったふたりで、上記の5役をやってみせてくれるわけです。

いえ、正確に言うと、竜太さんがジゼル役(これがとてつもなく可憐!)、綾さんは何と時にジゼルを演じつつその他の4人も兼務(演じ分けが素晴らしすぎた!)して見せてくださるというウルトラC(@_@)

 

そして、それぞれの役がいま何を言っているのか、どういう感情なのか、その仕草は何を意味しているのか。また実際の舞台では、演じるダンサー達がどんな風に感じているのか、舞台上ではどんなことが起こっているのか等々を、事細かに、生き生きとした言葉で説明してくださる。

 

これがもう、本当に「へえ!」の宝庫であり、感動的なお話の宝庫であり。

 

例えばのところ。

「この“手にキスをする”という行動。これはジゼルにしてみれば、ほんの少し前に彼が自分に対してしてくれたこと。彼女にとっては幸せな時間の象徴であり、彼に愛されていることの証だったはずなのに、まさにそれと同じことを、彼が他の女性に対してしようとしている。だからジゼルはあんなにショックを受けてしまうんです。このドラマの伏線の引き方が見事。細かいシーンだけど、『ジゼル』という作品の見どころのひとつだと思う」

と、竜太先生。

 

またのところについてはこんなお話が。

「バレリーナによっては、ここで顔を覆っていた手を話した瞬間、涙で顔をぐっしょり濡らしていたりする。それを見ると、僕たち周りの人間も一気にもらい泣きをしてしまう。そのくらい、ジゼル役のダンサーは完全に入り込んでいる。すごい迫力です」

 

だからまで演じ終え、第1幕の幕が下りると、ジゼル役のバレリーナはその場からしばらく立ち上がれないことが多いのだそう。床に座り込んだままぼーっとしていて、ベルタ役の方が、まさに役柄そのもののようにジゼルを抱き起こし、楽屋へ連れていってあげたりするのだそうです。

そのくらい、ダンサーは全身全霊で「ジゼル」を生きているのだと。

 

すごいお話です。

 

また、細かい部分でおもしろかったのはのところ。

ここはやはり、倒れた娘のところへ真っ先に駆け寄るベルタ役の芝居の見せどころのひとつでありますが、同時に彼女には、ジゼルの髪をほどいてあげるという重要な役目もある

このときジゼルは、できるだけほどけやすい髪型にセットしてはいるものの、やはり踊っている途中で髪が崩れないように、ある程度しっかりとピンなどで留めているそう。

なので、芝居しながら素早くほぐしていくのはすごく大変。ベルタ役の方の手にはどんどんピンなどが溜まっていくので、周りのダンサーたちが心配そうに駆け寄る芝居をしつつピンを受け取るなど、連係プレーも大事なのだそうです。

 

こういうお話を聞くと、ダンサー・スタッフ含め舞台を創っている人々のこだわりや情熱、濃やかさに頭が下がるし、もっともっと大切に、舞台を見たくなります

 

 

さて、先述の通り、ここは約6分もある長丁場。しかも花占いの回で学んだように、カウントで動くことはできないけれど、“この音楽の中でこれをする”という範囲は決まっているのが、バレエにおける“芝居のシーン”の難しさです。

 

これは振りとかそのタイミングを覚えるだけでも大変だぞ……と覚悟していたのですが、何とみなさま、先生方のお手本をいちど通して見せていただき、そのあとサーッと一気に振り移しをしていただいただけで、もうほとんど覚えてしまわれた……!

 

びっくりしましたが、これまで目の当たりにしてきた受講者のみなさんの熱心さや集中力、どんなチャレンジにも食らいついていく力強さを思えば当然かもしれないし、またそれはこの場面がいかに良くできているかの証左でもあるのかな、と。

 

つまり、役の感情の流れと音楽があまりにも合っている

音楽が私たちの体を導いてくれるというか、その音を聞くともうそのようにしか動けないというくらい、音楽と振付と感情がぴたりと合っているのだと、ハッとさせられました。

 

 

あと、この日はご用意した剣が4本だったということで、4人ずつ前に出てジゼル役になりながら実践練習をしていくことになったんですね。

しかしそれだけでなく、綾先生・竜太先生の機転で、その4人以外の人たちも、代わる代わるベルタ・アルブレヒト・バチルド・ヒラリオンの役に振り分けていただき、ジゼルと共演することに。

つまり私たち、最終的には全員が5役全部を覚え、演じてみることができたのです……!!!

 

これは本当に楽しかった。最高でした。

 

狂乱していくジゼルの演技を学ぶことが今回のいちばんの楽しみではありましたが、どうしてなかなか、その他の役もすごくおもしろい……!

その場面の見え方が、役によってガラリと変わる

もちろん、私の演技など“演技”の“え”の字にもなっていないレベルですが、それでも、いまこの瞬間にどう動きたいかが自然に出てくるんですね

 

バチルドになれば、背筋がぐっと伸び、文字通り“上から目線”の姿勢になる。

アルブレヒトになれば、心臓がドキドキして、オロオロした気持ちになる。

ベルタになれば、最後に自分の腕に飛び込んできたジゼルを、ギュッと抱きしめたくなる。

 

全幕においては、どの役も同じように重要で、どの役にも掘り下げがいがあるのだということ。

なるほど、こういうことなんだ……!と、またひとつ腑に落ちた感じを得ることができました。

 

 

そして、ジゼルとして、この場面を演じてみて。

受講者のみなさまは、どんな風に感じたでしょうか……?

 

私自身はといいますと、でバチルドとアルブレヒトの間にバーン!と割って入った時にスイッチON(テンション上がりすぎてフライング気味になったけど)。

そしてで顔を手で覆っている時とで“エア”アルブレヒトに腕を絡めた時に涙がこみ上げてきて……ではもう、感無量(違

 

反省点としては、の痙攣が大痙攣になりすぎて、この石頭でベルタ役の方に頭突きしてしまったこと(Mさん申し訳ありませんでした……(∋_∈))。

あと、せっかくで気持ちが入っていたはずだったのに、顔にバサーと垂れた髪がほよほよほよ……と頬をくすぐり、思わず手で払ってしまった瞬間にちょっと“素”に戻ってしまったこと。

舞台を見てると、バレリーナの方も時々ここで髪を搔き上げたりなさいますが、それはいつもすごく自然で、全然“素”な感じはしない

当たり前すぎて叱られそうですが、こんなところでも格の違いというものを思い知りました(==)

 

 

また、私から見た、みなさまの演技の感想はといいますと――

 

みなさん、本当にそれぞれ、“自分の物語”を演じていらしたな、と。

ご自身の思い出や、経験や、感情の記憶を、胸の中でジゼルにちゃんと重ね合わせて、一つひとつの動きにしっかりと“意味”を持たせているのが凄いと思いました。

誰ひとりとして、照れたり遠慮したりもしていませんでした。

 

あと、“目”の表現がとくに素晴らしいと思いました。

心の中で静かに泣いているような、悲しい目をしていらした。

 

もう私は、本当の本当に、

 

 

き、北島マヤが大量発生しとる……( ̄□ ̄;)!!

 

 

と思いました。

 

***

 

1月から3ヵ月にわたった定期講習会「ジゼル」レッスンは、こうして無事に幕を下ろしました。

1回2時間、全12回。“おとなバレエ”な私たちの、小さくて、大きな挑戦でした。

 

群舞も、ソロも、パ・ド・ドゥも。

ジゼルの恋も、狂乱も。

全部全部、心の底から「経験できて本当によかった……!」と思える、かけがえのない学びの場でした。

 

『ジゼル』は私たちにとって、忘れられない思い出と結びついた、とくべつな作品になりました。

 

高木綾先生、高橋竜太先生、素晴らしいご指導と、夢のような時間を与えてくださり、本当にありがとうございました。

 

受講者のみなさま、弊社にとって初めての企画に、「参加したい!」と真っ先に手を挙げてくださって、本当にありがとうございました。

 

これからも私どもは、おとなの私たちが “あきらめていた夢” や “叶うとは思わなかった夢”、あるいは “夢見たこともなかった夢” を実現する企画を作っていきたいと思います。

 

みなさま、これからもどうぞよろしくお願いいたします!

 

有限会社オン・ポワント

阿部さや子

細木光太郎

 

***

 

【<狂乱の場>の重要ポイント】

 

★この<狂乱の場>は、数あるバレエ作品の中でも、最も演劇的で、最も難しい場面のひとつと言える

 

でうまく髪がほどけなかったら、あたりでジゼルは自分でさりげなくほどきながら演技しなくてはいけない

 

で剣を踏むところ。この剣は前のシーンでアルブレヒトが床に叩き付けるもの。叩き付け方によってはたまに、ばいーん、ばいーん、ばいーん……とバウンドして変なところに着地してしまうことがあるので要注意。ジゼルは芝居をしながらも、ちゃんとどこに剣があるかを確認しておき、そこに向かってふらふらと歩くべし

 

お母さんに抱きつくところ。感極まって長く抱きつきすぎていると最後の音に間に合わない。息絶える瞬間の音は外せないので、お母さんの腕からアルブレヒトの腕へと移っていくタイミングが遅れないように気をつけるべし

 

などのシーン。周りの人もすごくジゼルの死を悲しむけれど、ジゼルの亡骸に飛びついたり、近づきすぎたりしてはいけなくて、遠巻きに、距離を保たなくてはいけない。

どの作品でも、役によって“アクティング・エリア”がある。主役であるジゼルの至近距離まで近づいていいのは、ここではベルタとアルブレヒトのみ。そういった、場面ごと、役ごとの立ち位置、「自分が演技をするエリアはこのあたり」というのが決まっていることも、知っておくとよい

 

★芝居の場面は、心のなかでちゃんとセリフを言うこと! 何なら、練習の時は本当に口に出してもいい。言いたいことや自分の感情を言語化できるくらい明確に演じて初めて、動きで物語や感情を伝えることができる

 

★これだけの長い芝居になると、時には振りを忘れそうになったり、“素”に戻りそうなこともある。そんな時、いかにしてまたスッと役に入り直せるか。そこも大事な訓練

「ジゼル」レッスン、第11回(3/17)重要ポイントのまとめ!

 

3月17日(土)。

1月からスタートした当講習会も、いよいよ第11回レッスンを迎えました。

 

回が進むということは、終わりが近づくということ。

レッスンはどんどんどんどん右肩上がりに楽しくなり、受講者のみなさんともどんどんどんどん“仲間”になれた気がしていて。

私はもう「もうすぐ最終回がくる……」と一瞬でも考えたら淋しさを通り越して悲しくなってしまうので、いまはただ目の前のレッスンに集中しよう!と気合を入れ直し、この日もはりきってスタジオに向かいました。

 

 

前回と今回の2回にわたってわれわれが学びましたのは、第2幕《ジゼルとアルブレヒトのパ・ド・ドゥ》の場面。

2回目であったこの日は、前回の最後に振り移しをしていただいた部分からその続きまでを、一気に練習いたしました。

 

振付としては、

 

ジゼルとアルブレヒトがお互いに向かい合った状態で、1歩、2歩、3歩と後ろへ下がる(ミルタたちの力で二人が引き離されている)

引き離されても、また両手を大きく横に開き、呼吸を合わせて駆け寄りハグ。この時に右手同士を握りあって、ジゼルはアルブレヒトの右肩にそっと右の額を寄せ、左腕はドゥミ・スゴンドに(この左手はアルブレヒトの背中に回して本当にハグをするパターンもあるそうです)

右足前5番のシュ・スーに立ち、アルブレヒトと呼吸と動きを合わせつつ左腕をアン・オーに上げながらデヴェロッペ・ドゥヴァン。そのまま呼吸を使って後ろにカンブレ

握っていた右手を斜め上のアロンジェに、左手を横のアロンジェにしながら、サッとフェッテして2番の方向で第3アラベスク

いったん左腕も前のアロンジェにしてポール・ド・ブラを見せてから、やや体をパンシェして上体を使いつつ、方向を変えて左向きのアラベスクに(方向を変えるのはアルブレヒトに任せる)

右腕を下から大きく回してアラベスク・クーロンヌ・パンシェ。そのポーズをキープしてプロムナード(アルブレヒトが回してくれる)

回り終える前に徐々に体を起こしていき、最後はまた第3アラベスク

そのまま脚を下ろして少し後ろに下がって左脚ドゥヴァンのタンデュでプレパレーション

アルブレヒトにサポートしてもらいながら、下手方向へシャッセ・ルルヴェ・アラベスクグリッサードピケ・アラベスクグリッサードピケ・アラベスクグリッサード→アームスを左から上を通って右へとたなびかせながらジュテ(←ここリフト

今度は上手方向へシャッセ・ルルヴェ・アラベスクグリッサードピケ・アラベスクグリッサードピケ・アラベスク

脚を下ろし、ウィリ・ポーズでその場でパ・ド・ブーレで足踏み。そのあいだにアルブレヒトがジゼルから離れてひざまずく。ジゼルは彼に向かってパ・ド・ブーレ・クーリュで横移動していき、彼の右脚の横に立ち、少しだけ彼に体を預けながら左脚を後ろに抜いて第1アラベスク(右腕はけっこう斜め上)

 

……と、ここまでを練習いたしました。

 

今回もまた、レッスンのやり方は前回通り。

つまり背高さん組/やや背高さん組/やや小柄さん組/小柄さん組の4組に分かれて、組ごとにひとりずつ前に出ていってはゲスト&講師の男性ダンサーにパートナーになっていただき、この①~⑪までをじっくり練習・ご指導いただきました。

もちろん、各組の担任アルブレヒト先生も前回通り。

背高さん組 ⇒ 松野乃知さん

やや背高さん組 ⇒ 浜崎恵二朗さん

やや小柄さん組 ⇒ 梅澤紘貴さん

小柄さん組 ⇒ 高橋竜太さん

という豪華な布陣で稽古をつけていただきました。

 

今回はパ・ド・ドゥ・レッスンの2回目ということで、”男性と組む”ということに対する緊張感もややほぐれ、みなさんそれぞれ、ご自身なりの“課題”に意識を向けて練習をする余裕生まれていたのではないかと思います。

 

私自身の課題は、なんといってもコレでした↓

 

 

引き上げ。

 

 

しつこく言って恐縮ですが、私の体のどこか(たぶんお腹まわり)にくっついた1.5キロの何か(たぶん筋肉以外のもの)は、結局そのまま棲みついてしまったようで消え失せる気配なし。

かくなる上は「何があっても引き上げまくるしかない!」ということで、本当にレッスンのあいだじゅう、とにかくとにかく心の中で

 

 (-ω-)。o○(引き上げ!)

 

と唱え続けました。

 

他の方が踊っているのを見ている間も(引き上げ!)

すごく上手に踊っていらっしゃる方に感嘆しながら(引き上げ!)

自分の番が来て、スタンバイして(引き上げ!)

シュ・スーして(引き上げ!)

フェッテして(引き上げ!)

パンシェして(引き上げ!)

アラベスクして(引き上げ!)

……

 

それはもう、あたかも内田裕也がいかなる局面にも「ロックンロール!」のひと言を投じるように、私もいかなる瞬間も、自らの体に対して(引き上げ!)の言葉を投じ続けました。

 

 

なのに、なのにですよ。

それだけ意識していても、やっぱり、何度でも注意されるんですね(T_T)

 

「ほら! 引き上げて!」

「お腹を緩めないで、上げておいて!」

「違う、体を前に倒すんじゃなくて、上に引き上げるの!」

 

はぁ。。。

引き上げへの道のりはまだまだ遠い(;∀;)

There is a long way to go before I master HIKIAGE(;∀;)

 

 

でも。本当にたったひとつなのですが、自分的にはものすごく嬉しいことがありました。

 

それは、

 

「私は無駄に力む必要はないんだ。自分のお腹をちゃんと引き上げて、体さえまとめておけば、パートナーの男性は、何があっても私が倒れないよう支えていてくれるんだ」

 

ということに、ある瞬間、ハッ!と気づけたことです。

 

 

他のみなさんは、最初からある程度ムダな力を抜いて踊れていたように見えたのですが、私自身は、本当に何をするにも、体にずっとガッチガチに力が入っていたんですね。

特に、上記でいうところの⑥アラベスク・クーロンヌ・パンシェでプロムナードをするところは、ひどかった。

 

何しろ、浜崎アルブレヒト様が私の腰に添えている手が、ムギュー!っていう感じじゃぜんぜんなくて、むしろ非常にソフトでお優しい

さすがはアルブレヒト様というべきエレガントなお手元にうっとりしながらも、いやいやいや、そのようにエアリィな支え方でこのボリューミィなボディを制御できるわけがナイと。

 

私はもう、

 

あわわわわ、ムリムリムリ、倒れる倒れる倒れる…… ((;OдO))

 

と、毎回ひとりでむちゃくちゃ焦っていたわけです。

 

 

ところが、あれは2回目のトライの時だったでしょうか。

4組をまんべんなく巡回して指導してくださっていた綾先生が、たまたま私の近くにいらした時に、

 

「パンシェでプロムナードの時は、お腹だけ引き上げておいてー」

 

と、ひと言、おっしゃったんですね。

 

まさにその時、絶賛パンシェ中だったワタクシ。

 

(お腹か……!)

 

と、脂肪の奥にある腹筋をキュッと引き締めてみたら、不思議なくらいフー……と力みが無くなり、スー……という感じで、スムーズにプロムナードができた感覚を得られたんです。

 

ああ、これがパートナーを信頼するということ、パートナーに委ねるということなんだな、と。

 

 

こんなこと、プロのダンサーはもちろん、上手な方にとってはきっと当たり前のことに違いありません。

 

だけど、私にとっては、この小さな小さな“開眼体験”が、ものすごく嬉しかった

 

最高に楽しくて、本当に幸せな2時間でした。

 

 

もちろん、これまた前回同様、今回の振付でもほぼすべてのステップについて何かしらの注意はきっちり頂戴いたしましたよ(・∀・)

それらは必ずやみなさまのお役にも立つことと存じますので、最後にまとめます【レッスンの重要ポイント】リストに、加えておこうと思います。

 

 

 

 

さあ、みなさま。

 

次回はいよいよ、ついに、とうとう、当講習会の最終回です……!!

 

だけど、淋しがっている場合ではありません。

 

なんてったって最後に挑むのは、本作の最大の難所であり、見せ場であり、われわれの人生経験生身の感情女・優・力が試される

 

《狂乱の場》

 

ですから……!!!

 

 

嗚呼、こんなにもシリーズのフィナーレを飾るにふさわしい内容がありましょうか(≧▽≦)

 

 

ワタクシ、みなさまににょろにょろにょろ~っとしていただくはご用意しました

あとはみなさま、ヘアはきっちりシニヨンではなくクリップなどで軽くまとめて、髪を振り乱す準備をしていらしてください(`・ω・´)b

 

 

***

 

 

【ジゼルとアルブレヒトのパ・ド・ドゥのポイント】

丸囲み番号は本文中の振付説明部分と連動しています

 

ハグのところ

ちゃんとアルブレヒトの右肩に自分の右の額あたりを寄せてくっつけること。ここを恥ずかしがって離れているとすごくヘン

 

デヴェロッペ・ドゥヴァン、後ろにカンブレのところ

デヴェロッペ・ドゥヴァンは、右脚を伸ばしきったらその足先を男性の脇腹あたりにそっとくっつけさせてもらうと体が安定しやすくなる(これは発表会の現場(?)で伝承されているコツとのこと)

 

フェッテして2番の方向で第3アラベスク

*握っていた右手を斜め上のアロンジェに持って行く時は、男性の手をぐっと押す力を借りて、そのままストレートに目標の位置(最終的に腕を置くべき位置)へ持って行く

*フェッテをしたとき「アラベスク!」と思うと重心を前に持っていかれがち。そうではなくて、アラベスクの脚を後方へぐーっと引っぱるようにするとバランスが安定しやすい

 

アラベスク・クーロンヌ・パンシェ、プロムナード

*右腕を下から大きく回していくところは上体も顔も大きく使って、アルブレヒトと呼吸を合わせて

*ここのアラベスク・クーロンヌ・パンシェのポジションは少々独特。アン・オーの腕が作る楕円が客席からキレイに見えるようボディを正面に開くけれども、腰はあまり開き過ぎないように(でも少ーしだけ開き気味)

*プロムナードの時は、女性はただただお腹を引き上げておくこと!

*パンシェしているし、プロムナードで回転もするため、アン・オーは左右の腕がずれてきやすいので注意。きれいなポジションをずっと保って

 

シャッセ・ルルヴェ・アラベスク→グリッサード→ピケ・アラベスク→グリッサード→ピケ・アラベスク→グリッサード→ジュテ

*アラベスクへの立ち方は1つめだけが“ルルヴェ”で、あとの2回は“ピケ”その差をハッキリと見せるべし

*ピケ・アラベスクは、まず出す脚を付け根からきちんとアン・ドゥオールし、膝からつま先までしっかり伸ばして美しいラインを作ってからピケ

*アラベスクに立つ時は上に! 絶対に自分から前に倒れていかないこと。脚を高く上げすぎる必要もなし。女性はまず体をまっすぐ上に引き上げてしっかり立つ

*そこからオフバランスにするのは男性のサポートに任せる。女性は体を引き上げ続け、脚と腕を遠くへと引っぱり続ける

*ポール・ド・ブラの流れも大切に。アラベスクの時は前方に伸ばしていた腕を、グリッサードのときは後方にゆったりと差し出す。アームスの流れを断ち切らないように、滑らかに動かし続けて

*ジュテは、ちゃんとジュテ!(踏みきって跳ぶ)

 

ラスト。アルブレヒトに体を預けながら左脚を後ろに抜いて第1アラベスク

*アラベスクに立つ時、絶対に軸脚の付け根を後ろに引かないこと! みんな後ろに引いてしまうから後ろざまにバランスが崩れてしまうけど、逆。男性の肩に付け根を思いきって持たせかけるようにして。男性を信じて、軽く体重を預けるようにして立つ

*右腕を前につん!と伸ばさないように。前ではなく、斜め上(しかもけっこう上!)のほうへかなり強く引っぱると、バランスが取れやすい

 

★踊り全体に関わる、松野乃知さんからの重要なアドバイス★

「みなさん、ふたつのお尻がぱかっと離ればなれにならないように、絶対にギュッとまとめておくことを忘れないでください。例えばラストのアラベスクだって、左右のお尻が離れちゃうから軸脚の付け根も引けてしまうし、体がばらばらになってバランスが取れないんです。このことは、何のパを行う時でも同じです。」